お知らせ

大治の事件 児童精神科医 佐々木正美先生のことば

2023.09.07

「子どもの心の育て方」佐々木正美 著 岡田千晶さんの挿絵もとてもステキで心温まる1冊です。おてもとにいかがですか?




幼い時はたくさんの大人に出会い、いっぱい、いっぱいかわいがってもらわなければなりません。自分自身が笑顔で迎えられ、抱っこされ、褒められることで、子どもたちは自分自身が生きていることを肯定できるようになっていきます。否定や制止は子どもの心に我慢を強い、不安や不信、自信のない思いを積み重ねていくこととなります。私が毎日読み返す本(児童精神科医佐々木正美のことばの森)には、毎日子どもたちと向き合う時に必要な言葉がちりばめられています。「子育てにつかれたとき」ちらちらとページをめくるだけで、心が落ち着き、そして子どもたちに向き合う力をもらえます。ぜひ一読をお勧めします。

佐々木正美先生のことば
【子どもの甘えをしっかり受け止めるから、子どもも親の要求を受け入れるようになるのです。「子どもを甘えさせると、親のいうことを聞かなくなる」。そう考える親御さんは、本当に多いですね。でも、逆です。うんと甘えさせてやる。つまり、子どもの甘えをしっかり受け止めるから、子どもも親の要求を受け入れるようになるのです。とくに、幼少期に子どもの思いを満たしてやることは大切で、そのぶん成長したときに聞く耳を持ち、社会のルールを自然に受け入れられるようになります。人は、自分の要求を受け入れてもらってからでしか、他を受容できない生き物なのかもしれませんね。甘えを受け止めるのは母親がベストですが、難しい状況であれば、父親や祖父母など、ほかの大人であってもかまいません。子どもは、その発達過程において、自分の全存在を受容される経験が不可欠なのです。

【親の孤独が、子どもへの過剰な期待、過剰な干渉、体罰につながってしまうことが少なくありません。】
大治の事件(中学生の娘に母親が差され死亡した)は、今の世相を映し出している悲惨な結果だと感じました。児相に一時保護された経験もあった少女の家庭に何が起こっていたのでしょうか?こども2人を一人で育てていたお母さんは、心に孤独を抱えていたのではないでしょうか。孤独は孤立となり、その悩み、うっぷんは身内の子ども、家族に向けられてしまう傾向にあります。子どもを胎内に宿した瞬間から、母親は「コドク」であってはならないと思います。孤立しやすい社会の中で、変化に気付ける人間同士でありたいものです。暴力、憎悪が他者に向いてしまうような世の中であってはなりません。自らの身近を見まわし、誰にも知られない小さな一歩でもよいのです。踏み出すことが大切です。

カテゴリ:卒園生・転園生の皆さんへ!

一人は全体のために 全体は一人のために

2023.09.06

「夢中で日を過ごしておれば、いつかはわかる時が来る。」坂本龍馬


おはようございます。
国連公海条約、この聞きなれない条約はどこの国にも含まれない海の取り扱いについて定めようとする法律であり、公海は地球全体で約三分の二を占めているとのことです。(中日-視座9.3 目加田 説子)。北朝鮮ミサイル問題で耳にする排他的経済水域(国が管理する海洋)とは異なる空白海域であったが、昨今の温暖化や海洋資源の枯渇を防ぐことを目的として、20年の年月を経て今月20日より署名開放され約60ヵ国が締結(署名・批准・加入・受諾・承認)していくこととなります。
公海条約は資源保護と深海における海洋遺伝資源(動物や植物の、遺伝物質で医療や化粧品の開発で巨大な市場を生む可能性がある)の利益配分を期待している国々の独占所有の防止、途上国への支援という意味も含まれています。国同士が地球環境保護の元、共存を目的としているのであれば現代社会も精神的に進化していると言えるとのではないかと思います。
幕末期「いろは丸沈没事件(紀州藩所有軍艦明光丸と海援隊指揮下の大州藩(伊予国ー愛媛)所有蒸気船いろは丸が衝突し、いろは丸は鞆の浦に曳航中沈没)」で坂本龍馬が「万国公法」を持ち出し、紀州藩から多額の賠償金を得たことを想いだします。未知の体験である福島の処理水放出についても、すべての国に賛同を得られるようにしていくため、日本は責任をもって今後の追跡調査の公表、漁業者はもとより中国をはじめ放出に理解を得られていない国々にも働きかけを継続していかなければならないと考えます。
また、この「誰もが認める」、「皆が理解している」という約束は、子ども時代から学び身につけていかなければならない考えだと思います。成長過程のあらゆる場面において、人と協調し、反目しながら生きる機会はたくさん訪れるはずです。その都度傷つき、打ちひしがれる時もあるでしょう。良し悪しを強制するのではなく、その時に寄り添い、話を聞き、受け止めてもらえることが、やがて正しい道筋や表現の方法を自身で見つける力となります。大きな取り決めも、小さな出来事の積み重ねなのです。「世界全体が幸福にならなければ個人の幸福はあり得ない-農民芸術概論網要 宮澤賢治」を視点に、皆の幸福を考えていかなければなりません。行ってらっしゃい。 

カテゴリ:文明社会

自分を守る本能

2023.09.05

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わたしは たかいところを ねらうの

なんだかたくましく、頼もしくなってきた○○組さん。何でも自分で挑戦する意欲と力が育ってきました。安心できる人、同じ遊びをする仲間、物、環境は、毎日その場所にあり、変わらず存在していること、いつも優しい笑顔と丁寧な言葉がけがあることで心の中に形作られていきます。そんな経験をたくさん重ねていくと、どれかが安心できれば(例えば慣れ親しんでいる保育園の環境に、知らない大人や子どもが遊びに来ても、さほど緊張感は湧いてきません。)感情が大きく乱れることがなくなってきます。子どもたちは無防備であるため、「知っている、知らない」が即恐怖から泣くという感情表現に直結していきます。でなければ命の危険にさらされる可能性が高くなるでしょう。

個々によって「安心」が得られるまでの期間は異なっています。体の発達とは異なり、心は備えられている防御システムを自らが解き放ち、自信をもって前に進んでいけるようになるまで待たなければなりません。月年齢が低いほどこの直観的防衛能力は敏感です。「危ない」、「怪しい」、「恐ろしい」等のネガティブな感情も、人が生きていくうえで必要なのです。ただし絶大な安心を持てる対象(父母)がそばに存在することで、その対象が笑顔で話していれば安心し、怒っていれば緊張するように、信頼できる他者との関係性を基に、発達につれ能力として自己に備えていくのだと思います。

年齢相応に「見る、聴く、嗅ぐ、触れる、味わう」を増やしていき、世の中の様々な事象に触れていくことが、心身ともにたくましく、好奇心にあふれた心、たくさんの仲間を持ち豊かな生活を送れる環境を呼び込んでいくと思います。

カテゴリ:卒園生・転園生の皆さんへ!

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