戦後(アジア太平洋戦争)80年
2025.05.17


おはようございます。
先日ロシアで第二次世界大戦でナチスドイツに勝利したことを祝う軍事パレードが行われました。中国、北朝鮮、ベトナム、ブラジル、スロバキア、セルビア等からも何らかの形(代表者、兵士行進)での参加がありました。戦勝を祝う風習は日本にはありません。戦争が国民の命を奪い何も残すものではないことを敗戦、原爆投下などを通じて思い知ったからです。世界の国々ではいまだ国の誇りのため、犠牲になった人々を英雄として、国民を鼓舞する手段として利用するような風潮が根強く残っています。日本は「戦争」そのものを永遠に放棄する誇るべき憲法9条を定め、国が二度と過ちを起こさないように歯止めを作っています。
5.11中日新聞に「知覧」から特攻隊として出撃し、南方戦線で戦死した若き日本人の「母親への手紙(遺書)」が掲載されていました。九州鹿児島にある「知覧特攻平和会館」には、散り行く思いを母に宛てた手紙が数百人分展示されています。私も数年前に訪れましたが、涙なしではいられない場所でした。沖縄の「ひめゆり平和祈念資料館」、「広島平和記念資料館」、「長崎原爆資料館」と共に戦争の悲惨さを後世に語り継ぐ神聖な場所ですので、将来ぜひ大きくなったお子様と共にご覧になることをお願いいたします。
そして政治家の言論が問題になっています。【西田昌司議員の「歴史を書き換えるとこういうことになってしまう」という発言は、ひめゆりの塔の展示が日本軍を悪者とし、アメリカ軍を解放者として描いているという彼の「印象」を批判したものでした。しかし、資料館側がそのような記述の不存在を明言し、発言が事実に基づかないとして、沖縄県民や研究者から強い反発を受けています。この問題は、歴史認識の重要性や政治家の言論責任を改めて考えさせるものです。】多くの人命が奪われた過去に対し、責任ある立場の者が軽々しく持論を述べることは、とても影響力があることを肝に銘じ、戦争が起きてしまいかねない環境が、日本に作られることがないように注意していく必要があると思います。
カテゴリ:戦争
【戦後80年】に考える
2025.05.10


おはようございます。
5月4日の中日新聞社説に《「配給された自由」いま》と題した論説が掲載されました。1945年に文芸評論家の河上徹太郎氏が寄稿した内容について触れています。この論説は前日の憲法記念日を経て真摯に「自由」について考える、大変良い機会となったと思います。
3日の中日新聞1面には、新憲法を国会で成立させた立役者である金森徳次郎(1959没 名古屋出身)の真意があります。「戦争放棄を定めた9条を2項に分けた信念と、将来的な国民的議論への期待がにじむ。・・・抜粋【日本国憲法 第9条(にほんこく(にっぽんこく)けんぽう だい9じょう)は、日本国憲法の条文の一つ。憲法前文とともに三大原則の一つである平和主義を規定しており、この条文だけで憲法の第2章「戦争の放棄」を構成する。この条文は、憲法第9条第1項の内容である「戦争の放棄」(戦争放棄)、憲法第9条第2項前段の内容である「戦力の不保持」(戦力不保持)、憲法第9条第2項後段の内容である「交戦権の否認」の3つの規範的要素から構成されている。】」
1項は「侵略戦争をやらないという永久不磨の規定」としたが、2項は将来の国際情勢をにらみ、議論を国民が判断できる余地を残す目的を含むように金森氏の元考えられていた。にもかかわらずその後の鳩山政権、安倍晋三政権によって国民の議論がないまま、解釈の変更や現状追認が行われてきたことに恐ろしさを感じずにはいられません。国会が国民の代表者であったとしても、この過程を無視した法案の成立は断固阻止すべきです。
上記を踏まえ「戦後の自由」について私たちは考えていくべきです。戦後日本は朝鮮戦争、ベトナム戦争で目の前の貧困のみを解決し、裕福な生活を目指すことばかりに慢心してきました。若者が、そして三島由紀夫が身を賭して(割腹自殺)我が国の加害性を問うてきましたが、国民は思想や行動を変えることなく現代に至っています。その結果相互扶助等の精神性は影を潜め、身勝手な個の主張ばかりを拡散するSNS、偽情報に振り回される現代人、分断社会で起こる孤立、差別に起因する事件が多発する世の中になってしまっているのではないでしょうか?今こそ過去を遡り、日本人自らが選択してきた道に責任をもって他人事ではなくひとり一人が平和や他国との関係性、道義的個人、国の在り方を考えた発信を心がけなければなりません。「少子化」、「高齢社会」、「環境問題」、「文明化」等が抱える問題点を洗い直し、真に正しい対応を考え実践しなければ、日本、世界、地球を自らの所業で滅ぼすこととなるでしょう。
カテゴリ:戦争
B29の記憶
2025.03.16

おはようございます。
太平洋戦争末期日本全土でB29による無差別爆撃(焼夷弾-通常の銃砲弾・爆弾とは異なり、目標を爆発で破壊するのではなく、攻撃対象に着火させて焼き払うために使用する。そのため、発生する爆風や飛散する破片で対象物を破壊する爆弾と違い、焼夷弾は中に入っている燃料が燃焼することで、対象物を火災に追い込みすべてを焼き尽くす)がありました。名古屋も1945年3月12日に空襲があり500人以上が犠牲となりました。
この空襲にB29の搭乗員として関わった米兵の息子(ロバート・フレミングさん)が、一般市民を犠牲にした爆撃に罪の意識はなかったのかを映画製作を通し問い続けています。父親は戦争について多くを語ってはいませんが、1枚のレーダー写真(名古屋空襲時の写真)を大切に持っていたこと、弁護士としてのベトナム反戦運動への参加で自己の贖罪や戦争に対する思いを持っていたことがうかがわれます。自己の制作した映画をぜひ名古屋の人々にも観てほしいという願いを持ち、アーティストであるフレミング氏は、ピース愛知(名古屋市名東区)での上映を望み、実現の運びとなったようです。時間を作り私もぜひ観に行こうと思っています。
戦争、核、原発、山火事、地震、津波、火山噴火、人がもたらす災害や残虐性、自然がもたらす災害等、人の力によって災害を防ぎ、備えることができるならばその道を進まなければなりません。世界で起こっている戦争、日本のエネルギー政策はすべて逆方向を向いています。同じ過ちが繰り返される危険性は、数千年前から変わっていないとも言えます。残念な人間ではいけないと思います。
カテゴリ:戦争
レバノン(ヒズボラ) イスラエル 一時停戦
2024.12.02

バイデン大統領の仲介で、拡大が心配されている戦禍が一時的に停戦となっています。しかしイスラエルとヒズボラ(イランを後ろ盾とするイスラム教シーア派武装組織)の対立は根深く、長年交戦等を繰り返すことで多くの市民が犠牲になっているのが現実です。イスラエルは第二次世界大戦でホロコーストを体験し、ドイツはイスラエルに対ししょく罪の意識を国是とする立場をとっています。しかし現在イスラエルがガザに行っている行為は、ドイツ国内においてもジェノサイトではないかとの批判もあります。人間は心の中に信仰を持っているはずですが、本来信仰心によって救われるべき市民が犠牲となり、宗教が元となった殺戮が行われるといった矛盾に対して、人々を魅了し導いてきた「神」はいったいどのようにお答えになるのでしょうか?
【イスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘を巡り、米国のバイデン大統領は26日、イスラエル政府とレバノン政府が60日間の一時停戦に合意したと明らかにした。停戦は現地時間の27日午前4時(日本時間午前11時)に発効すると定められた。停戦合意は、昨年10月に両者の交戦が始まって以来初めて。本格的な停戦や情勢安定化につながるかが焦点となる。ヒズボラはイランの支援を受け、パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスに連帯を示す。イスラエルとヒズボラは、ハマスがイスラエルを越境攻撃した昨年10月から、連動する形で交戦。イスラエル軍は今年9月、レバノン南部への地上侵攻も開始した。米国は停戦へ向けた交渉を仲介してきた。】
カテゴリ:戦争
戦争の傷跡を語り継ぐ
2024.11.17
美しいサラエボの風景と虐殺の歴史

おはようございます。
世界が分断の方向で動いています。ロシアは北朝鮮兵士を動員、北朝鮮、中国との関係強化、アメリカはトランプ大統領が誕生し、移民排除、関税引き上げ、強硬派閣僚の起用、パリ協定からの離脱等、自国優先主義の風潮が蔓延しつつあります。
自国主義で戦争を起こした国々がどんな結末を迎えたのか、今一度国民及び為政者は歴史を振り返り考え直さなければなりません。ナチスドイツのユダヤ人虐殺、日本軍の南京大虐殺、ルアンダの民族間虐殺、旧ユーゴスラビア民族紛争、旧ソ連の近隣国への侵略、そしてロシアのウクライナ侵略、イスラエルのガザ爆撃、まるでゲームのように無人機を飛ばし、軍事拠点へのピンポイント攻撃と言いながら、多数の市民が犠牲になっている現実があります。
防衛費を拡大し軍事力を持つことが真の解決になるとは思えません。世界の一般市民が人権を保障され、豊かで安心できる生活を手にするためには、軍事力、核兵器を頼っていたのでは、いつの日か間違いを犯すひとりの人間によってあえなく人類が滅亡へと導かれることも十分あり得ると懸念します。
【サラエボでは今も多民族間の紛争で起きた悲惨な状況を「人道に対する罪と虐殺に関する博物館」において伝え続けています。その内容は「どうしても後世にこの悲惨な事実を語り継がねばならない」といった、静かな怒りをひしひしと感じるものです。殺戮の現実をキャッチコピーで終わらせるのではなく、シンボルと具体的事実の提示を組み合わせ、怒りは持っても憎しみを残さない方法で、歴史の実相を語り継ぎ加害者の自省を求め続ける。その姿勢はアジア・太平洋戦争を伝える上で、学ぶ点が多い。(中日 視座 10.20 山田健太より抜粋)】

おはようございます。
世界が分断の方向で動いています。ロシアは北朝鮮兵士を動員、北朝鮮、中国との関係強化、アメリカはトランプ大統領が誕生し、移民排除、関税引き上げ、強硬派閣僚の起用、パリ協定からの離脱等、自国優先主義の風潮が蔓延しつつあります。
自国主義で戦争を起こした国々がどんな結末を迎えたのか、今一度国民及び為政者は歴史を振り返り考え直さなければなりません。ナチスドイツのユダヤ人虐殺、日本軍の南京大虐殺、ルアンダの民族間虐殺、旧ユーゴスラビア民族紛争、旧ソ連の近隣国への侵略、そしてロシアのウクライナ侵略、イスラエルのガザ爆撃、まるでゲームのように無人機を飛ばし、軍事拠点へのピンポイント攻撃と言いながら、多数の市民が犠牲になっている現実があります。
防衛費を拡大し軍事力を持つことが真の解決になるとは思えません。世界の一般市民が人権を保障され、豊かで安心できる生活を手にするためには、軍事力、核兵器を頼っていたのでは、いつの日か間違いを犯すひとりの人間によってあえなく人類が滅亡へと導かれることも十分あり得ると懸念します。
【サラエボでは今も多民族間の紛争で起きた悲惨な状況を「人道に対する罪と虐殺に関する博物館」において伝え続けています。その内容は「どうしても後世にこの悲惨な事実を語り継がねばならない」といった、静かな怒りをひしひしと感じるものです。殺戮の現実をキャッチコピーで終わらせるのではなく、シンボルと具体的事実の提示を組み合わせ、怒りは持っても憎しみを残さない方法で、歴史の実相を語り継ぎ加害者の自省を求め続ける。その姿勢はアジア・太平洋戦争を伝える上で、学ぶ点が多い。(中日 視座 10.20 山田健太より抜粋)】
カテゴリ:戦争