お知らせ

環境変化の妙

2023.07.20

異年齢、部屋の移動、環境が変わることは悪いことばかりではありません。新鮮な感覚を味わったり、同年齢が少ない場所で「落ち着いて」遊びこんでいる様子も見られます。こうして意図的に変化を加えると、子どもたちひとり一人の「好む雰囲気」、「場所」等が分かってきます。人間は時に一人になったり、静かに過ごしたいときがあるものです。そんな様々な環境を用意しておくことは、子どもたち自身が落ち着き集中できる居場所を見つけることにもつながっていくと思います。

世の中では子どもの居場所がなくなってきています。昔は空き地や友だちの家で長い時間を過ごしたり、子ども同士だけで秘密の場所を持つこともできました。そんな許される雰囲気や環境が、今の世の中には不足してます。不審者や犯罪が多くなっているのも、子ども時代に「スキ」を与えられず過ごしてきたことが影響しているようにも感じます。

「子どもまんなか社会」とあらゆるところで言われます。その「まんなか」の意味は何かを問うていきたいと思います。いつも見られて、干渉され、ちやほやされ、用意万端な環境を与えられることが、真の「子どもまんなか」ではないはずです。子どもを「王子様、王女様」に仕立て上げては、頑張る力や苦境に耐え、這い上がる粘り強さは育たないのです。そのためにも「すきま」、「秘密」、「内緒」、「ゆとり」、「時には知らぬ顔」はとても大切です。

「物事、人はこうあるべき」も、見方によっては柔軟性がなく、変化に弱い人間性を作り上げます。「こんなこともある」、「今日はうまくいかないな」と紋切型ではない考え方を持つことで、子どもの育ち、性格も「穏やか」かつ「のびやかに」成長していくと思います。大人があまりに小さなことに神経を尖らせ、逐一指示、命令をしていくことは、同じように子どもも神経が尖り、神経質な心を生み出してしまいます。

カテゴリ:子育て

絵本の力 言葉の力

2023.07.14

不安な時代を生きる 子ども おとなへ おまじないのことばのプレゼントを!
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おはようございます。今日明日は曇り空で気温も高いようです。熱中症に気を付けながら、子どもたちと元気に過ごしていきます。
さて、今日は最近読んだ絵本を紹介します。保育園で情報誌「絵本フォーラム(年6回 2070円)」という新聞を年間購読しています。NPO法人「絵本で子育て」センターが発行している読み物です。八ヶ岳の絵本美術館に行ったとき出会うことができました。内容は年齢に合った絵本の紹介、育児に疲れた時、絵本に助けられた経験談、現在進行形の育児の悩み等、まさに保護者の皆様、保育者が読むに値する情報誌と言えます。園で保管していますので興味のある方はぜひお申し付けください。
今回は132号で紹介のあった「つるかめ つるかめ」を紹介します。ご存じの方もおいでかと思いますが、この言葉は「となえ言葉」です。「くわばら くわばら」、「いたい いたいの とんでけー」など、子どものころ親や大人から暖かな眼差しと共に、慰められた経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。筆者のお母さんは、育児で行き詰った時、よく涙を流しながらこの絵本を読み元気をもらったそうです。絵本は子どもに効力あるばかりではありません。読み聞かせる大人自身、そして子どもと一緒に目を通し読むことでも心は穏やかになったり、ワクワクと楽しい気分になることもできるのです。
私は養成校勤務時代から、わらべうた(阿部ヤエ・コダーイ)、絵本、遊びについて今も学ばせていただいています。昔からの子育て文化は、育児、保育にとって重要な真実を語っているからこそ残っています。皆様もぜひ「とっつきやすいところ」から触れてみてください。心で感じることができます。嫌なことがあった時「つるかめ つるかめ」、「だいじょうぶ だいじょうぶ」と唱え縁起直しで、負の気持ちを吹き飛ばしましょう。いいですよ!行ってらっしゃい。

カテゴリ:子育て

タライを囲んで遊ぶ素晴らしさ!

2023.07.12

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さあ 今日は洗濯あそび!

7月11日 タライを囲んで
今日も朝から異年齢混合クラスでスタートです。保育環境は安心できる慣れた人、好きな物的環境ばかりではありません。生活が安定してくれば、変化も必要になってきます。泣いて登園するときは、最も安心できる場(家庭、父母)からの分離が、最大の泣き所であることが多いです。しかし、次に安心できる保育士、さらに気の合った仲間がいることで、自分の気持ちを切り替えその楽しさに没入することで、だんだんと寂しさから楽しさへと心が移っていきます。

ですが、人間同士は必ずしもぴったり合う(相性)相手ばかりでないことは周知の事実ですね。だから小さい子を面倒見たい子は、小さい子といることで、自分の役割、やりがいを見つけ自己実現し安定します。保育士に対してもリズムや性格が合わないこともあります。我々は感じても、一切表に表すことができない職務であることは言うまでもありません。しかし人と人との相性は必ず存在していますので、積極的に様々な人間関係の量の確保をしていった方が良いと考えます。友だちや信頼できる人を最終的に選択するのは本人です。子どもたちが親、生まれ、先生を選ぶことができないとすれば、せめて他の人、環境が世の中にはたくさん存在していることを、幼い時から知らせていくことが、ひとりの人間の成長にとって大切であると思います。子どもの人生は親や教師のものではなく本人のものです。自立、自律のためには、子どもの成長に合わせた選択可能な環境が大切です。

そして、今日行った洗濯などの生活習慣は、今の時代は一切見受けられなくなりました。しかし昭和の初めころまではタライを囲んで日常的な対話(ぐち、子どもの成長、不安のやり取り)が存在していたはずです。子どもたちの様子を視てください。顔を見合わせ同じことを行い、楽しさや気持ちよさを共有するにはもってこいの環境だと思いませんか?「たらい」だからこそなせる業なのです。昔の人々はこのように毎日の生活空間の中に、隣近所とのコミュニティーの時間を必然的に持っていました。「くらし」は煩わしさもありますが、すくわれることもあるのです。だからこそ「利他」の心を持った生活を持続できたのだと思います。

今の時代同じことはできませんが、隣近所、同じ保育園、幼稚園、学校、地域、そのすべてにおいて関わる人々が「意識するだけで世界の見え方は変わってきます。」
この子どもたちの姿は、疎遠になる人間社会、争い続ける人間社会への訴えだと思います。「みんなと生活したい」、「みんなとあそびたい」、「私はつながりたいの!」、そんな素直な人間らしい思いが、子どもたちの姿から伝わってきます。教えられます。

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「不適切保育」についての報道

2023.07.06

おはようございます。今日明日は猛暑となりそうです。こまめな水分塩分補給、休息を心がけましょう。
「不適切な保育」について新聞でもテレビでも扱われることが増えています。それら報道に関し謙虚に耳を傾け、自己の保育について見直していくことが必要です。反面報道に関しても検証し、問題提起の表現に行き過ぎや偏った捉え方、導きがないかどうかを確認していくべきだと感じます。桑名の案件につきましても中日新聞では「ロストチャイルド」においてシリーズで解説されています。子どもや保護者側からの見方が主になりますが、保育者側からもぜひ文字にしてもらえないかと思います。保育の世界をご存じない方にとって、文字表現は実にストレートに受け取られます、まして映像と音声は「酷い」という印象のみ強く心に残ってしまいます。社会情勢や家庭、地域のあり方など、総合的な観点が必要であることを伝えなければ、すべては学校、保育所、幼稚園、公的機関が悪者にされかねません。不適切保育者を擁護するわけではありませんが、本質的な問題を突き詰めない限り、一報道は氷山の一角にすぎません。
本園においては年に2回は「人権擁護セルフチェックシート」を職員ひとり一人が記入し、自己の保育を振り返っています。その結果については評価が必要ですが、個々人の意識がそれぞれ異なるため、私の主観で「深い振り返りである」と考えるものを回覧する(職員)にとどめています。園の保育観はもちろん共有していますが、実践の方法(かける言葉、表現、保育の手順等)は個性があるからこそ、子どもたちにとって良いと言える点も見逃せません。あくまで人として法律、倫理を逸脱することなく、保育者として適切な言動に努めていけるよう、職員と共に考えていける風土を大切にしていくことが最も大切であると考えています。
私たち自身も確固たる保育方針を持つことは必要ですが、「偏る」ことを保護者の皆様にご指摘いただくことで気づけることもあります。どうぞご遠慮なくお伝えください。
今日も元気に1日を過ごしましょう。行ってらっしゃい。

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子育てのコツ

2023.07.04

子育てのコツ
梅雨の期間にしては、タイミングよく雨は降ることもなく、外遊び(水)と室内遊びを満喫できています。お外でいっぱい汗をかき体を使った後は、細かなことにも集中し、それぞれの楽しさを感じることができていると思います。月曜日にしてはみな落ち着いているようです。お家でたくさん遊び、甘えさせてもらったかな?子どもたちの心は連続する生活の中で、様々な環境と人に左右され、楽しくもあり、退屈であり、イライラし、爆発的に活動し、静かに自分の世界に入り込むこともあります。様々な面があるからこそ人間ですね。自分自身の中にある様々に今後もたくさん気づいていくことでしょう。今は自身を客観的に見てはいませんが、いつかは自分の欠点や、利点、さらに「私は何者?」に突き当たることでしょう。、その時に考えることができる心の粘り強さを身につけておいてほしいと願います。人生は良いことばかりではありません。そんな歩みを最後まで見届けることができるのも自分自身なのです。

子どもを幸せにするのなんて
とても簡単なことですよ。
親が笑顔なら
それだけで子どもは幸せなのです。
自分が親を幸せにしたと思って
自信たっぷりに育っていくのです。

児童精神科医の佐々木正美さんが残した言葉です。

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