お知らせ

生命誌38億年

2023.06.28

生命誌絵巻(JT生命誌研究館) 生き物の進化を表した絵巻


おはようございます。梅雨空が続きます。湿気が多くカビや細菌の繁殖、熱中症にはお気を付けください。
大阪府高槻市に「JT生命誌研究館」という科学博物館があります。3年前に訪れたのですが、地球における生命誕生の様々な歴史が分かりやすく展示されています。
前館長の中村桂子さんは生物科学者、生命誌(人間も含め、さまざまな生き物たちが「生きている」様子を見つめ、そこから「どう生きるか」を探す学問のこと)研究者でゲノムという難しい内容を扱っていますが、近著「老いを愛ずる【自然体で人生を味わいつくす、暮らしかた 白髪を染めるのをやめてみた。庭の掃除もキリがないからほどほどに。大谷翔平君や藤井聡太君、海の向こうのグレタさんのような孫世代に喝采を送る――年をとるのも悪くない。人間も「生きもの」だから、自然の摂理に素直になろう。ただ気掛かりなのは、環境、感染症、戦争、競争社会等々。そこで、老い方上手な先達(フーテンの寅さんから、アフガニスタンで井戸を掘った中村哲医師まで)に、次世代への「いのちのバトン」のつなぎ方を学ぶ。レジェンド科学者が軽妙に綴る、生命誌38億年の人生哲学。」
のように、分かりやすく生命のことを綴った本もあります。人間以外の動物、昆虫、爬虫類、植物も、皆地球上に存在する生き物。季刊 生命誌(申し込むと無料で読める小冊子)に「仏教の時間・生物の時間」をテーマに現館長永田和弘さんと浄土宗法然院貫主(かんす)梶田真さん(寺の代表者)が対談し、その中で梶田さんは「自然が豊かだという時、それは、生きものがたくさんいることではなく、お互いが支えあって、因縁、縁起がうまくはたらいているということ」、「科学技術が進歩し、できるけれどもやらない選択(遺伝子操作・AI・核戦争)」ができるかどうかが問われている現代だと話しています。考えさせられるお話でした。
今日も様々な選択が目の前に現れます。様々な生き物と共生していることを忘れず過ごしたいものです。行ってらっしゃい。

カテゴリ:生き物・自然・人間

雑草と草刈りの効用

2023.06.15


草刈り後の さっぱりとした園庭






おはようございます。今日も南の海上に梅雨前線があるため、快晴とはいきませんが、時々晴れ間も現れるのではないかと期待します。気温は徐々に高くなっていきます。園庭の野菜も順調に育っている様子ですが、湿気が多すぎて根腐れも心配します。
さて、昨日夕刻園庭の草刈りをしました。気温が高くなると草丈も伸び、同時に蚊や毒のある虫も増えてきます。ある程度除草することで虫の害も減りますので、梅雨明け前に1回は地面すれすれまでの刈込が必要となります。しかし、根こそぎ抜いてしまうと、生き物が何もいなくなり、土も痩せ何も育たなくなるため適度が大切です。草は見映え、虫刺され等で、良いことはないように思われますが、日中の輻射熱を抑え二酸化炭素を吸収し、酸素を輩出することで地面付近の温度を下げる効果があります。森、山へ行くと澄んだ空気を感じますね。また、人間の身体ばかりではなく、土壌にしっかりと根を張ることで地面が崩れることを防ぐなどの作用があります。森林伐採、針葉樹(杉)ばかりを植林する(根が浅い)ことが、山の土壌に良くないことは、ゲリラ的豪雨が発生したときの大きな災害ニュースで皮肉にも実証されています。園庭に増え続けるシロツメクサは、根がとても強く一度広がると留まるところを知りません。元は外国から持ち込まれた草で、家畜の飼料として使われていたのですが、日本の風土に合うのでしょう。一気に広がりましたね。動物が好んで食べるくらいですから、栄養価も高いようです。
何事も「中庸」、「今中」、「いい加減」が必要なのです。その「ころ合」が肌身で理解できると、自然や人との付き合い方にも通ずるコツのようなものが分かってきます。若いころには中々気付けませんが、失敗をしてきたからこその到達点かもしれません。
子どもたちも生まれてわずかな期間の中で、毎日様々な自然、人に出会っています。そのことが五感や生きる方法を身につけていく刺激になります。特に乳幼児期は感受性豊かと言えますので、強すぎない程度に様々な環境に触れていくことは大切です。しかし、情報量が多すぎると子どもの心と身体の許容範囲を超え、病気や不安定な心に傾いていきやすくなりますので適量が肝心です。本来自然は人間が手を入れなくても、適度なところで自らを制限するすべも持っています。里山は人が手を入れることで共生力を保ちます。人工物はついつい限度を超えた使い方をしてしまいます。扱いはよくよく考えていくべきですね。
今日も自然から学び、人工物を正しくコントロールし、安定した生活を送っていきましょう。行ってらっしゃい。

好きな遊びに取り組む大切さ!
今日は曇り空でしたが、外でも遊ぶことができ子どもたちも満足そうな表情を見せていました。慣れ親しんだ楽しさいっぱいの園庭は、今日も子どもたち心をくすぐります。様々な遊びを行っていく中で、自らのお気に入りの玩具、場所、遊び方に集中し、指先づかい、全身づかいで自らを鍛えていきます。鍛えられる力は体ばかりではありません。「やろうとする気持ち」、「諦めず何度も挑戦する心」、「大好きな友だちと一緒に過ごしたい意欲」、「小さな子への優しさ、いたわりの心」、これら大切な心情を遊びを通じて自らの力で育んでいくことは、自信という強い心根を生み出します。
さらに「自分はここで遊んでいて大丈夫、仲間や先生とたくさん遊ぶんだ」といった自己肯定感を育て、生活習慣という楽しみの前の面倒な「やるべきこと」に対しても、協力動作をしていく気持ちになり、早く遊びたいための準備技術が上達していきます。同時に「これをすませば、次は外でいっぱい遊べる」という見通しをも育てていくのです。強制や怖れによる締め付けからは、従順かつ他律的で無表情な感情しか生まれてきません。自分で結果を得ることがこんなに幼い時から必要であることは、先の成長を見越してのことでもあるのです。でも、「今」が大切です。目の前にある子どもたちの発達段階を認めることが、「子どもの人権を守り」、「子ども自身の成長を促す」大きな力になることを、どうぞ覚えておいてください。

カテゴリ:生き物・自然・人間

卒園生、転園生のみなさんへ29

2023.06.13


おはようございます。今日は予報とは少し異なり、朝から日差しがあります。洗濯物もよく乾きそうです。気温は高くなりますので水分補給に努めましょう。
【七十二候が芒種の次候に変わり、草の中から蛍が舞い、明りを灯しながら飛び交う頃となりました。古くは、暑さに蒸れて腐った草や竹の根が、蛍になると信じられていたそうです。水辺や野の暗がりに浮かんでは消える蛍の光は、まさに夏の風物詩。夏の夜を幻想的に照らし出してくれます。「夏は夜。月のころはさらなり。やみもなほ、蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。」これは、清少納言の枕草子『春はあけぼの』に登場する有名な一節です。夏は夜が趣深い。月が出ている夜はもちろんのこと、闇夜もまた、蛍が多く飛び交っている様子も良い。また、それらがただ一つ二つと、ほのかに光って飛んでいるのも良い。夜に雨が降るのも趣があって良いと、綴っています。短い一節ですが、閑雅な光景が浮かんできますね。蛍が放つ淡い光は「蛍火」と呼ばれ、夏の季語にもなっています。】
情報が少ない昔は、見える、聴こえる、匂う、感じる等の五感で、知っている事物に置き換えて「○○のようだ」と例えたり、判断することがほとんどでした。その過程の中に自分自身の心を映し出し、表現力を高めていたと感じます。その結果優れた文学や絵画、音楽が生まれてきたのかもしれません。現代文明はこの「雅」、「哀れ」等の感性を生みにくくしています。人間は時々自然の中で過ごし、本来持っているはずの感性の働きを呼び覚まさなければなりません。人間であることの素晴らしさは、生き物としての繊細さや身近な生死を感じることで、限りある人生の一コマを大切に生きようと思う心を持てることでもあります。様々な自然の営みに触れてみてください。この地球で息づく自然や生き物に触れることは、「今」が違って見えることにつながるはずです。行ってらっしゃい。

カテゴリ:生き物・自然・人間

最後のニュース 21世紀の展望

2022.11.04

戦争、疫病、事故、事件、様々な人間社会の混迷が見受けられる昨今。この機に乗じ、弱みに付け込み弱者を追い込み、優越感を味わい金品を搾取し私利私欲に走るような人間の浅ましさも露見しています。欲は限りないものです。一方、人としての誇りや尊厳を忘れず、立ち上がる人々もいます。自己の愚かしさに気付いている人もそうでない人も、世の中が便利になる反面その世界を当たり前と考えるようになり、いつも不平を他者、行政の責任とする。自分自身も社会を担っている一因であることの自覚と、他者の立場となって生きる世界を見ていくこと、感謝の心を忘れず自分ができうる小さな責任を背負うことが、この世に生を受けた個の責任であると思います。
数年前、シンガーソングライターの井上陽水さんが、ニュースキャスターの故筑紫哲也さんの依頼で「最後のニュース」を作詞作曲し、番組のテーマ曲として一時期流れていました。淡々と流れる同じ曲調に冷静に現代に対する疑問?を投げかけています。


「最後のニュース」 作詞・作曲 井上陽水 https://utaten.com/specialArticle/index/1643

闇に沈む月の裏の顔をあばき 青い砂や石をどこへ運び去ったの 忘れられぬ人が銃で撃たれ倒れ みんな泣いたあとで誰を忘れ去ったの 飛行船が赤く空に燃え上がって のどかだった空はあれが最後だったの 地球上に人があふれだして 海の先の先へこぼれ落ちてしまうの

今 あなたにGood-Night ただ あなたにGood-Bye

暑い国の象や広い海の鯨 滅びゆくかどうか誰が調べるの 原子力と水と石油達の為に 私達は何をしてあげられるの 薬漬けにされて治るあてをなくし 痩せた体合わせどんな恋をしているの 地球上のサンソ、チッソ、フロンガスは森の花の園にどんな風を送ってるの

今 あなたにGood-Night ただ あなたにGood-Bye

機関銃の弾を体中に巻いて ケモノ達の中で誰に手紙を書いてるの 眠りかけた男達の夢の外で 目覚めかけた女達は何を夢見るの 親の愛を知らぬ子供達の歌を 声のしない歌を誰が聞いてくれるの 世界中の国の人と愛と金が 入り乱れていつか混ざりあえるの

今 あなたにGood-Night ただ あなたにGood-Bye

カテゴリ:生き物・自然・人間

アサギマダラ・阿蘇山噴火・子ども食堂

2021.10.21

altお久しぶりです。およそ1ケ月少しページ掲載を怠る間に、新型ウイルス感染症第5波は終息に向かい、政治は新しい局面を迎え、各地で地震が発生し、阿蘇山が再び噴火しました。季節は急激に秋の深まりを見せ、人も生き物も変化についていくのがやっと、というところでしょうか。そんな中、保育園の参考とするため、栄のど真ん中にできたバタフライガーデンを見学しようと、久屋大通公園フラリエを訪れました。庭園内の一角にあるアジアンガーデン(ランや紫式部)を回っていたところ、なんとアサギマダラが舞うのを発見!アサギマダラは浅葱(あさぎ)色の羽と優雅に舞う姿、長い距離を渡り移動するまだら蝶の仲間として知られています。とても軽くふわふわとはばたく姿からは、とても2,000㎞も飛行する強靭さをもつ昆虫とは想像がつきません。春は南西諸島から本州北部まで、逆に秋は北から南へ長い長い旅をしています。名古屋は旅の途中に立ち寄ったのでしょうか?ゆっくりと飛び回る、止まるを繰り返し蘭の蜜を探しているようです。止まっている時間も長いため、手持ちのスマフォで撮影することが出来ました。感激です!多くの生き物が環境変化で影響を受ける中、どこにでも移動できるアサギマダラの生きる力の強さを感じざるを得ません。家紋をアゲハ蝶にした平家も、そんな優雅さと強靭さを象徴したのかもしれません。さて、このところ地震も多発し、阿蘇の噴火も日本列島全体の変化に関連しているようにも感じます。災害や生命存続の危機に生き物としてどのように対応していくかが問われています。生き物は進化の過程で雌雄両方持つ、雌雄が変わる、クマノミの様に大きい個体がメスに性転換するなどの方法で種を保存する手段を選んでいます。人間は動物で最も優れた質の脳を進化させてきましたが、自らが作り、破壊してきた環境に手をこまねいているのが現状です。自然ばかりではなく人間同士の繋がりをも壊しつつある状況の中で、人間としての誇りにかけて解決していかなければならないと感じます。子ども食堂は、当初食を満足に得ることが出来ない子どもを対象にした場所を想定して、一市民の善意で始めた場所だと思います。なぜ、全国に広がっていったのか。子どもだけに限らず受け入れる思いが、運営者にあったからではないでしょうか?実際訪れる人々は、子どもに限らず母親、近所の人々もいるようです。そんなごちゃまぜの世界の中で、「子どものためなら仕方ないな」という思いが、自然に本来人間が持っている繋がりへの充実感や、やりがいを湧きあげています。行政任せではなく、地域に生きる人々が自然に集える場所こそ、今の世の中を変えていく小さくても大切な力となっていくと考えます。

カテゴリ:生き物・自然・人間

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