行事と社会 子ども
2024.12.13
行事については本園が乳児専用施設であること、ご家族様が子育てにおいて第一、二子目の方が多く、日常生活においてご家族で過ごす時間を最優先にという願いに基づき、負担が大きくならない程度の件数に限っています。3歳以上になると表現力も、見られることにも安定した状態で行えるようになるため、運動会、生活発表会、遊戯会などの行事もできるようになります。同時にお子様の成長も実感しやすくなり、本人、ご家族にとって行事が大きな楽しみ、目標になっていきます。
園内で行うお餅つきやクリスマス会は、職員と午前中に行います。終わった行事を思い出したり、何日も前から歌を唄ったり、楽器を演奏したりすることで、「楽しみにする」、「音楽への興味」等を掘り起こし、「意欲」を育てていくことを狙いとしています。
行事はそれぞれに人々の「思い」、「願い」等を含んでいなければなりません(健やかにそだってね!)。子どもたち自身に持つ目標やねらいと、大人が子どもに願う幸せや望みは、必ずしも一致したものではないですが、クリスマスはキリストの誕生をお祝いする、お餅つきは稲作信仰(米の霊力を高める餅つき)で米から力をもらう、等の意味が込められています。
子どもたちに伝えることはかみ砕けばよいのではないでしょうか?ただ単に神様の誕生を祝うと言われてもピンと来ませんね。キリストは隣人愛(自分を愛するように他者を愛す)、餅つきは神道、餅をついて鏡餅を作る、神様に供える(子どもや家族の幸せを祈り感謝する)のように、置き換えて伝えていくことが大切だと思います。
一番意味がないこと、避けるべきことは商業ペースに乗せられている行動です。ハロウィン(収穫祭・祖霊への感謝)で人が密集し、ケガや死亡事故が起きる、大騒ぎをし街や公共物を汚す、壊すなどの騒ぎ立てるだけの行動。「楽しい」の真の意味は、「待ち遠しい」、「厳粛な雰囲気を味わう」、「神聖な意味」、「人々の生きる喜び」等を喜ぶ等の感情の表現だと思います。これらは子どもの頃は意味が分かるものではありませんが、大人が大切な感情を育てる機会として、「思い」を載せていかなければならないのが行事だと考えています。
直接的説明(宗教的意味、神様の厳粛さ)ではなく、一心に幸せを願い、感謝の念を現わしていく人間の姿をこそ、子どもたちに残していける財産だと思います。どうぞ行事の在り方や取り組み方を考えるためにも、元々の意味を探ってみてはいかがでしょうか?社会、ご家族、保育園、小学校・・・・において正しい意味で行事が行われることを願っています。
カテゴリ:教える・伝える