卒園生、転園生のみなさんへ29
2023.06.13
おはようございます。今日は予報とは少し異なり、朝から日差しがあります。洗濯物もよく乾きそうです。気温は高くなりますので水分補給に努めましょう。
【七十二候が芒種の次候に変わり、草の中から蛍が舞い、明りを灯しながら飛び交う頃となりました。古くは、暑さに蒸れて腐った草や竹の根が、蛍になると信じられていたそうです。水辺や野の暗がりに浮かんでは消える蛍の光は、まさに夏の風物詩。夏の夜を幻想的に照らし出してくれます。「夏は夜。月のころはさらなり。やみもなほ、蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。」これは、清少納言の枕草子『春はあけぼの』に登場する有名な一節です。夏は夜が趣深い。月が出ている夜はもちろんのこと、闇夜もまた、蛍が多く飛び交っている様子も良い。また、それらがただ一つ二つと、ほのかに光って飛んでいるのも良い。夜に雨が降るのも趣があって良いと、綴っています。短い一節ですが、閑雅な光景が浮かんできますね。蛍が放つ淡い光は「蛍火」と呼ばれ、夏の季語にもなっています。】
情報が少ない昔は、見える、聴こえる、匂う、感じる等の五感で、知っている事物に置き換えて「○○のようだ」と例えたり、判断することがほとんどでした。その過程の中に自分自身の心を映し出し、表現力を高めていたと感じます。その結果優れた文学や絵画、音楽が生まれてきたのかもしれません。現代文明はこの「雅」、「哀れ」等の感性を生みにくくしています。人間は時々自然の中で過ごし、本来持っているはずの感性の働きを呼び覚まさなければなりません。人間であることの素晴らしさは、生き物としての繊細さや身近な生死を感じることで、限りある人生の一コマを大切に生きようと思う心を持てることでもあります。様々な自然の営みに触れてみてください。この地球で息づく自然や生き物に触れることは、「今」が違って見えることにつながるはずです。行ってらっしゃい。
カテゴリ:生き物・自然・人間