お知らせ

明石市の挑戦

2024.04.21

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おはようございます。
兵庫県明石市は人口30万6千人程の中核都市(丁度春日井市と同じくらい)です。蟹江町の約10倍の人口が居住し、子育て支援行政が自治体の中では進んでいます。子育てしやすい場所として移住をアピールもしています。大学時代、私は西明石に住んでおりました。保育の道を歩み始めたきっかけ(当時は男性保育士は稀で、市を訪ねたところ保育園の見学をすぐに手配してくれました)もこの地からご縁をいただき今を迎えております。
産前から子育て期間に関する相談や「離婚後の養育(中日新聞)」、「おむつの宅配で孤育てを防ぐ(日経新聞)」など子育てについて先駆的な取り組みも行っています。前者については民間の問題という風潮の中、公が介入し養育費、面会交流などを積極的に取決め、親の離婚後も経済的貧困や安心して両親の元で安心して成長していけるような道筋を制度化し、見守り体制も整えています。親権の在り方で合意が見られないときも、子どもの声を家庭裁判所に届ける「子どもの手続代理人」という制度も設けていますが、中々普及が進んでいないのも現実問題であるようです。一方後者は生後3ケ月から満1歳までの期間、3,000円/月相当分の育児商品を無償で受け取ることができる制度で、「弧育て」とならないように支援していくことを目的としています。親が行政から監視されていると感じないように、さりげない気遣いの元進められている支援です。
先駆的支援制度は今後も加速度的に進んでいく少子化に対する気の長い支援です。人間が脳を大きくし知能を発達させる手段を選択したのは、元々協同で子育てをすることで、よりたくさんの子どもを育て人類を繁栄させていくためです。現代社会が親だけの育児となった時、とても大きな負担が発生することは進化の過程で明らかなことです。どうやって親以外の養育支援体制を現実化していくかが急がれます。

カテゴリ:子育て

「こうでなければ・・・」からの脱出!

2024.04.21

「みざる きかざる いわざる」
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日光東照宮

おはようございます。
「子どもは大人の言うことは聞いてないが、するとおりに行う」児童精神科医「佐々木正美さん」の言葉です。表題の「こうでなければ・・・」では日常茶飯事に大人から子どもたちに降り注がれる言葉として、「またか・・」といった思いが強いように感じます。
大人は自らが生きてきた証、信念を「こうでなければ・・・」といった思いで子どもに押し付けがちです。しかし言うほどに子どもは押し黙り、また同じことを行い叱られる、つまりは聞いていないのです。大人の権威や恐怖からは「とりあえずは黙っていよう、しばらくすれば治まる」といった危機回避手段のみが発動しているのかもしれません。力で抑え込んでも結局は子どもの理解、行動の更新は期待できないということなのです。
ではどうすればよいのでしょうか?子どもには「理論よりもルール(義務・禁止・許可)」がすっきりと頭に入ります(哲学する赤ちゃん-アンソン・ゴプニック 亜紀書房)。この基本を押さえておき、くどくどと何度も制止する、理屈を導き出そうとする、理由を話すを繰り返すのではなく、シンプルに説明すべきです。「だから言ったでしょう」、「何度言わせるの」等の言葉がついつい出てきてしまうのも、「説明したのになぜ分からないのか?」といった「こうでなければ・・・」に基づいています。
もう一つは子どもや多様性を持った人々の「生きづらさ」があるならば、その要因を取り除いていくということです。「思いを受け止められていない」、「否定されている」、「もっともっととせかされる」、「親の言うことに子どもを載せようとしている」等の一方通行のコミュニケーシンでは子どもは納得できません。やはり「自分の言うことを聴いてもらっている、受け止めてもらっている」ことを感じていてこそ、「聞く耳」を持つことができます。行ってらっしゃい。

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子育て環境の変化

2024.03.27

参考 一升餅 1歳のお祝い


おはようございます。
ほんの100年前までは、子どもが無事に育つことは難しい状況にありました。それに比べれば現代は豊かになり栄養状態も良く、医療の進歩で救える命が増えたことはとても喜ばしいことだと思います。どの時代においても子の幸せを願わぬ家族はいません。無事に育つことが難しかった時代、古人は「一升餅(ため物に困らないように)」、「選び取り(将来占い)」等の風習で健やかに育つことを切実に願ったに違いありません。
23日は初孫が生まれて一巡り、つまり1歳の誕生日を迎えました。児孫を通じ改めて子どもの発達のすさまじさ、速さ、親子・家族関係の大切さ、そして何よりも大きな嬉しさと喜びを感じます。「目の中に入れても痛くない」を実感しています。近くのリユースショップへ足しげく通い、「今度来訪があったらこのおもちゃを試してみよう」、「そうそうベビーカーAタイプも必要」などと思いを巡らします。息子夫婦との育児への考え方の違いも受け止めながら、あくまで自己選択するための良き支援者でありたいと願います。
核家族生活では近親者や地域、仲間の支援が必要です。幸いにも我が家は嫁の祖母が車でおよそ30分?以内に在住し、専業主婦のため、里帰りやもしもの時に心強い支えとなってくれています。とても感謝です!私たち夫婦は現役で働いていますが、できるだけ土、日曜日などには、いつでも遊びに来て一休みしやすいように、日頃から顔を合わせ会話し、お互いの遠慮のハードルを下げるように努力しています。「しょせん他人」この気持ちは、実はとても大切な相手を尊重する心だと思います。相手を尊重しながらも、若さは時として「経験談」が必要な時がありますので、年長者として協力できれば良いのではと思います。
親は最後は自己決定しなければなりません。経験を積むことで自信も身に付き、親子共々成長していってほしいものとエールを送ります。保護者の皆様にも同じ気持ちです。家族とまではいきませんが、「他人ごと」ではなく、一緒に悩み、喜ぶことがとても私たちの力になっていることをお伝えしたいです。

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北欧の作曲家

2024.03.09

左手のピアニスト 舘野泉


クラッシック音楽はかじる程度ですので、ほとんど知識はありません。ピアニストの舘野泉さん(左手のピアニスト)のピアノ曲に触れ、北欧の音楽を少しずつ聴くようになりました。シベリウス(フィンランディア)、グリーグ(ペール・ギュント)、メルカント(ワルツ・レント)など抒情的で心揺さぶられる音楽だと思います。
グリーグはピアニストとして舞台に立つ時、とても緊張する「あがり症」だったようです。必ずカエルの人形を握りしめ臨んだとのこと、素晴らしい作曲家の意外な一面を知り(3.2中日Culture 平原綾香と開くクラッシックの扉 上)、どんなに優れた人でも緊張感は変わらないのだと納得しました。保育園の子どもたちも自分の安心対象(ぬいぐるみ、車、毛布)があることを時々見せてくれます。とてもかわいらしい緊張感ですが、本人にとっては「死ぬか生きるか」ほどの境地であるからこそ、愛玩物は必要な時がありますね。なくても乗り越えられる自分を少しづつ作り上げていきます。
生きる上である程度の「緊張感」は必要だと思います。学生、子ども、教育者の前に立ち物事を楽しんだり、説得していくにはピリッとした心の張り?のような存在が必要です。おそらく芸術や職業上のプレゼン等で大勢の人を前にしたことのある方は分かっていただけるのではないでしょうか?年齢相応の「緊張」は認知機能を発達、あるいは維持していくために必要な機会だと感じます。避けず挑んでいきたいものです。

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環境がもたらす心の変化

2024.03.02



0歳児クラスのお友だちが広い園庭に出ると、最初は何をしようかなと立ち止まる姿も見受けられます。保育士が春を見つけ誘ったり、楽しそうにしている保育士の様子を見せることで遊ぶ気持ちを耕す必要もあります。なんといっても生まれてまだ2年にも達していませんので、あまりにも大きな対象、環境には戸惑うこともあるのです。                                        保育室にいる時は逆に走ったり、盛んに歩き回るなどが見られます。これは自分自身の「ここには何々がある」の記憶が定着しているからだと推測します。壁、おもちゃ、椅子、つくえ、畳などのいつも近くで見ている環境の存在は、心にゆとりを生み出します。私たち大人でも広い環境が、かえって落ち着かなかったり、声や音の反射も少ないため不安を感じることもあります。しかし2歳を超え園庭での経験が増えてきますと、自然に興味ある対象を記憶し、新しい物事に出会っても平気になっていきます。むしろ「ワクワクがとまらない」様子に変化していくのです。その昔3歳児の子ども集団と園庭で遊びをしたことがあります。「さあ、今から鉄棒にタッチして先生のところまで戻ってくるよ!よーいいどん」とタッチあそびをしたところ、子どもたちは鉄棒や周辺の遊具への欲求が優先し、戻ってはきませんでした。そんな光景から「3歳児の発達」を学びました。

子育て、保育においてまず大切なことは、子どもたちの心の中で頼りにしている「安心」なのです。安心と一言で言いましても、様々な「安心」があります。人、場所、雰囲気、気候(気温)、匂い、素材等様々です。子どもたちは人の安心を確認すると、次は場の安心へと視野が広がります。こうして少しづつ「安心」は広がり、本来持っている奔放で自由な遊び心が発現していきます。怖がりの子、大胆な子、性格も様々なため、私たちはその子にマッチした「安心」を配慮していきます。時間がかかってもそのスピードこそ個性であると認め、無理なく進めていくことが、ひとりの子どもの視野を広げ、発達を支えていくことに繋がります。特に乳幼児期は「十把一絡げ」ではうまく育っていくことができません。

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