お知らせ

発達と安全の境目

2024.03.17

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おはようございます。
保育現場では怪我による潜在危険の察知(怪我の予測への構え)が非常に大切です。道具を使う場合の子どもの経験、知識、心身の発達段階を日頃から頭に入れておくと、「Aさんは大丈夫、Bさんの場合はもしかすると危険な転び方をするかもしれない」、と個々の特徴に沿った安全確保を行えます。一斉に禁止することは簡単です。しかし安易な「挑戦への制止」は避けなければなりません。すべての安全基準を一律に個々に当てはめることは、「何に対しても否定」に繋がり、各々の伸びようとする力、頑張ろうとする意欲をくじくことになります。

園庭はどの発達段階の子どもが過ごしても、極力大きなケガに繋がらないように環境整備しています。しかし道具や玩具、特に子どもたちが「面白そうだ」と感じるもの(縄跳びヒモ、押し車、大きなボール)をどのように扱っているかには目を離さず、ケースによって判断しなければならないと思います。だから大勢を観ていくには、それなりの保育士の人数と発達への眼差、注意力が必要になってくるのです。

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先日のケースです。2歳児さんが押し車で築山の頂上から、勢いよく滑り降りてきた様子を視て、1歳児さんが真似しようとしました。私は「おそらく車の前底の部分が引っかかり、前方へダイブするように身体ごと突っ込むだろう」と予測しました。案の定その通りの状況になった時、その子を抱きとめ、顔、身体の強打を防ぎました。このようなことは当然起こり得ます。「やってみたい」といった欲求はできるだけ叶えてあげたいのですが、それなりの備えと、不測の事態に備えた支援者の位置は、用意しておかなければなりません。一度この経験を経れば、子どもたちは自分自身で注意するようになります。足を使ってスピードコントロールする、滑り降りるコース、高さを選ぶ、誰もが怖い、痛い思いはしたくはありません。様々な方法を体験できる機会を提供することで、危険を避ける力を育てる、これこそ大切な子どもに培いたい発達と能力なのです。

カテゴリ:発達

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