泣く、笑う、意欲、集中、リズム!
2024.04.06
朝は泣いているおともだちがほとんどでしたが、「いかがですか?」、園庭での遊びを見ているとまるで違う姿が映し出されています。「子どもってこういうものですね!」。「たのしい」、「おもしろそう」を見つけることができれば心は安定していきます。室内の環境は家庭やそこに続くご家族様の記憶を思い出しやすいこともあり、中々寂しさから抜け出すことができませんが、屋外、園庭の世界、自然環境が発する魅力は、「さみしさ」さえどこかへ吹き飛んでしまうほど子ども心をくすぐり、「集中の世界」へと引きずり込んでいきます。「あの車を使いたい」、「スコップで土をすくってみたい」そんな欲求が次々と押し寄せてくるため、泣いている暇などありません!活動量が増せば当然お腹も空きます、だからおやつ(補食)は大切になります。お昼ごはんまで活動するためのエネルギーを蓄えておかなければならないからです。こうして、集団の場において「遊ぶ」、「食べる」、「寝る」、「排泄する」のリズミカルな生活が形作られていくのです。「泣く」、「笑う」、「動く」、「心を働かせる」、これらはすべて蓄えられているエネルギーを消化していきます。空っぽ、満タン、この刺激こそ成長の元です。
さらに「見るのが初めての遊具、築山」、「様々な植物に満ち溢れた環境」への挑戦意欲も焚きつけられます!初めて山に登る子どもたちは、その多くがハイハイの姿勢です。「怖さ」が心を満たすことで本能が働きます。この感情こそ身を守るためには必要な心です。怖いもの知らずでは必ず「大きなけが」を伴う結果を生みだしかねません。幼くても「怖いからしゃがむ」、「お尻をつき滑り降りる」、「四つ這いで登る」の選択ができることがとても大切です。身体使いは理屈ではありませんので、このような少し怖い経験も必要です。このようなケースにいつも大人が先走り、「座って」、「そこで待ってて」等と行動の指示をしてしまうと、指示待ちとなり子ども自身の危機管理能力は育たなくなります。普段から発達を理解し、子どもの力を信じることも自分で考える、安全な方法を身体で覚えるといった視点でとても重要です。
したがって保育士は今この瞬間に「どんな動き方、移動、選択」を子どもたちが行っているのかを注意深く観察します。この「視る」という行動の中に、どれだけの知識と経験を基にした予測の力を持っているのかが、保育士、教育者の力量とも言えます。初任の保育士はその守備範囲が狭量であることが当たり前です。だからこそ経験と学びの力を実践に映し出している、中堅以上の保育士との連携が非常に大切となります。よって「風通しの良い職場環境」、「信頼し合える関係性」の構築が保育者集団の目標でもあるのです。
ご家族の皆様はお子様をどんな子にお育てになりたいですか?そんな問いをご自身に課しながら、どうぞ子育てを楽しんでください。「痛痒い」、「苦し楽しい」等、両極端を表す言葉がありますが、子育てはまさにそんなドラマティックな日々の連続なのです。我が家にもいまだに母親が保育士とやりとりした、毎日の「お便りノート」が我が家の家宝として本棚に君臨しています。「こんなに子どものことを気にかけ」、「これほど楽しむことができた乳幼児期」は、それ以後子どもたちが自立の度合いが増していくにつれなくなっていきます。どうぞ「今」を楽しんでください。第二子、三子とお子様が増えたとしても、唯一のひとり一人のお子様との絆つくりは今この瞬間現在進行形です。
カテゴリ:発達