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表現画法から考える

2023.07.25

若碇の見事な掛け投げ!

おはようございます。今日も暑さは続きます。
大相撲名古屋場所が日曜日に終わりました。優勝はモンゴル出身で元横綱朝青龍の甥っ子、豊昇龍でした。横綱照ノ富士が途中休場し波乱の幕開けとなりましたが、若い力士が伸びるチャンスでもありました。私も毎回欠かさず観ていたわけではありませんが、たまたま幕下の優勝決定戦をテレビで観ることができ、覚悟を持った十両筆頭熱海富士の気迫、三段目若碇の見事な投げ技と相撲運びに感激しました。幕下でもこんなに素晴らしい闘いをする力士が存在することに驚きと嬉しさが溢れました。相撲界も国技でありながら多国籍が進み、失ってはならない日本の伝統を、日本人以外の皆様が純粋に守っている姿に対し、心から称賛の気持ちを持つことができます。どんなスポーツも取り組む賢明さに国境はなく、素晴らしい精神と鍛え抜かれた技にこそ注目し、讃えていくことが人間の尊さを表す象徴として、今後も全人類が意識していくべきだと思う機会でした。行ってらっしゃい。


ブラシを使ったスパッタリングは、なかなか出会うことができない道具(ブラシ)と素材(絵具)の体験です。指先に伝わる毛先が金網をひっかく感触(触覚)、絵の具が弾き飛ばされ、薄色の紙に点状にきれいに染まる色(視覚)、こするときに聞こえる擦れた音(聴覚)など、実は五感への刺激がたくさん詰まっている表現活動なのです。人間の感覚器官や呼吸器官は顔に集中しています。皮膚は第三の脳(第二は腸)とも言われ、外界を知る、コミュニケーションをとる(母子間密着-オキシトシンの生成)という大事な機能を持っています。盲目の人は風や香りで地形変化(車の接近、通過、ビルの切れ目)を感じ取ります。どこか機能を失ったとき、生きたい、知りたいという心がエンジンとなり、他の臓器や器官が代役を果たすため、普通以上に発達することが知られています。人間もそれぞれの感覚機能を眠らせたままでは、与えられた力をすべて使いきっているとは言えませんね。

一方昆虫は人間とは感覚器官の位置が異なっていますので、例えばカブトムシを飼っていたら、スイカを餌として与えることもあるかと思います。たまには体を洗ってやらないと、お尻近くに対で何か所かある気門(呼吸をする穴)がふさがり、窒息死してしまうことがあります。バッタやトンボも同じような体の構造をしています。理由は生きるために都合が良いからだと考えられますが、異なる体の構造と機能に昆虫の多様性を感じます。動物もイヌワシは1000m上空から獲物を視認し、鵜の視力は6.0~8.0もあるというのですから驚きです。他にも嗅覚に優れた犬は人の約2倍、イルカは6、7倍も優れているというのです。それぞれの生き物が生きていくための感覚機能の高度化を進化させてきたことがうかがえます。

かといって人間が幼少期から英才教育を行っても、心の成長がついていけるかどうかは疑問です。昨今の知識、技術に特化した教育方法も偏った人格を形成してしまわないかと心配になります。確固とした生きるための意欲という本質から離れ、一歩間違えば人間は私欲の塊であることも、心に留めておかなければなりません。人間としての様々な能力を伸ばしていくことは、とても素晴らしいことですが、同時に「矩を越えず」を意識することを忘れないようにしたいですね。

カテゴリ:生き物・自然・人間

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