お知らせ

卒園生、転園生の皆さんへ11

2023.05.10

科学の進歩がもたらすものとは?5月10日

おはようございます。暦では立夏を迎えます。本格的な夏はまだ先で、気温もまださほど高くありませんが、陽の光は一年の中で最も強く、「光の夏」とも呼ばれます。今日は暑くなりそうですね!
【七十二候が立夏の初候に変わり、野原や田んぼで蛙が鳴き始める頃となりました。蛙の声が響くようになると、野山の若葉もみずみずしく輝いて、まもなく本格的な夏が訪れます。蛙は生まれてから別の場所へ移動しても、その後必ずもとの生まれた池に戻ってくることから「帰る=蛙 (かえる)」と呼ばれるようになったといいます。「無事帰る」「お金が帰る」などにつながることから、古くから縁起が良いとされてきました。また、「蛙」という漢字は鳴き声に由来しており、蛙が「けーけー」と鳴いていると捉えられたため、虫偏にこの「圭」が用いられたといいます。真夜中に響く蛙の大合唱は、夏の夜の風物詩。いろんな鳴き声がこだましますが、実は鳴き声にもそれぞれ意味があるそうです。オスがメスを呼ぶ求愛の声、危機を感じたときの警戒の声、なわばり宣言の声など。意識して聞いてみるのも面白いものです。】
「不便益(不便だからこそ得られる益)」という言葉(京都先端科学大学教授 川上浩司提唱)があります。(4月30日 中日 社説)不便をあえて楽しむという意味です。現代は様々な電子機器や便利グッズを手に入れることができます。使い捨ても多いです。この「もっと、もっと」が、環境を破壊し人間も退化させていくことを危惧しています。世間では今「キャンプブーム」です。この世界においても様々な用具が販売され、手軽に自然の中で生活できるようになってきました。購入したテントを組み立てることも、ユーチューブを観ながら現場で行う人もいます。準備や練習の楽しさ、「物を組み立てるワクワク感」はあえなく素通りされ、自分の頭を使わなくても済むことをあてにし当日を迎える。それはそれでよいのですが、「1本のロープ」、「1枚のブルーシート」でも居住空間は確保でき、箸は小枝、竹はご飯を炊くことも水をためることも可能です。要は工夫(頭を使う)次第で何でもできます。また、その工夫が楽しいとも言えます。
先に掲載しました「2001年宇宙の旅」キューブリック監督は、コンピュータ「ハル9000」を登場させ、人間を越えようとする人工知能の危険を描きました。人間自身が作り出す喜びによって自身を滅ぼす。このようなことにならないよう自分の頭と体で物事を感じ、生きていきたいものです。不便であることは人類にとって大きな可能性と成長の喜びを感じさせてくれます。チャットGPTも使い様ですが、危険をはらんでいることは確かです。
今日も機械を頼りすぎず、子どもたちのように自分の感覚器官を信じ生きていきたいですね。行ってらっしゃい。

5月10日夕刻 子どもの「まねび(学び)」 
4月に入園した子どもたちにとっては、園庭の素材環境は具体性に乏しいと言えます、反面使い方によってはとても大きな可能性とおもしろさを含んでいます。素材そのままがほとんどのため、最初はどうやったら良いのか使いあぐねています。それでも子どもたちは、直接素材(砂、実、花、葉、水)に触れていくことで少しづつ慣れていきます。また、それぞれの自然物が持っている肌触りや色、香りなど五感を刺激する要素が、子どもたちの心と体を揺さぶるのです。
そして先輩、上の年齢の子がとても楽しそうに素材を使いこなすのを見て、最初は真似ます。真似て使ううちにその楽しさを実感し、「もっと もっと」とオリジナルな使い方も見つけることができるようになっていくのです。ここまでくれば大人は手を出す回数が減っていきます。逆に子どもの奇想天外な発想と豊かさに驚かされることも起きます。もちろん乳幼児期は大人が「きっかけ」をたくさん作るべき発達時期ではあります。
そして危険も増してくるということです。大人が必要以上に危険を知らせることが、自身の安全確保への力を身につけるのではなく、「自己選択」が自分の体を守るうえで、後々必要な力となっていくことを考えておかなければなりません。この危険への対応を身につける絶好の機会が「小さな危険」なのです。小さな危険を自分が選んだ活動で、繰り返し体験することにより、大きな危険を回避、あるいは事前に対応し、最小限のケガで済ますことができるようになります。結果がすぐに現れるわけではありませんので、大人は辛抱強くこの機会を見守る必要があります。

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卒園生、転園生の皆さんへ10

2023.05.09

5月9日 朝 子どもたちの今を守るために

おはようございます。今日も良い天気です。新緑がまぶしく感じられます。
5日は子どもの日でした。子どもの権利条約、子ども基本法等、子どもたちが健やかに育っていくための法律が施行されています。なぜ、このような規則が作られているのでしょうか。それは子どもが子どもらしく生きていける環境が不足、欠如、侵害されているからにほかなりません。アンケート調査(日本財団が実施した、全国の10〜18歳の男女を対象「こども1万人意識調査」)でも「聞いたことがない」という回答が60%を超えています。「子どもがそれぞれの時代をその子らしく生きる権利」はとても大切です。認知度が問題なのではなく、法律まで作らなければならない現状がとても心配なことだと感じます。中日新聞コラムに詩人谷川俊太郎の一編の詩が掲載されました。 
                          
『生まれたよ ぼく』
生まれたよ ぼく やっとここにやってきた まだ眼は開いてないけど まだ耳も聞こえてないけど ぼくは知ってる ここがどんなにすばらしいところか だから邪魔しないでください ぼくが笑うのを ぼくが泣くのを ぼくが幸せになるのを

いつかぼくが ここから出て行くときのために いまからぼくは遺言する 山はいつまでも高くそびえていてほしい 海はいつまでも深くたたえていてほしい 空はいつまでも青く澄んでいてほしい そして人はここにやってきた日のことを 忘れずにいてほしい

皆様それぞれの捉え方があるでしょう。それで良いと思います。ただ、忘れてならないことは、「子どもが子どもらしく生きること」を守る義務(今の成長を大切にする、世界平和、環境保護、人類の維持・・・)は大人にあるということを。今日も子どもたちが子どもらしくあることを願って、行ってらっしゃい。

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卒園生、転園生の皆さんへ9

2023.05.08

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こんにちは。連休はいかがお過ごしでしたか?感染症も落ち着きを見せ、5類へ移行します。終息したとは言えませんが、今後も未知のウイルス、細菌との遭遇はあり得ることを学ぶ3年間だったと思います。
さて、徐々に気温も上がっていきそうです。避けられる熱中症には十分注意し、細菌感染等避けられない場合に備え、病気に負けない心身を作っていけるよう努力したいですね。
5月3日は憲法記念日でした。「護憲の会」等の憲法を守っていく立場の組織は、高齢化が進み衰退の傾向を見せています。大江健三郎、梅原猛、井上ひさし、そして坂本龍一(護憲の会には所属していない)、様々な作家、芸術家が世界に誇る「日本国憲法」の大切さを語り主張してきました。そんな影響力の大きな著名人がこの世を去り、戦争体験者、護憲論者がいなくなっていくことで、身近には戦争へ向かう遠因、脅威や危険性を認識できる場が少なくなっていきます。
3日中日新聞社説に「偶然」と「必然」の赤い糸(憲法記念日に考える)に、「必然の恐ろしさ」が説かれています。封建時代は「忠」という考えの元で、主君が暴君となった時、身を賭して諫言(かんげん-主君をいさめる-「なりませぬ・・」)することが本当の「忠」であると言われていました。明治期となりその考えを帝国憲法という厳格な法律によって、「権力」を監視するシステムとして法制化されます。人間が権力を持った時、暴走しないように考えられた欧米社会から得た知恵です。天皇中心の「帝国憲法」にも、権力の横暴を許さない条文が掲げられたのです。さらに太平洋戦争終結後、GHQの指導の元「基本的人権尊重」、「国民主権」、「平和国家」を基本理念とした「日本国憲法(昭和憲法)」が発布された。
しかし、過ちを訂正しながらたどり着いた現代はいかがなものでしょうか。NHKトップお友だち人事、学術会議人事干渉、高検検事長定年延長等、政権の言うことを聞くように仕組もうとしていることを明らかに感じます。殺傷能力の低い武器輸出、原発使用期間の延長、すべてが政権の都合の良い法改革を実行するための人事、組織造りをしているようで、非常に怖さを感じます。混沌とした経済、政治状況から抜け出そうと様々な政策を打ち出すことは必然ですが、その決定過程に対する工作に危険を感じます。権力の思うままに仕組まれることは、民意の反映ではなく、計算された暴君政治に匹敵することです。諫言で真に主君を思う日本人の心を消し去ってはならないですね。

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卒園生・転園生のみなさん8

2023.05.02

5月1日 残酷、不道徳と真実の継承

おはようございます。今日もお天気で春のうららかな時間を過ごせそうです。楽しい1日を目指しましょう。
さて、4月28日を最後に転園された方が、3名いらっしゃいました。地域のお祭りを手伝わせてもらったり、在園時期が異なるご兄弟でご利用いただいたり、様々な楽しいお付き合いをさせていただきました。この場をお借りし感謝申し上げるとともに、今後の集団生活が、お子様、ご家族様にとりまして成長の糧となることを心よりお祈りいたしております。お子様にとっては記憶からなくなってしまう幼少期は、体や心の深いところでいつまでも大切な経験として、生き続けていくものと信じます。ご多幸を願いお別れいたします。ありがとうございました。
「はだしのゲン」のお話をご存じでしょうか。原爆の被害、放射能や後遺症で厳しい戦後を生き抜く人々を「ゲン」いう少年の、強く生きる姿を通して描いた漫画作品(中沢啓治 著作)です。教科書に教材として採用されていたものが、省かれるということです。内容は確かに強烈です。病気、ケガの描写も悲惨、盗みのシーンも何度も出てきます。しかしそれをもって「ふさわしくない」、「悪徳を伝える」から省くではいけないと考えます。伝える側の伝え方、真意をもって子どもたちに提示することこそ大切であり、すべての歴史、日本人の責任、被ってきた事実に蓋をすべきではないのです。広島には原爆ドーム、広島平和記念資料館という私たちが二度と過ちを犯さないように学ぶための施設があります。「はだしのゲン」と同じように、引き継ぐべき過去の事実です。
日本の童話においても「かちかちやま」では、原作にはタヌキがおばあさんを「ばば汁」にしてしまう等、残酷と思われる描写があります。世界では「グリム童話」も非常に恐ろしい一面があります。なぜ先人はそのような描写を残し伝えたのかを考えなければならないと思います。
5月19日から広島ではG7が開催されます。被爆地出身の首相でもある岸田総理がどのようなメッセージを発するのかに注目していきたいと思います。今日も戦争に向かわない日本を信じ、子どもたちのため平和な国を目指すことを誓う1日を願い、一所懸命に生きていきましょう。行ってらっしゃい。

5月1日 午後 自然の偉大な力

さすが2歳児クラスのお友だちは、遊びを見つける、選ぶに長けています。この調子で遊びを自分なりに深めていく、「遊びこみ」を積み重ねていくことがとても大切です。何度もお伝えしていますが、仲間や幼い子との関りもありますが、劇的に便利となるコミュニケーション手段、「話す」についてはまだまだ不十分ですので、言葉が出てきた時に、どれだけ遊びの経験を積んできたかが、ポイントになってきます。かといっていっぱい遊んできた子が、必ずしもいち早く言葉を使いこなせるようになるとも限りません。個々の性格にも左右されるからです。大人は焦らず本人のペースや感性の発達をよく見て、対応する必要があると思います。
今日はシャボン玉を作りました。今は持ち手を振ることでシャボン玉を作ることもできますが、昔は「吹く」一辺倒でした。「吹く」は、たんぽぽの綿毛を吹き飛ばすことでも体験できます。口をとんがらせて一所懸命吹いている姿が以前ありましたが、やはり吹き加減によって飛ばなかったり、飛びすぎたり、中々難しいものです。しかし、何回も行うことで加減(吹き出す空気の量、吹き出すスピード、風を当てる場所・・・)を覚えていきます。たんぽぽんの場合は何も用意するものはありません。それこそ「身一つ」で人間が持っている調整機能をたんぽぽが咲いている分だけ試し、楽しむことができるのです。こんな素晴らしい教材は自然の中にしかありません。自然の植物は風(風媒花)、昆虫(虫媒花)、人間(足の裏-人媒花?)などによって種を運ばせ、子孫を残す術を持っています。植物が生きるうえで、ここまで知恵を使っているのです。人間も自然の中で活動することで、自らの眠っている知恵を呼び覚ますことが必要です。
子どもたちが「たんぽぽの綿毛を吹く」行為は、風に吹かれた綿毛が、自然に飛んでいく場面、あるいは自分が手で持った時、偶然に振動で飛んでいくなどのきっかけがなくては、気付くことができません。そのきっかけは「大人が与える」、「自然をよく観察する本人の観察眼」、どちらでも見つけられますが、素通りしないような感性を身につけるには、やはりそのような環境がいつも身近にあることが大切なことは間違いないのです。だから子どもたちを自然の中に連れ出しましょう。そして気付けないことへ導いたり、自分で気付ける環境を保証しましょう。これが習慣(『熱いスープをフーフーする加減』、『指先使い-ハンカチを折りたたむ』、『注意深く物を見る力-物を扱う際の身体使い』)につながっていくのです。俗にいう「器用な子」とは、「よく見える目、良く聞こえる耳、よく物の感触をとらえる皮膚感覚」と「粘り強く、注意深く考える根気」を持っていると言えます。自分の人生を切り開くためには、とても大切な力だと思います。
自然の中はこちら側が頭を使い、試行錯誤していかないと使うことができないものばかりです。逆にそれは限りない思考の可能性をもっていると言えます。
どうぞ自然の中に子どもを誘い遊びましょう。季節が丁度良い今、園庭開放を行いますので、ぜひご参加ください。子どもたちの成長にとても大きな役割を果たしている、様々な楽しさをお伝えできれば嬉しいです。

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卒園生・転園生のみなさん7

2023.05.01

5月1日 朝 七十二候「牡丹華 (ぼたんはなさく)」 4/30~5/4頃
牡丹
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おはようございます。連休半ばをいかがお過ごしですか?今日から4日くらいまでは良い天気の予報が出ています。しかし寒暖差が10度以上あると体がついていきませんので、十分ご注意ください。気温が低い時間帯の身体、お腹の冷え、暑い時の帽子着用、衣服の調整、水分補給、休息等子どもが自分の力で調整しにくいところは、やはり大人の配慮が必要になります。
【七十二候が穀雨の末候に変わり、牡丹の花が咲き始める頃となりました。牡丹は、晩春から初夏にかけて直径10~20cmの豊麗な花をつけ、色も紅・淡紅・白・紫など様々です。初めは薬草として中国から伝わった牡丹ですが、平安時代には宮廷や寺院で観賞用として栽培され、今では俳句のテーマ、絵画や着物のモチーフとしてもよく登場します。牡丹は甘く上品な香りと、その格調高い姿から、中国では国の代表花にもなっており、「富貴草」「百花王」「花王」「花神」など、褒め称える別名がたくさんあります。この世のものとは思えないほどの美しさと香りを意味する「天香国色」もまた、牡丹の異名となっています。牡丹の花は、20日ほど楽しめることから「二十日草 (はつかぐさ)」の別名も。ちなみに、牡丹の花言葉は、その名にふさわしく「王者の風格」。】
「王者の風格」と言えば、私も長男命名時を想いだします。字画や漢字、読み方を本で調べ考えたものです。命名は親が子どもへの願いを込めるための、大切な機会ですね。保護者の皆様も様々な思いをもってお子様の名前を決められたことと思います。そんな思いを私なりに想像はしますが、機会がありましたら是非教えていただければ嬉しく思います。ちなみに我が愚息は、強い運気を示す画数でしたので、音の響きと漢字を優しくしました。「強くても人と和して過ごしてほしい」との願いです。人の名前もさることながら、世の中の事物には様々な名前があります。まだまだ知らないことは多く、好奇な眼差しを忘れず今日も1日新鮮な心をもって過ごしたいですね。行ってらっしゃい。

夕刻 2歳児クラスの成長
着実に自分自身の遊びに集中し遊びこむ力と、同じクラスの仲間、あるいは特定の仲間との「してもらう してあげる」等、役割の分担が始まりつつあります。並行して備わっていく力は、様々が複雑に関連しあいながら、相乗して伸びていくものと考えられます。必ずしも順調な経過をたどるわけではなく、相手が変わったり、飽きてしまうこともあります。そんな猶予をもって見ていくことが必要です。「人間は思い通りにならないからこそ面白い」。人間の持つ魅力は、この分けのわからなさにあると思います。
植物や生き物のお世話でも、実のところ子どもたちは「水をやれば種から芽が出て大きくなる」などという科学的なことはあまり考えていないような気がします。ただただ大人を真似る、自然現象のおもしろさ(水が落ちる楽しさ・たんぽぽの綿毛がフワフワ飛んでいく不思議・ダンゴムシが丸くなる等)に見入るだけだと感じます。ですがそんな体験をすることが、子どもの「ワクワク感」を育て、探究したいという粘り強い心を作り上げていくのです。科学の「眼」が心に出始めたとき、後年難解な遺伝子の公式を解読する力となっていくかもしれません。
人との関りにおいても、最初は単に「同じことが好き」、「一緒がおもしろい」ただこれだけです。しかし、回数を重ねるたびに相手が行うことは、自分と同じだから受け留めることができるようになります。相手の言動を受け留めることは「子どもたちにとって至難」です。その困難を簡単にクリアーしてしまう瞬間こそ、「自己中心性」から離れ去るための「きっかけ」です。この力は今なお「自己を押し通す強さ」を抱え矛盾しながらも、安定することなく時々静かに現れます。毎日繰り返していくことで少しづつ少しづつ、自己中心が剝がされていくような感じではないでしょうか。
いずれにせよ一足飛びで培われる力ではないのです。この時期ならではの「どうしようもなさ」を「かわいらしさ」にすり替える絶妙な「生きる戦略」ではないかと、科学者ぶった考えも頭をよぎるのです。

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