お知らせ

「自己中心」が大切な乳幼児期 「今」が大事!

2025.05.10

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子どもたちはステップを踏みながら、だんだんと遊びの質を向上させていきます。タイヤ、砂場、台と調理器具、野菜の苗等、様々な物に慣れ親しんでいくうちに、その使い方を縦横無尽に試し続けていきます。

タイヤ転がしはうまくいく時もあればそうでない時もあります。そこが持続して挑戦できる要因にもなっています。いつも失敗ばかりでは難しすぎて「飽き」てしまいます。おもしろさの程度のような秤りがあって、そのころ合いがマッチした遊びが固有の「楽しさ」を生み出しています。ですから誰もが同じ遊びで楽しめるとは限りませんが、大体同じくらいの発達年齢であればマッチします。よって取り合いなどの争いも生まれます。

同年齢で遊ぶことはメリット、デメリットもあります。その苦難を子どもたちは何度も誰かとぶつかる中で乗り越えていく必要があります。仲間を欲し一緒に遊びたいと心の底から思う時、相手に対して「ゆずる」、「かしてあげる」ことができるようになっていきます。この時点が「自己中心性からの脱却」なのです。でもすぐに「自己中心性」に逆戻りすることもあります。行ったり来たりを繰り返すうちに「なかま」とは?が身についていくのです。

だから今の時代は「自分中心」を謳歌しなければなりません!たまたま、なかまに譲れたとしても、心の中で本当に「やりきった感」がなければ、次のステップ(なかまと協力する=4歳前後)に移行するのは無理があります。子どもの育ちは急激に伸びていくものではないのです。十分に時間をかけ「その時代」を遊びきり、頼り切り、甘え切った時にこそ心残りのない発達が遂げられます。

お父様、お母様、どうぞ他の子と比べる必要がないことをご理解ください。そして「今の発達」を大事にしてください。後々の心配は今は不要なのです。子どもは唯一ひとりの存在であり、「あそびを楽しむ権利」を持ち、たとえ子どもであろうとも「一市民として生きる権利」を持っているのです。子ども時代という二度とやってこない瞬間を、精一杯生き切る権利があるのです。

よってその権利を遂行しやすい環境を用意することが、乳幼児教育施設の使命です。自然環境と道具、玩具が十分に使いこなせる環境、雨の日でも室内で十分に体と頭を使いきれる環境、そして室内外で子ども自身が気付き、自発的に遊びこめるための人的支援の準備、これらを保証していくことがとても大切な時期です。

カテゴリ:子育て

「してもらう」が先!の乳児期

2025.05.05



幼い頃は「大人にしてもらう・・・」ことがとても大切です。子どもは「依存と反抗」を繰り返し自己を伸ばしていきます。ですから先に何かをしてもらわなければ、満足し自分自身が納得した上で活動を切り替えることが出来ません。「欲求の充足」を優先することは我がままではありません。この時期特有の発達の特徴と考える必要があります。

ですが何度もお話ししていますが、自他の身に危険がある場合、他者に嫌な思いをさせる場合、大勢の人がいる公共の場や物、倫理的にしてはならないことなどの場合は別です。子どもの権利の保障は守っていくことが大切ですが、制止する場面ももちろんあるのです。緊急性の度合いによって方法は変わります。

その際もできるだけ子どもの言い分を先によく聞いてあげることが大切です。また、初めてのことや説明してなかったことなどの時は、特に丁寧に受け止め分かるように理由をお話ししてあげてほしいです。たとえその時分からなくても信頼のおける関係性があれば、なんとなく「してはいけなかった!」と捉えられる時が来ます。感情的に恐怖感を植え付ける叱り方は、力が逆転したときに屈折した形となって身に降りかかります。

「してもらう・・・」はたとえ短い時間でも「ギュッと抱きしめてもらう」、「優しく受け止められる表情や言葉」、「絵本や歌を一緒に歌う」、「スキンシップを伴う触れ合い遊び」、「行動の理由をじっくりと聞いてもらう」等の愛情が根本にある大人の言動なのです。

その思いや満足を聴いてもらえたこと、一緒に汗だくになって遊んでもらったことで十分満足することで、初めて「一人の世界(ひとり遊び)」が没頭できる瞬間へと作り上げられていきます。今日の写真で言えば、お話しをしてもらったからこそ、ブロックに集中し、好きなブロックで遊び時間を与えられたからこそ、ペン先に集中できるのです。

そして集中し、緊張感を持続した時間は、傘袋ロケット、新聞遊びで十分体を動かすことによって子どもの心の中で昇華していきます。この緩急、リズミカルな過ごし方が、雨の日等気候が悪く外で活動ができない時に必要な保育、育児方法でもあります。

子どもたちの心の中を覗いてみると、少しづつ「○○したいのだ!」といった心の叫びが聞こえるようになっていきます。幼さはそのような大人の寄り添いを待っているとも言えます。タイミングよく「楽しみ」が目の前にやってくれば、スムースに自分の心と体を載せることが出来るのです。

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こどもの安心と安全

2025.04.21

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新しい環境に慣れてきたとはいえ、行きつ戻りつを繰り返すのが幼さでもあります。見慣れない園長などが保育室に入るものなら、子どもたちの視線は一斉に私に向けられます!「こいつは何者?」、「私に何かしたら、思い切り泣いてやるわ!」と身構えています。他にも私に向けて一所懸命手を振り「(あなたは私に近づかないで、来ちゃだめよ)バイバイ!ね」を伝えます。

何ともかわいらしく、いじらしいではありませんか。毎年同じことを繰り返しているのがこの時期の保育園の特徴です。保護者の皆様!子どもたちの防衛機能はしっかりと働いています、どうぞご安心ください。あと2週間ほどでゴールデンウィークに入ります。収まりかけた警戒心は休み明けにまた復活します。これも全く正常なことです。

それでも子どもたちは「慣れ」が進んでいきますので、少しづつ「命の危機」の確率も減少していきます。これから気を付けるべきことは「疲れからくる免疫力の低下」から「感染症」への移行の流れでしょうか。慣れない生活で身も心も無理をしているため、疲れや体力の低下、様々な細菌への感染、気候の変化などにより体がついていかない状況も生じます。

どうぞその時は無理をせず、ご自宅でお休みいただきたいと思います。子どもたちは体調が悪ければ機嫌が悪くなり不調を訴えます。言語が不十分なため大人がその状態を予測し、慮ることがとても大切です。職場に復帰されたところで順調に日々を送ることが出来れば良いのですが、未熟な成長はそうはさせてくれませんね。0,1,2歳ころはこのような意味で親御さんにとっても踏ん張り時です。でもこの年齢を過ぎれば出口は見えてきます。

どうぞお子様の不安定が保護者様の不安定へとつながらないことを願っています。「子どもは親の言うことは聞かず、親のすることを真似る」、児童精神科医の佐々木正美先生の言葉です。子どもたちが今一番頼りにしているのは、保護者様をおいて他にはありません。子育ては大変ですが、楽しさもたくさんあります。お子様の10年後を楽しみに、今のご苦労をささやかな楽しさに変えていきましょう!そのための応援は惜しみません!

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「卒園の日」2

2025.04.04



金子みすゞ
・・・・あなたはあなたでいい
『私と小鳥と鈴と』
私が両手をひろげても、お空はちっとも飛べないが、飛べる小鳥は私のように、地面(じべた)を速くは走れない。私がからだをゆすっても、きれいな音は出ないけど、あの鳴る鈴は私のように、たくさんな唄は知らないよ。鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがって、みんないい。
・・・・大切なものは見えない
『積った雪』
上の雪 さむかろな。つめたい月がさしていて。下の雪 重かろな。何百人ものせていて。中の雪 さみしかろな。空も地面(じべた)もみえないで。

あらためまして、「ご卒園おめでとうございます。」保護者の皆さまの温かな眼差しとご協力の元、子どもたちはとても豊かな雰囲気に包まれ、旅立ちの儀式を終えることが出来たと思います。こうしてこれからもいくつもの筋目を様々な心に見守られ、過ごしていくのでしょう!ほんの小さな第一歩の筋目ですが、きっと本人の頑張りと、保護者の皆さまの支えは、心に残っていくと信じています。
人生の中で自分以外のことにどれだけ感動や様々な旅立ちの寂しさにむせび泣いたり、あるいは歓喜を持って涙を流す経験がある事でしょうか?本日ご参集いただきましたことを心から感謝申し上げるとともに、皆様の感涙、心の中の涙をずっとずっと心にとどめておこうと思います。泣くときも喜ぶ時もしっかりと泣き笑いし、ひとつ一つの感情を昇華させていくことは大切です。「出会いあれば別れあり」この人間世界の必然を真摯な心で迎えていくことこそ、ご家族、保育園、幼稚園、学校、地域、日本にとっての宝物であると考えます。ありがとうございました。

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「卒園の日」

2025.04.04

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おはようございます。
「ご卒園おめでとうございます」、ご家族の皆様に大切に育てられたお子様ひとり一人が、本日「キッズガーデンカリヨンの杜」を旅立っていきます!とてもとても感慨深いことです。子育ては本当に大変です。ですがその苦労があるからこそ子どもたちは「人間」になれます。今はまだ「真の人間」になるための途上であることは間違いありません。この先「自立」、「自律」し親元を離れ生活していけるようになるまでは、沢山の喜びや悲しみを経験し乗り越えていくだけの強さを身につけなければなりません。時間も親御さんはじめ多くの他者の支援も必要なのです。
子育ては手探りで行っていくほか手立てがありません。それは「唯一のひとり」の存在が、「我が子」であるからです。お父様、お母様、ご祖母様、ご祖父様、ご親戚に愛情をもって育てられなければ、適うものではないのです。そのご苦労は自己犠牲の上に成り立っているとも言えます。ひとりの大人、人間としての人生もとても大切なのですが、不器用でも苦手でも親御さんの暖かな心を込めた「ことば」、「えがお」、「しっせき」、「つよさ」等がなければ、子どもたちは育っていけません。
どうぞこれからのお子様の人生に対しても、大いに不器用であることに自信をお持ちいただき、寄り添ってあげてください。たとえ新しい場所に行かれても、私たちもずっと皆様をこの場所で応援しています。私が伝え切れない思い、応援の声を「地上の星」はきっと皆さまの心に伝えてくれると信じています。ありがとうございました。

中島みゆき 地上の星 

風の中のすばる 砂の中の銀河 みんな何処へ行った 見送られることもなく 草原のペガサス 街角のヴィーナス みんな何処へ行った 見守られることもなく 地上にある星を誰も覚えていない 人は空ばかり見てる つばめよ高い空から教えてよ 地上の星を つばめよ地上の星は今 何処にあるのだろう

崖の上のジュピター 水底のシリウス みんな何処へ行った 見守られることもなく 名立たるものを追って 輝くものを追って 人は氷ばかり掴む つばめよ高い空から教えてよ 地上の星を つばめよ地上の星は今 何処にあるのだろう

※名立たるものを追って 輝くものを追って 人は氷ばかり掴む 風の中のすばる 砂の中の銀河 みんな何処へ行った 見送られることもなく つばめよ高い空から教えてよ 地上の星を つばめよ地上の星は今 何処にあるのだろう

【中島みゆきの「地上の星」という楽曲は、表面的には単なる美しいメロディと深いリリックの組み合わせかもしれませんが、その背後にはより大きな社会的な意義が込められています。この歌は、通常は注目されないけれども社会の隅々で重要な役割を果たしている個人たち—地上の星—を讃えています。歌詞全体を通じて、中島は「目に見えない価値」を持つ人々の存在を強調しています。彼らはメディアで頻繁に取り上げられるわけではありませんが、彼らの行動や犠牲は周囲の人々やコミュニティ全体に無形の影響を与えています。例えば、献身的な教師、熱心な社会奉仕者、または家族を支えるために黙々と働く人々などです。中島みゆきは、これらの人々が持つ「静かな光」に光を当て、聴き手に彼らの存在を認識し、価値を認めるよう促します。歌詞には、しばしば見過ごされがちながらも、実は社会の基盤を支える重要な役割を担っている普通の人々への敬意が表れています。この楽曲を通じて、中島みゆきは私たち全員が何らかの形で「地上の星」であることを思い出させます。私たち一人一人が持つユニークな光は、もっと評価され、尊重されるべきだというメッセージです。それにより、この楽曲はただの歌以上のものとなり、聴き手に対して深い共感と自己反省を促す作品になっています。】

「一隅(いちぐう)を照(てら)す、此(こ)れ則(すなわ)ち国宝なりと。」 
                           伝教大師 最澄

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