水のすばらしさと子どもの成長
2023.07.10
昨今の天気は蒸し暑さも重なり、外遊びは長くはできません。熱中症情報でも「危険」となっています。かといって外で活動しているから必ずしも発症するとも限りません。熱中症は室内でも発症しますので、何に注意しなければならないかを、明確にしておくことが大切です。体温の上昇は体以外の外的条件に、どれだけ適応できる能力があるかです。個々人によってもその力は異なるため、個に注意を払っていくことが当然必要です。日頃の体力、活動、家庭での生活状況、その日の体調等々様々な要因が重なり、乳幼児の健康は一気に良くもなれば悪くもなります。その見極めをしていかなければならないのです。
なのはな組の子どもたちは、昨年の経験、仲間の行動、水の性質などをよく知っているため、少しだけ大人がきっかけを与えるだけで、頭から水をかぶることができます。結果的に「気持ちはよい」、「頭の温度は下がる」等の効果がてきめんに現れます。れんげ組の子は、そこまでの経験や、物を操作する力、水への恐怖や安心感もまだまだですので、大きい子たちがやっていることまでは行いません。このあたりが体験と成長の証と言えます。
そして結果水に触れることで、熱中症から遠ざかり、さらに心も「遊びきった」、「気持ちよかった」、「楽しかった」という大きな満足を得ることができるのです。この満足は当然食事、睡眠にも心地よい影響を及ぼします。「暑い季節を乗り切る」、「子どもの成長を促す」、これらの課題は「水で遊ぶ」によって、相応な解消と成長を促していると言えます。
私は10年前まで幼児から高校生までの子どもたちと鈴鹿の山で、子どもたちと登山キャンプを行っていました。標高300メートルくらいでは、ほとんど平地と変わらないくらい夏の気温は上がります。しかし、山には冷たい川の水、温度を下げてくれる樹木がたくさんありました。その自然の財に、時には高い所から飛び込んだり、登山でほてった体を標高1200mの冷風にさらすことで気持ちよさを得、健康を保つことを子どもたちと一緒に体験し伝えてきました。
自然は偉大です!しかし、その体験を過ごす子どもには、率先してその素晴らしさを楽しむ大人、仲間の存在がなくてはならないのです。自分の身を守り、健康でいられる術を身につけていくためには、自己の体の感覚も知り、コントロールできるように、体験機会を与えていくことはとても大事なことです。特に幼い子どもたちは「命の危険」に近いと言えます。そのリスクを常に測りながらも大胆に遊ぶことは、自己判断力、心と体を強くすることにつながる貴重な体験であると考えています。
カテゴリ:生き物・自然・人間