親子関係の大切さ!
2025.07.06

つくしさんよりも月齢が上の子どもたちは、自分よりも幼い子や同じ月齢の仲間に、何かしら関心があって関りを持とうとします。しかし、月齢が低い子は「たまたま同じ関心対象物」であったため、その場を共有していることが多いと思います。
砂場でよく見かける遊び方が、室内外でも見かけられます。「並行あそび」、「平行あそび」と言われる発達段階に現れる状況です。人間の発達は一足飛びに進みませんので、集団で過ごしているといかにも一緒に遊んでいるように見えることがありますが、お互いが関心を強く持っているわけではないのです。
しかしその係わりの中に確実に次への「準備」も行われています。発達は連続しているため「くぎり」はつけにくいです。気づいたら寝返りを打つ、歩いていた、といったこともよく起こります。
このことは子どもの、特に乳幼児の発達スピードの速さを物語っています。うかうかしていると「発達の節目」を確認しそびれてしまいます。最も大切と言われる0歳から3歳前後の成長を、どうぞお見逃しありませんように。
もちろん身体の発達と並行して「こころ」の発達も進んでいきます。様々な感情が生まれてくる初期段階に、強く寂しい思いを体験してしまうと、大切な人に対する信頼はもとより、児童、青年期と進むにつれ他人を受け入れにくくなる、自分に閉じこもって表現できなくなる等、性格にねじりや落ち込み、感情の起伏の激しさを持ってしまうこともあります。
0歳~3歳は自己表現が未熟ゆえの恐ろしさがあります。「分かりにくい」、「分かっていない」から大丈夫は、とても危険な捉え方です。
もしもお子様の「表情」や「目つき」等に「うつむき」、「疑い」、「我慢」などの変化が見られたら、その「心の闇」を修正していくのは今しかありません。脅かすような言い方をして申し訳ありませんが、無抵抗な年齢であるからこそ注意が必要なのです。
どうぞこの時期の子どもたちの心をたくさん受けとめてあげてください。「なかま」との関係性にスムースに入る発達以前に最も大切なのは「親子関係」です。
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自律 自立 への第一歩!
2025.06.22


きれいでなくてもよいのです やってみようとする心が自立への一歩!いつもの保育室とは異なる場所に行き、異なる仲間と共に過ごすことは、何かと刺激が増え新たな楽しさに繋がることもたくさんあるようです。直接の接点はそれほど多くはありませんが、お互いは視て、聴いて、感じ合っています。
人格、発達等様々な違いが、多様な接点を生み出し、自分にはできないこと、思いつかなかったこと、難しいことに対して興味を持つようになり、「やってみよう」と行動を起こすこともあります。
だから異年齢、人同士の交流は大切な「自分自身を広げる」チャンスだと捉えていくことが大切です。大人でも何事もひとりで考えひとりで行おうとする人は、人に左右されることなく、独立独歩の精神を日ごろから磨き上げていると言えます。
子どもの頃は何でもひとりで行っていても、大人になって仲間や好き嫌いの関係、教師に依存的になってしまうのは、自分自身に自信を見出せない結果だとも言えます。失敗も成功も身一つで感じ取り、自らの責任としていく覚悟があれば、「真実」は近づいてきてくれます。
子どものころからたくさんの様々な人と接点を持つことは、新たな世界への抵抗感や躊躇を減らしていきます。過去の日本政府は障がいを持つ人を山里、離島に隔離し、「自分とは異なる」を排除してきました。現代のような情報が行き交う時代になってもその名残は今もなお人々を苦しめています。
「人間」であることの意味は、まさに「ヒト(生物学的)」を超える存在でなければ、人間と呼ばれるにふさわしいとは言えないのです。冒頭に登場した「雨森芳洲」は、まさに異国人との違いで人や物事を見るのではなく、同じ人間としての善意と尊厳に訴えかけた人だと思います。皆様も承知の西郷隆盛も「シナ(中国)を理解するには、シナ人にならなければならないならない」と述べているほどです。真の国際人とはどのような人を言うのでしょうか?それは知識や技術、言語優先ではなく、「相手の心に対する誠意」だと思います。誠意があれば住み分けや干渉しない等の知恵で争いは回避できるはずです。
子どものころから様々な「違い」と接していくことは、大人になってからにしか分からない、「他者、違い」を自分事として考えられる人格を作り出す大切な経験だと思います。できるだけ「違い」を感じられる環境(もちろん人見知り、場所見知り、ある程度の小さな範囲が必要な発達段階もあります)を用意していくことが、ひとりの人間の世界を広く大きくし、分け隔てをせず、平等感を大切にする人格の育成につながっていくことは間違いないと考えています。
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出生数70万人割れ
2025.06.15

おはようございます。
6月5日付け中日新聞一面トップで報告がありました。出生数がとうとう70万人を割り込んだという記事です。(合計特殊出生率-女性一人が生涯に産む子どもの推定人数 1.15)。政府の推計よりも15年早く進んでいるのが実態で、少子化の原因が経済問題のみではなく、若者人口の減少、物価高、生活力への自信喪失、結婚願望の低下、出会いの減少など様々な要因が絡み合ったことで進んでいるようです。
「子どもを産み育てなくなる」は、人類滅亡への道となってしまいます。たとえ貧しくともたくさんの家族の中で泣き笑いしながら、子どもたちも豊かで楽しい生活を送っていくことが、人間らしい生きざまの継承につながることだと思います。結婚、出産、子育てといった過程が普通ではなくなり、自己の生きがいを追求し、結婚生活ではない生き方を選択していくことも認めるべき世の中になってきましたが、人間社会が継続していくこと、人間として生き物としての素朴な生活は、苦楽の中にとても嬉しさを感じることができる日々だと思います。たとえどうしようもない事ばかりの人間社会でも、夢と希望をもって生きていきたいですね。
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「自己中心」が大切な乳幼児期 「今」が大事!
2025.05.10


子どもたちはステップを踏みながら、だんだんと遊びの質を向上させていきます。タイヤ、砂場、台と調理器具、野菜の苗等、様々な物に慣れ親しんでいくうちに、その使い方を縦横無尽に試し続けていきます。
タイヤ転がしはうまくいく時もあればそうでない時もあります。そこが持続して挑戦できる要因にもなっています。いつも失敗ばかりでは難しすぎて「飽き」てしまいます。おもしろさの程度のような秤りがあって、そのころ合いがマッチした遊びが固有の「楽しさ」を生み出しています。ですから誰もが同じ遊びで楽しめるとは限りませんが、大体同じくらいの発達年齢であればマッチします。よって取り合いなどの争いも生まれます。
同年齢で遊ぶことはメリット、デメリットもあります。その苦難を子どもたちは何度も誰かとぶつかる中で乗り越えていく必要があります。仲間を欲し一緒に遊びたいと心の底から思う時、相手に対して「ゆずる」、「かしてあげる」ことができるようになっていきます。この時点が「自己中心性からの脱却」なのです。でもすぐに「自己中心性」に逆戻りすることもあります。行ったり来たりを繰り返すうちに「なかま」とは?が身についていくのです。
だから今の時代は「自分中心」を謳歌しなければなりません!たまたま、なかまに譲れたとしても、心の中で本当に「やりきった感」がなければ、次のステップ(なかまと協力する=4歳前後)に移行するのは無理があります。子どもの育ちは急激に伸びていくものではないのです。十分に時間をかけ「その時代」を遊びきり、頼り切り、甘え切った時にこそ心残りのない発達が遂げられます。
お父様、お母様、どうぞ他の子と比べる必要がないことをご理解ください。そして「今の発達」を大事にしてください。後々の心配は今は不要なのです。子どもは唯一ひとりの存在であり、「あそびを楽しむ権利」を持ち、たとえ子どもであろうとも「一市民として生きる権利」を持っているのです。子ども時代という二度とやってこない瞬間を、精一杯生き切る権利があるのです。
よってその権利を遂行しやすい環境を用意することが、乳幼児教育施設の使命です。自然環境と道具、玩具が十分に使いこなせる環境、雨の日でも室内で十分に体と頭を使いきれる環境、そして室内外で子ども自身が気付き、自発的に遊びこめるための人的支援の準備、これらを保証していくことがとても大切な時期です。
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「してもらう」が先!の乳児期
2025.05.05

幼い頃は「大人にしてもらう・・・」ことがとても大切です。子どもは「依存と反抗」を繰り返し自己を伸ばしていきます。ですから先に何かをしてもらわなければ、満足し自分自身が納得した上で活動を切り替えることが出来ません。「欲求の充足」を優先することは我がままではありません。この時期特有の発達の特徴と考える必要があります。
ですが何度もお話ししていますが、自他の身に危険がある場合、他者に嫌な思いをさせる場合、大勢の人がいる公共の場や物、倫理的にしてはならないことなどの場合は別です。子どもの権利の保障は守っていくことが大切ですが、制止する場面ももちろんあるのです。緊急性の度合いによって方法は変わります。
その際もできるだけ子どもの言い分を先によく聞いてあげることが大切です。また、初めてのことや説明してなかったことなどの時は、特に丁寧に受け止め分かるように理由をお話ししてあげてほしいです。たとえその時分からなくても信頼のおける関係性があれば、なんとなく「してはいけなかった!」と捉えられる時が来ます。感情的に恐怖感を植え付ける叱り方は、力が逆転したときに屈折した形となって身に降りかかります。
「してもらう・・・」はたとえ短い時間でも「ギュッと抱きしめてもらう」、「優しく受け止められる表情や言葉」、「絵本や歌を一緒に歌う」、「スキンシップを伴う触れ合い遊び」、「行動の理由をじっくりと聞いてもらう」等の愛情が根本にある大人の言動なのです。
その思いや満足を聴いてもらえたこと、一緒に汗だくになって遊んでもらったことで十分満足することで、初めて「一人の世界(ひとり遊び)」が没頭できる瞬間へと作り上げられていきます。今日の写真で言えば、お話しをしてもらったからこそ、ブロックに集中し、好きなブロックで遊び時間を与えられたからこそ、ペン先に集中できるのです。
そして集中し、緊張感を持続した時間は、傘袋ロケット、新聞遊びで十分体を動かすことによって子どもの心の中で昇華していきます。この緩急、リズミカルな過ごし方が、雨の日等気候が悪く外で活動ができない時に必要な保育、育児方法でもあります。
子どもたちの心の中を覗いてみると、少しづつ「○○したいのだ!」といった心の叫びが聞こえるようになっていきます。幼さはそのような大人の寄り添いを待っているとも言えます。タイミングよく「楽しみ」が目の前にやってくれば、スムースに自分の心と体を載せることが出来るのです。
カテゴリ:子育て
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