お知らせ

すばらしい生命の誕生!蝶の羽化

2024.07.28

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自然の神秘は素晴らしいものです!人間の意欲関心を引き付けずにおきません。その中でも蝶の羽化は見ていてとても感動的です。小さな密室のさなぎから少しづつ自力で抜け出し、折りたたんでいた羽を少しづつ伸ばしていきます。青虫が茶色のさなぎになり、大きく変化し蝶となる。緻密にDNAにインプットされた生命の生まれ変わりはドラマティックなのです!

子どもたちはそんな生き物の姿に驚きを隠しません。日常的に見慣れている生き物、相手が動かない野菜やトウモロコシ、トマト、キュウリ、ジャガイモなどには、それほど触れることを躊躇する姿はありませんが、初めて間近で見る昆虫などの生き物となると、慣れ親しんでいるダンゴムシ以外は個人差もありますが、触れることに不安を抱いている姿が多いと思います。今日のセミ、キアゲハ、セミの抜け殻、トンボ(簡単にはつかまりませんが)、バッタなどには一定の距離(遠くから眺める、仲間が触れるのを観察する、少しだけ触れてみる)を置き関わっています。

しかし中には昆虫に非常に強い子もいます。少し不安な子はそんな仲間が良き教師となります。大人よりも仲間から受ける影響はとても大きく、憧れや励まされる対象にもなります。仲間と一緒に過ごす価値観はまさにここにあると考えます。子どもは大人から何でも与えられる存在ではなく、仲間に影響を受けながら「自分で行動を選択する」機会に恵まれることこそ、本人の成長を支える原動力となるのです。

だから今は虫に触れられなくてもよいのです。仲間の楽しそうな姿と大人の励ましを十分に受けておくことで良いのです。自分が見た仲間の姿、仲間や大人の励ましは心の中に残っていきます。生き物がこの先もずっと苦手な子はいると思います。しかし他の得意なことで本人が頑張ろうと心に決め、「行動を選択する」場合、虫での立場が逆転し、皆に憧れを持ってもらう嬉しさ、すべてが出来なくても良いこと、上手くいかない仲間を優しく勇希づける眼差しや行動が行える人に育っていくことでしょう。

嫌な思いをしたとき「仲間に助けてもらった」、「一緒に泣いてくれた」、このような関係性の経験は、人間同士が支え合っていくためにとても大切な経験です。幼い頃「子どもの経験」、「学び」という視点においてどんな価値観を大切にしているのかは、子どもたちの将来を左右します。大切にすべきことを誤ってはならないのです。

カテゴリ:生き物・自然・人間

はらぺこあおむし 沢登体験 旭山動物園

2024.07.20





子どもたちにとって青虫が形を変えていくことは、信じられない変化だと思います。生き物の中でも劇的な「変態」を行う蝶類は、特に全く異なる形で羽化するため、驚きも他の昆虫よりも数倍興味を持てる対象だと思います。「はらぺこあおむし」はアメリカの絵本作家エリック・カール作、仕掛けとシンプルな作風でベストセラーとなりました。日本でもとてもヒットし歌も作られ絵、仕掛け、歌と楽しみ方もたくさんです。

氷、これも夏を彩る楽しさ、気持ちよさ、おいしさ?の代表でもあります。水は湯、氷、雹、霜、霧、雲と地球上で様々な形に変化し循環するとても不思議な素材です。生き物にとって生存していくために欠くことのできない対象でもあります。理屈ではなくその気持ちよさ、大切さ、恐ろしさを体感しておくことが、「水を大切に扱わなければ」といった心を育てます。もったいないからという理由で蛇口を閉じることの命令ばかりでは、その心根は育ちません。本物の自然の水(青い海、豪快な滝、上流の水の勢い・・・・等)を身をもって体験することで分かることなのです。

小学校高学年を連れて、鈴鹿山脈にある焼合川という小さな河川で滝登りに同行したことがあります。ひたすら川伝いに登っていくのですが、時々小さいものでは1m、大きなものは10m程の滝が現れます。危険な滝は「たかまき」と言って、迂回をしますが、登れそうな滝は上部で人がロープを使い安全を確保(登山技術を使いますので専門性が必要)し、一人ひとり登っていきます。とてもスリリングで、子どもたちの表情も真剣そのものです。自分で挑戦するか否かを決めるため、登り切ったときの爽快な気分は大きな自信につながります。その川は大雨の時は狭い川幅によって濁流と化します。そんな自然への眼差しがないと、挑戦ではなく無謀となってしまいます。人間が訓練し、知識と経験を積んでいくことで、水という素材のすばらしさを危険を避けながら人の成長過程に利用していくことも可能となるのです。

北海道の旭山動物園はご存じですね?元園長の小菅先生(夏休みこども科学電話相談 動物担当)は閑散とした動物園を、「行動展示」という方法で生き返らせた獣医師です。生き物の行動を観て聴いて感じやすいように作り変えました。本物の自然や生き物に触れていくことは、同じ生き物である人間の真実や地球を守るといった大切な心を育てることにつながっていきます。

【小菅 正夫先生(札幌市円山動物園参与)動物担当質問に北海道弁で答えてくれる。一人称は「おじさん」。昨年の放送ではボツワナ(だったっけ?)の砂を大量に吸い込んで喉のコンディションが悪く掠れ声でのご出演でした。円山動物園で参与をされていらっしゃいますが、かつてはあの北海道の旭山動物園の閉園の危機から救い、一気に大人気観光スポットへ成長させた元園長です。その功績もあり、動物園経営についての著書も書いています。獣医を目指し大学で勉強をしていましたが、柔道で鍛えた腕が太くなりすぎて牛の肛門から腸に手を入れる検査ができなかったため、夢が閉ざされてしまったと諦めかけていたところ、「小菅!象のケツの穴は牛より大きいぞ!」という助言を受けて動物園に就職したのだとか。人生わからないものですね。少年時代からいろいろな動物や虫を飼育するのが大好きで、子どものころ虫取りに行きキリギリスを採ってきたとき、キリギリスが元いたところと同じように、背の高い草を一緒に入れて飼育したところ、なんと卵を産んで、翌年キリギリスの赤ちゃんが生まれたのを見て「俺は天才か!」と思った、というお話を昨年番組内でされていました。旭山動物園も、それぞれの動物の生態や行動の習性をうまく利用した展示をして大人気になりましたが、その原体験は幼少期にあったんですね〜。小菅先生の真骨頂はやっぱり動物にとって心地いい環境はどんなものか、それぞれの習性からどんな行動をしたがるのか、といったところの観察眼だと思います。子どもたちからの質問に関する回答も、これまでご自身で動物を観察したり飼育した現場での実体験に基づくエピソードがたくさん登場します。素朴な北海道弁、飾らない一人称「おじさん」で語られるそれらのエピソードは味があって面白いものが多いので、今年もいろんなお話が聞けるのが楽しみです。なんか親戚のおじさんの話を聞いてるような感じなんですよね。すごく親近感を感じます。】

カテゴリ:生き物・自然・人間

キアゲハ 来る!

2024.07.17

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おはようございます。
我が家のアシタバ(明日葉)にキアゲハの幼虫を発見しました。昨年は飛来しませんでしたので久しぶりに感じます。以前は保育園に幼虫を持っていき、子どもたち皆で成長を楽しみました。ちょうど「はらぺこあおむし」を何度も読みこんでいた時なので、見事に変態し羽化したときの子どもたちの驚きと嬉しさの表情と、「これだよね!」と言って絵本を見せてくれた時の感動の表情は今も心に焼き付いています!今2匹幼虫が育ちかけていますので、安定したら保育園に持っていこうと思っています。保育園でもアシタバを育てているのですが、中々キアゲハの眼には止まらないようです。蝶は食草が決まっているため、例えばアゲハ蝶は柑橘系(ミカン、レモン、山椒の葉)、アサギマダラはフジバカマと決まっています。アサギマダラは昨今の温暖化の影響で日本の南の果てから東北、北海道地方まで、毎年2000キロ程も旅をします。何ともロマンがありますね!以前「久屋大通公園 フラリエ」でアサギマダラの飛来を見ました。フラリエも食草を意識した植栽をしていますので、ぜひ立ち寄ってみてください(カフェや食事も採れます)。

カテゴリ:生き物・自然・人間

パンダの話

2024.07.07

ジャイアントパンダ
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おはようございます。
高槻市にJT生命誌研究館があります。発行している機関誌に「生命誌」があります。無料で配布されていますので興味のある方はぜひ取り寄せるか、HPを開きご覧ください。面白いですよ!
さて今回(116/117)では「パンダの時間」というテーマでスペシャルストーリーが掲載されています。子どもたちに人気のパンダがどのように進化してきたか、その生物学的視点はとても興味深い内容です。一部掲載しておきますね!
【パンダは竹を食べるためのカラダになっている - 竹は栄養が少ないので、たくさん効率よく食べるために、さまざまな工夫があります。一つは「竹を持って食べる」ということ。わたしたちヒトの手は4本の指と親指が向かい合っていますが、ジャイアントパンダは5本同じ方向を向いているので、わたしたちのようには竹を握りません。彼らは、手首の骨を使って竹を持ちます。親指側の手の平の付け根に、橈側種子骨(とうそくしゅしこつ)という丸い骨があります。みなさんの親指の付け根近くにもあるので、触ってみてください。それだけではなくて、小指側にも突起があります。副手根骨(ふくしゅこんこつ)といいます。指のように動くことはありませんが、支点となって、しっかりと物を持つことができる。これができるから、パンダは竹を持って、効率よくたくさん食べることができます。竹を握ることができるということが、ジャイアントパンダの進化の重要な点の一つです。
もう一つは、「座ることができる」ということ。犬やネコがものを食べるときは、四つん這いです。そのため、食べ物を口でくわえて飲み込むことしかできません。パンダは「パンダ座り」とも言われる独特な座り方で、両手で食べ物を持つことができる。たくさん竹を食べるには長い時間を費やすため、食べやすい姿勢をしている訳です。
そして歯。竹を食べるのに適した歯をしています。竹の葉っぱを、まるでハサミで切ったような形に噛み切ります。竹の幹も、まるでノコギリかハサミで切ったかのようにまっすぐ切れています。硬いものを食べるのに適した歯をしているようです。奥歯に平たい臼歯があります。人間の6倍くらいの大きさがあり、非常にしっかりとしています。前臼歯はライオンのように少し尖っています。この2種類の臼歯が、パンダが竹を食べるのに役立っています。上と下の歯がきちんと重なって、ハサミのようにものを切ります。幹を食べる時は、外側の緑色の部分を剥いて、中の白いところだけを食べる。この剥くという作業に、前臼歯をつかいます。外側の緑色のところはどうやら消化できず、必ずしっかり剥いて食べています。このように、パンダの歯というのは肉食動物的な特徴と、草食動物的な特徴の両方を備えて、硬い竹を食べている。とても大きな音がするんです、バリバリバリバリって。かなり強靭な奥歯をしています。
そして、竹を食べるために、頭の筋肉がとても発達しています。初めてジャイアントパンダの頭骨を見た時に非常にびっくりしました。顔が丸いのに、頭骨は尖っているのです。実は、この頭のてっぺんから顎にかけて、たくさんの筋肉がついて丸い顔になっている。ものを「噛む」ための筋肉なのです。ただ大きくてしっかりした歯があるだけではなくて、筋肉もすごく発達しています。ジャイアントパンダがもし竹を食べていなかったら今よりも顔が細くて、皆さんに愛される容姿ではなかったかもしれません。竹を食べて氷河期を乗り越え、いろいろな器官が進化した。パンダにとってはどうかわかりませんが、わたしたちにとっては、パンダが竹を食べていてくれて良かったなと思っています。】

カテゴリ:生き物・自然・人間

梅の剪定と人の成長

2024.06.15

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おはようございます。
地域交流室前の梅としだれ桜を剪定しました。梅は夏冬2回の作業が必要なようです。初夏は実がなり終わった頃に徒長した枝、交差した枝、樹形からはみ出した枝、枯れた枝などを剪定します。切らずに放っておくと、樹形の乱れ、花付き、実成(みなり)の悪さ、病虫害の発生などにつながるため、こまめに施すことが必要です。それでもカイガラムシなどの害虫がつき駆除は毎年行っています。手間がかかる分愛着も湧きますが、春先に見事な花が咲き、その後大きめの実がなればやりがいも感じます。
子育ても手をかけ時間と手間を惜しまずのお世話が必要です。過干渉になりすぎず適度に世話をしていけば、いつの日か立派な実をつけるようになるはずです。危機もあるかもしれませんが、剪定を確実に行うことで自然に伸びていけるようにしてあげたいものです。剪定も様々な方法があります。根元で切り詰めるか、将来伸びる方向を見定めて、右か左かどちらの芽を残すのか、なんとなく子育てに言えることもあるように感じます。樹木も人間も同じ生き物である以上、その樹種や個体の性質を学び、間違いのない育て方をする必要があるのは変わりないですね。

カテゴリ:生き物・自然・人間

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