からだ脳を育てる!
2023.11.28
あそびは力いっぱい取り組むことが食、睡眠に繋がります。保育園では十分体を動かし、外気に触れ寒い暑いを積極的に体に感じさせることで、自律神経を活発に働かせるように配慮していきます。保育園、ご家庭で何を優先すべきかはご家族間でもすり合わせることが大切です。下記の乳幼児期に必要な「睡眠時間」を十分にとれるようにしていけると良いです。
小児科医 発達脳科学者 成田奈緒子さんの話を聴きました(みんなの子育て深夜便)。先生は脳の仕組みを18歳までの発達し続ける脳から考え研究していらっしゃいます。とても興味深いお話です。ネットで聞き逃しサービスも無料で放送していますので是非お聴きください。
子どもたちにとっては睡眠がとても大切です。きちんと寝ることは自律神経の発達に大きな影響を及ぼします。少し長いですが、成田さんの科学的見地から「乳幼児睡眠の大切さ」をご理解ください。
【「きちんと寝る」とは、具体的には、どのくらいの睡眠時間が取れていることなのでしょうか。乳児期は多くの時間を寝て過ごすため、あまり気にする必要はありません。3歳児であれば、理想的な睡眠時間は1日12時間程度です。このうち11時間は夜間の連続した睡眠時間で、残る1時間は日中の昼寝時間です。11時間を確保するためには、起床時間を朝6時とした場合は、夜7時に就寝しないといけません。それは現実的ではないという家庭は、総睡眠時間を1時間減らして10時間にし、起床は朝6時で、就寝が夜8時、昼寝を1時間とすれば、比較的実践しやすいと思います。そして、5歳になるまでに昼寝の時間を徐々に減らしていきます。5歳で昼寝をなくすのが理想ですが、あまり神経質になると親が焦ってしまいストレスになるため、目安程度で構いません。
ではなぜ、子どもの発達には幼少期から十分な睡眠時間を確保することが大切なのでしょうか? それは、脳の発達の仕方に関係があります。人間の脳は、大きく分けて3つのステップを踏んで発達していきます。初めに発達するのは、「からだの脳」です。生まれてから5歳くらいまでの間に、「寝る、起きる、食べる、体を動かして危険から身を守る」といった、人間の原始的な機能が発達します。
次に、「からだの脳」と一部並行しながら、「話す、考える、思った通りに体を動かす」といった「おりこうさんの脳」が小中学校段階の時期を中心に発達します。
最後に、10~18歳ごろにかけて、人間ならではの最も高度な機能である、論理的思考や感情の統制といった「こころの脳」が発達します。
ポイントは、「おりこうさんの脳」や「こころの脳」が発達するためには、それぞれ前のステップの脳が十分に発達している必要がある、という点です。その意味でも、すべての土台となる「からだの脳」は大切です。ここをしっかりと育てないまま、小学校レベル以上の高度な早期教育に力を入れても効果がありません。しかも、睡眠習慣や食習慣は、年齢が上がるにつれて子どもの嗜好が固定化されたり、誘惑が増えたりするため、理想に近づけることが困難になります。保護者が主導できる乳幼児期にそれらを習慣化する方が容易であり、その支援こそが、保護者が子どもに対して果たすべき最も重要な責務だと私は考えています。】
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