星にねがいを
2023.07.07
おはようございます。今日も天気はよさそうです!
第三十一候「温風至 (あつかぜいたる)」 7/7~7/11頃
【七十二候が小暑の初候に変わり、熱い風が吹き始める頃となりました。この時節の前後に梅雨が明けますが、梅雨明け頃は、湿った暖かい空気が流れ込みやすいため雷雲が発生しやすく、突然の雷雨、突風が起こることも。また、強い日差しと共に気温が一気に上がるので、注意が必要な時季でもあります。「温風至」の温風とは、梅雨明けの頃に吹く南風のことで、「白南風 (しろはえ)」と呼ばれます。ちなみに、梅雨の間に吹く南風は「黒南風 (くろはえ)」です。どちらも亜熱帯から吹く暖かく湿った風ですが、雨雲が覆う梅雨空では黒、さわやかな青空の下では白と、風にも色をつけて言い表しました。これから日に日に暑さが増していきます。】
七夕に寄せて
七夕伝説は子どものころから慣れ親しんでいますが、今日は「双子の星(宮澤賢治)」という作品(第1章)を紹介します。【天界にすむチュンセ童子とポンセ童子は双子のきょうだい、決まった時間に笛を奏でるのが神(王)様から授けられた使命です。一方サソリはいつも決まった西の空に輝く赤星、カラスも役割を持ち、役割を果たせなくなった時、天から海の底へ落とされます。そんな時水を飲みにやって来たサソリとカラスは、日頃からの仲の悪さが爆発し、双方が傷つきます。双子星は自力で歩けないサソリを家まで送ろうとしますが、力尽き倒れてしまいます。そんな時すべてを見ていた天の神様が皆を助けます・・・・】このお話には死力を尽くし他者を助けることが人として大切であることを伝えています。実は賢治はきょうだい星を「自分と早世した妹 とし」に当てはめているとも言われています。遥か天空でいとしい妹に再会することを願っていたのかもしれません。私の言葉足らずよりも現代は「ユーチューブ」があります。ご興味のある方はぜひ「賢治のトランク」で検索してください。七夕の夜を素敵なお話や歌を観聴き、瞬く星たちを眺め過ごすのも、心が澄み渡り良いものです。
「星めぐりの歌」宮沢賢治作詞作曲
あかいめだまの さそり ひろげた鷲の つばさ あをいめだまの 小いぬ、ひかりのへびの とぐろ。
オリオンは高く うたひ つゆとしもとを おとす、 アンドロメダの くもは さかなのくちの かたち。
大ぐまのあしを きたに 五つのばした ところ。 小熊のひたいの うへは そらのめぐりの めあて。
夕刻
神様、仏様、ご先祖様、人は都合よく「希望を叶えたい時」のみ頭を下げ、かしこまってお願いをします。日常的にどれくらい今日1日が無事に終わったことを「感謝」しているでしょうか?天は万能ではありません。お願いをしたからと言って都合よく叶えてもらえるとは限りません。そして人間は「子どもを作る」のではなく、「子どもを授かる」ものであるという心を忘れてはならないと思います。人間としてこの世に生まれ出られた確率は、3億分の1というほぼ奇跡に近い数字だそうです。なんということでしょうか。だからこそ愛おしく大切に育てなければなりません。医療が未発達の時代は、多くの子どもが成人する前にこの世を去っています。節々で行う子どもたちの行事は、今まで無事に生きてこられたことを家族、地域で喜び、人の力ではどうにもならない偉大な力を怖れ、崇めることで守られてきた証でもあります。これからも元気に育ってほしいといった切実な思いは、今後も引き継がれていかなければなりません。命の尊さが軽んじられるような現代社会で、原点や本質を忘れてしまうことは、神や仏を都合よく私的頼み事に替えてしまっている現実によく現れています。日常に感謝し、生かしてもらっていることに手を合わせ、日々を誠実に生き、誰かのために生きていくことが、最後には自分自身の幸せにつながっていくと信じます。
カテゴリ:卒園生・転園生の皆さんへ!