かぼちゃの工作
2023.09.28
半透明の発見! この紙の性質 声の振動や 空気が通ることへの関心
かぼちゃは畑を作ってもらったN(82歳の元気な方)さんが、子どものおもちゃにと持参していただいた、大きなかぼちゃ(オレンジ一色)が園庭においてあるため、イメージはできていると思います。本物をみていれば作ってみたいという意欲も持ちやすくなります。
そして子どもたちのすばらしさは、素材の性質をすぐに見抜くところです。色紙と違いこの紙は「クレープ紙?」という紙で、よく花束を包んだり、誕生日の際、包装紙として使いますね。半透明で吹きかけた息を通す、向こう側が見える、息と同時に声を出すと響く?などの性質があると思います。何でもやってみる、やってみたいのが子どもの本質です。このようにして物事の楽しさを見つけ、自分の力や知識として定着させていくのだと思います。
また、同じことを同じ場所、時間で仲間と行うことは、他者と自分の違いに気付く、思いもつかない方法の学びにもつながっています。さらに園庭では、年齢の上下が自然物を介在にして触れ合うことで、興味や意欲の芽を作っています。2歳児クラスの子どもたちは、そろそろ自分と気の合う特定の仲間を選択して遊ぶ気持ちが芽生えてきます。この発達を得て好き嫌いが生じ、偏った人間関係が生まれます。さらに発達が進むと(学童期)、「みんなの中の自分(好きでなないが上手に付き合うことの大切さ)」にも気づいて、「みんなちがってみんないい」と発展していきます。発達過程において「自己中心」、「好き嫌い」は、自己の選択力を伸ばしていくために必然な過程です。この時期があってこそ、「平等」、「協力」、「協同」、「連帯」等の崇高な思考にたどり着けるのです。時期が問題です。必要な時に必要な体験と仲間の中で育つことが、その力を生み出します。
私の息子は保育園時代、ダウン症の仲間と一緒に園生活を送っていました。何も拘りなく助け合い、お互いを尊重して生きている姿に、拘っているのは大人の見方であることを学んだのです。子どもの伸びやかで他者を受け入れる力(憐れみではなく、できないことを手伝う平等のやさしさ)は、幼い時ほど育つことができます。世の中はインクルーシブ(多様性を認め合う世界観)な考えになりつつあります。ハンセン病や障がいのある人々を過去の日本人は、座敷牢や山深い僻地に隔離し差別してきました。「生活する場を同じくする」ことは、お互いが理解しあい、助け合って生きる世界を作ることに最もふさわしい環境だとも思います。
ひとり一人違う人間同士です。世の中は必ずしも理解に寛大な場所ばかりではありませんが、自己を押し通すことばかりでは理想の人間社会だとは言えません。どこまでも理想を掲げ「信じあえる存在である人間同士」に希望を持ちたいと願います。
カテゴリ:卒園生・転園生の皆さんへ!