第六十二候「熊蟄穴 (くまあなにこもる)」 12/12~12/15頃
2024.12.13
宮澤賢治 「春と修羅」より
すべてがわたくしのなかのみんなであるように みんなのおのおののなかの すべてですから
おはようございます。
【七十二候が大雪の次候に変わり、クマをはじめ、動物たちが冬ごもりをする頃となりました。秋になってドングリや山ブドウが実ると、それまで草を食べていたクマは、これらの栄養価が高い木の実をたっぷり食べるようになります。そして、皮下脂肪をたくわえ、穴にこもって飲まず食わずのまま、春を待ちます。穴の中では、ほとんど身動きせず、脈拍や呼吸数も減少します。ただ、わずかな物音やにおいなどの刺激で目を覚ますほど、眠りは浅いそうです。このため、クマの場合は「冬眠」ではなく、「冬ごもり」という言い方をするそうです。クマの冬ごもりは、この時期食料が不足する事と、体力温存の保身の習性だと考えられています。また、クマの出産は、この「冬ごもり」の間に行われることが多いので、寒さから子グマを守る目的もあるそうです。ところで、日本には北海道に生息する「ヒグマ」と、本州以南に生息する「ツキノワグマ」の2種類のクマがいます。冬ごもりの穴として、ツキノワグマは樹洞を利用し、ヒグマは斜面の土を掘って穴を作るそうです。こうした天敵に襲われない安全な場所で、1~2月頃に平均二頭の子を産み、春には穴から出てきます。】
最近は、タヌキ、クマ、イノシシ、シカ、サルなどの野生動物が里山におりてくることが多くなっています。人間が作っている野菜、果物などに味をしめ、手っ取り早く食事にありつける方法を記憶しているようです。元はと言えば人間が森林を伐採し開発利用してきたことが影響しているとも言えます。「自分以外の他者、生きものは自分でもあり自分は他者の一部でもあります。」厄介者扱いする前に人間こそ動物の生態系に影響を及ぼしてきた害獣であることを自覚する必要有と思います。
カテゴリ:七十二候