国政の行方
2024.11.08
おはようございます。
アメリカ大統領選挙、投開票が終わりました。民主、共和それぞれの力は拮抗し、物価高、権威主義に傾きかけている世界の情勢にも影響が大きいため全世界が注目していました。ハリス氏、トランプ氏ともに自身の政策の合理性と対立候補の批判を繰り返し、世論も「接戦」であることを伝えていましたが、結果はトランプ氏の4年ぶりの返り咲きとなりました。ハリス氏は現政権で不法移民問題、具体性に欠けるプランなどが国民の批判をかってしまったと言えそうです。アメリカ第一主義を掲げるトランプ氏の政策が、政治経済において深刻な事態を起こさなければよいのですが、極端な発言と議会乱入を焚きつけるような人格が大国をまとめていけるのかにも不安を覚えます。
日本は自公政権が過半数を割り、国民民主党は議席で躍進はしましたが、与党協力、野党連合を図らなければ主張する政策は実現するものでもありません。どの政党も妥協と主張を繰り返しながら粛々と政権運営に関与していく必要があります。今の状況を民主制にとって良い状況だと捉える記事があります(視座 11.3中日 内田 樹)。政治家が「同じ程度に不満な顔」をしていることは民主制の理想であると。確かに一党独裁で民衆が歓喜し、間違った世の中が作られた負の歴史は数多くあります。人間が理想を持ちお互いに拮抗している状態は、知的な考えもより研ぎ澄まされていくと考えることも出来ます。
アメリカ、日本そして世界中の一市民が、自分の生活が少しでも良くなることを願い、共鳴する代表、リーダーを選択しようとします。しかしながら自己の利益だけを優先していくことは、決して理想的な民主制とは言えず、私権や私財の一部を手放し、公共に付託することが最後には自己利益として還元されることを伝えたのが、ロック、ホップズだそうです。人間の私欲は中々消え去るものではありませんが、人間社会が成熟した民主制を築いていくためには、長期的な視点で政治を選択していく市民の考え方が重要だと教えられました。
カテゴリ:政治・国際状況