お知らせ

学生数の減少

2024.07.17

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おはようございます。
先週一週間で保育者の養成校(大学・専門学校12校)へ求人・保育体験・研究活動の誘致などの挨拶に行ってきました。18歳人口の減少でどこの学校も軒並み学生数が定員を下回っているのが現状です。今後どこの乳幼児保育教育施設も保育者の確保がますます難しくなることが予想されます。
保育士資格、教育免許保有者は決して少ないわけではありません。ですが実際に資格免許を生かして職に就いている人が少ない状況が続いているのです。原因は乳幼児保育施設の働く環境が決して良いとは言えないのが理由のひとつでもあります。給与も社会人全体の平均給与を下回り、国も処遇の改善のため補助金等を交付することによって努力をしてくれてはいます。しかし、保育者一人がみる子どもの数はゆとりがあるとは言えません(法律)。特に乳幼児の場合は、個別の欲求に十分にこたえていく必要性があり、「子どもの自発性」、「欲求の充足」を達成しなければ、充分に成長発達を遂げていけるとは言い難い現実を、保護者の皆様も理解していただけると思います。さらに国の政策は「誰でも保育」などの制度を作り、子育て支援体制を強化することで、少子化に歯止めをかけようとしています。しかし単純に経済的支援と子育ての機会増大が、少子化解決の手段であるかは疑わしいと考えます。そのような単純な理由で子育ての危機は生まれたのではないのです。
子どもを育てることは、人類、国、家族が存続していくために必要不可欠です。また、子育て程尊い人間活動は他にはありません。このような自覚を持てる社会構造でないことが根本原因にあります。世の中は「効率やスピード」、「自己の利益」を追うことに専念し、様々な「共助」、「手間」、「根気」等を捨ててきました。その結果が人間関係を紡いでいく力、親としての育ち、子どもが元々持っている意欲や好奇心を捻じ曲げてきたと思います。
効率や便利が悪くても「ゆっくり」、「手間をかけ」、「過程を尊重する」、「失敗を経験する」等の考え方を大切にし、コミュニティーを作り直していくことが、人間性を回復するうえで最も必要な時間なのです。文明の進展は後戻りできません、しかしその弊害をしっかりと認識した利用に努めなければ、この先も子どもを育てようとする親世代は、減少の一途をたどるのではないかと危惧せざるを得ません。

カテゴリ:子育て

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