その時(年齢に適した)の発達の大切さ!
2023.12.26
子どもたちにとっては自分で靴を履いたり、ボタンをかける、ファスナーを上げ下げするよりも、友だち、先生のものを対面でやる方がやりやすいようです。自分では見えにくいし、見えない個所を手探りで行うことは確かに難しいですね。見えないということは、該当箇所までの距離感を身体で覚えていないとうまく操作できません。これは視覚に頼っていることが大半のために、手探りに慣れていないから起こることです。
このような力を育てるには手探りの遊びをしていくことが良いと思います。子どもは「なんだろうね?」、「さあ 当てることができるかな?」等の誘い文句に大変興味を持ちます。習慣(着脱・排泄・食事・睡眠・手洗い)は子どもたちにとって面白みがないため、ついつい億劫になりがちです。すべてを遊びで誘導するのはこれもまた問題がありますが、手洗いで水を出しているとついつい水遊びになってしまうのも、興味ある素材が目の前にあればごく自然な行動なのです。
そのような身支度と遊びの区別ができるようになるには、時間の経過による心身の発達を待たなければなりません。いずれは生活と学びは子ども自身の中で分離していきます。その区別がほぼ存在しないのが乳幼児期なのです。これは極自然なことで無理な我慢を強制していくと、心が満たされず欲求不満を残し年齢を重ねていくこととなります。その不満はいつの日か「反抗」、「拒絶」といった強い態度で安心できる対象に向けられることになります。反抗期は一般的には誰にでもあることがほとんどですが、屈折した行き場のない「思い」が、乳幼児期に重なることはとても危険なことです。「欲求を満たす」は幼い時期ほどどうぞ尊重してあげてください。その思いが十分満たされた子ほど早く親から離れていきます。
子どもたちにとって何が大切か?それは最終的に親から離れ自立し、ひとりの人間として自分の世界を縦横無尽に生き抜くことです。親から離れず自立できない若者、子どもから離れられない親が多くなる世の中は、自立、自律できない見かけだけが大人の人間を増やしていくことに繋がります。学習も早ければよいのではなく、「発達のその時期、瞬間を十分に過ごす」ことが最も大切なのです。「積み残しがない発達過程」を経験できるように家庭と教育保育機関で協力していくことが大切です。
カテゴリ:卒園生・転園生の皆さんへ!