皆既月食
2025.09.15

おはようございます。
【満月が地球の影に覆われて赤黒く輝く「皆既月食」が8日午前2時半ごろから全国各地で見られました。「皆既月食」は、太陽と地球と月が一直線に並び、満月が地球の影に完全に覆われる現象です。国立天文台によりますと、8日の午前1時27分ごろから南西の空にある月が欠け始め、午前2時30分ごろ、月全体が地球の影に入り皆既月食の状態になります。皆既月食になると、月は地球の大気で屈折した太陽の赤い光があたり、「赤銅色」と呼ばれる独特の赤黒い色に輝いて見えます。この状態は午前3時53分ごろまでの間、1時間20分余り続き、午前4時57分ごろには元の満月に戻るということです。】
皆既月食、日食、流れ星等々現代では科学的見地の元、その仕組みが明らかになっており、毎年あるいは数年に一度の天体ショーとして楽しむ機会となっています。しかしほんの百年前には、太陽や月と言った日常当たり前に観ている天体が、黒くなる、赤銅色となることは、世の中の天変地異を予感させるたいへん恐ろしい現象でした。人々は太陽暦(太陽の動きで暦をつくる)や太陰暦(月の満ち欠けで暦を作る)によって、季節や農作物の適期を知り種まきなどの時期を決めてきました。毎年変わらないことが大切であったため、この奇怪な現象は生きていくうえで脅威だったに違いありません。
宇宙や自然という無限がもたらす人間生活の幸不幸は、人間の力ではどうにもならないことがいまだに存在しています。科学技術がどこまで進歩したとしても、「怖れを抱く心(畏怖)」を人間は忘れてはならないと思います。驕り、慢心する心を戒め自然に逆らうことなく生きていくことが、この世に生を受けた生き物の定めでもあります。
カテゴリ:生き物・自然・人間