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日本原水爆被害者団体協議会 ノーベル平和賞受賞

2024.10.23

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「本当にうそみたいだ」と頬をつねりながら、涙を流す被団協代表箕牧智之代表委員の姿がとても印象的でした。それだけノーベル平和賞の団体受賞は唐突で驚くべきことだったと思います。過去にも佐藤栄作氏、オバマ氏等の政治家等の受賞が主流でしたが、2017年国際NGO、「ICAN」=「核兵器廃絶国際キャンペーン」が政治と一線を引く平和推進団体として選ばれて以来2つ目の団体受賞となります。
被団協は世界で唯一の原子爆弾被爆国として、その悲惨さを世界へ地道に発信している団体です。その地味な活動がなぜ世界的な平和賞に選ばれたのでしょうか?その意味を当事国として重く受け止めなければならないと思います。政治的に日本は今もなおアメリカの「核の傘」に守られる立場をとっており、「核兵器禁止条約」には不参加です。せめてオブザーバー参加をと願うことが、市民の立場としては納得いく考えだと思うのですが?【歴代総理は、核兵器禁止条約について、これまで次のように説明している。「核兵器のない世界という大きな目標に向け重要な条約だが、核兵器国は1国たりとも参加していない」条約には、アメリカやロシア、中国など、核兵器を保有する国々が参加していない。そこに日本だけ加わって議論をしても、実際に核廃絶にはつながらないというのだ。日本としては、核兵器保有国と非保有国の双方が加わるNPT=核拡散防止条約の再検討会議の枠組みなどを通じて、唯一の戦争被爆国として双方の橋渡しとなり、現実的に核軍縮を前に進めることを優先する立場だ。】
そんな議論をよそにガザ、ウクライナでは今も無差別な爆撃で市民が犠牲になっています。そして解決しない報復の繰り返しはいずれ禁じ手である核攻撃に進みかねない状況を生み出しつつあります。その脅威に歯止をかけるのは、政治だけの世界ではもはや不可能なのかもしれません。この意味においても今回の受賞は、最後の砦である一般市民に訴えかける貴重なチャンスと捉えられているようにも感じます。
人間は叡智ある生き物のはずです。世界で起こっている紛争、気候変動は他人ごとではありません。いつの日か巻き込まれる時がやってくることは、どんなに理屈が正しくても結局のところ戦争は、見境ない殺戮に麻痺する人間の過去の姿が物語り、最近の猛暑、災害などの気象災害で思い知っているはずです。

カテゴリ:戦争

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