「農業を基幹産業に」内田 樹 氏 【視座】
2025.07.12

おはようございます。
表題の論考が6日付中日新聞「視座」内田 樹 氏によって論説された。農業は基幹産業にはなりえないが、国の存続は「自給自足」が原則という、極めて辛口の国策批判だと感じました。日本はエネルギー、食料については自給率がとても低い、医療についてはかろうじて自給しているのが現状である。
今更農業従事者が増えることは期待できず、また農業の基盤である山、川、海、湖沼などをさんざん破壊し、維持(生態系の維持)に資金を投じてこなかったのだから、起こるべくして起きるであろう危機は他人ごとではないのではないか。それに比べ先進国ではフランスは農業従事者の所得の80%、アメリカでは50%を政府が補助金として支給している。農業従事者に生態系維持を有償で任せ、日本はボランティアである。農業が廃るのは眼に見えている。
現在日本はアメリカが発動する自動車関連の関税対応に四苦八苦しているが、食料となるとそれ以上に深刻な事態を招きかねない。自給率が低い日本は諸外国によって食糧封鎖を受ければ、真っ先に飢餓の危機に見舞われることが予想される。「農業を基幹産業に」と訴える内田氏自身が、それはあり得ないと考えているが、「旗印」としなければ国民は飢える、このような事態を招かないためにも「自給自足」を目指すほかないと思いを持つ重要性に心は揺れる。
カテゴリ:生き物・自然・人間
左様ならば別れましょう(さようなら)! いとしのパンダちゃん!
2025.07.06

おはようございます。
中国との約束で和歌山に来たパンダ、当地で生まれ育ったパンダが中国成都へ返還されました。名残を惜しみ大勢の愛好者が集まり無事と再会を願っています。
元々絶滅が心配されているパンダを、中国政府は世界各地で飼育してもらい、手厚い保護の元、個体数を増やしていくことが目的で、役目を終え多くの仲間が待つ故郷に帰っていきました。「パンダ外交」とささやかれ何も知らない彼らにとっては、迷惑な話だったかもしれませんが、日本の子どもたちに限らず国民にとっては、大人になっても幼児的な様相を残すかわいらしいパンダには愛着を持っていました。
ぎくしゃくする日中関係が文化交流を大切にすることで、太古からの友情を失わないこと、また新たな局面を見出していくことができるように、心に優しさを置いておくことを忘れないようにしなければなりません。隣の韓国とは国交正常化60年を迎え、様々な文化交流、相互の意識調査などが行われ親善有効が活発化しています。「矩を超えず」を念頭に、お互いの国家が発展していけるように外交を通じて努力をしていくべきですね。
カテゴリ:生き物・自然・人間
愛鳥週間5/10-16
2025.05.17

おはようございます。
愛鳥週間が始まっています。名古屋市科学館では特別展「鳥」が6月15日まで開催されています。ぜひ観覧したいと思っています。フィールドでは弥富野鳥園、藤前干潟、蟹江インターチェンジのサギ繁殖、少し足を延ばせば三重県菰野町の三重県民の森などで野鳥と展示による説明が楽しめます。
昨今一番馴染み深く気にも留めない雀の生息数が減少しているようです。雀は平安時代から歌にも詠まれている小鳥です。どうして減っているのかは分かっていないようですが、自然のバランスが崩れていることが原因のように思います。鳥インフルエンザ等様々な要因で野鳥や家禽が標的にもなっています。いつまでも人間中心でいることは、結局は人間自身が生きていけない環境を創り出していくことではないかと危惧します。人間と出くわせば被害が出てしまう頻繁なクマの出没についても、山林や河川、大気の汚染、乱開発の影響を受けた気候変動などによって起きていることです。本来人間や文明を怖がり警戒するはずの野生動物が、所かまわず出没するにはそれなりの理由があると思います。もしそれが人間側が起こしていることであるならば、地球に生きる「いち生きもの」として反省し改善することは急務です。
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春をいとおしむ
2025.05.05

おはようございます。【「兄妹の如く散りゆく山茶花の花びら今日は掃かずにおこう」島田修三 評-「兄妹の如く」という 譬喩(ひゆ-比喩)に注目した。山茶花の花は花弁五枚。それが一ひらずつ時間差で散ってゆく。そこに仲の良い兄妹の離散や死別が、あわれ深く重なっているようにもよめるのだ。中日歌壇4.20 「水あらば覗きこむ性燕来る」髙田正子 評-春になってからは、水が温(ぬく)んできたなあ、そろそろ水草が生えているかも、と覗き込む日々だったことだろう。ある日水をさっとよぎる影が・・・。燕だ!思わず空を仰ぐ。視点の転換が鮮やか。中日俳壇同日】
春を感じる2首(句)です。誰もがきっとこの季節に経験する機会がある自然現象だと思います。そこに「何を思うか?」もちろん人それぞれがあってよいのです。変わりゆく季節、迎える季節、真っ盛りの自然の動きに、何かを感じる日々の余裕と豊かさをもって生きたいと思います。
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有機的な関係づくりが有機農業を生む
2025.04.21

おはようございます。
食料自給率が低く大きく輸入に頼っているのが日本の現状です(3.30中日新聞サンデー版)。このままでは食糧危機が襲ってきた時にどうすることもできません。この状況を変えるべく動いている自治体は全国で131市町村にのぼっています。愛知県では東郷町、岡崎市、知多半島など比較的農地が多いところに限られていますが、西部にも同じような条件の地域はあり、蟹江でも細々ですが、畑や田んぼは維持されているので可能性はないとは言えないはずです。
有機農業は化学肥料や農薬を使わず、身体にも環境にも良いとされています。また、地域の生態系の回復が見込まれ、様々な生き物が共に暮らす生物多様性にも貢献できます。長い目で見れば有機物を土壌に定期的に漉き込むことで土壌に炭素が含まれ、二酸化炭素の増加を防ぐこともできるのです。「手っ取り早く大量に」といった食料生産とは逆向きであることで、地球や人間に優しくしていくことも可能です。
そのためにも表題の通り「有機的な人間関係づくり」を意識していかなければならないと思います。地域の自然が戻れば子どもは安全に健康に成長できます。また同じ志で集まった人たちの連帯は新たな地域関係を作るための基礎にもなっていくはずです。有機農業は思わぬ副産物を含んでいます。ぜひ進めていくべきです。
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