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はらぺこあおむし 沢登体験 旭山動物園

2024.07.20





子どもたちにとって青虫が形を変えていくことは、信じられない変化だと思います。生き物の中でも劇的な「変態」を行う蝶類は、特に全く異なる形で羽化するため、驚きも他の昆虫よりも数倍興味を持てる対象だと思います。「はらぺこあおむし」はアメリカの絵本作家エリック・カール作、仕掛けとシンプルな作風でベストセラーとなりました。日本でもとてもヒットし歌も作られ絵、仕掛け、歌と楽しみ方もたくさんです。

氷、これも夏を彩る楽しさ、気持ちよさ、おいしさ?の代表でもあります。水は湯、氷、雹、霜、霧、雲と地球上で様々な形に変化し循環するとても不思議な素材です。生き物にとって生存していくために欠くことのできない対象でもあります。理屈ではなくその気持ちよさ、大切さ、恐ろしさを体感しておくことが、「水を大切に扱わなければ」といった心を育てます。もったいないからという理由で蛇口を閉じることの命令ばかりでは、その心根は育ちません。本物の自然の水(青い海、豪快な滝、上流の水の勢い・・・・等)を身をもって体験することで分かることなのです。

小学校高学年を連れて、鈴鹿山脈にある焼合川という小さな河川で滝登りに同行したことがあります。ひたすら川伝いに登っていくのですが、時々小さいものでは1m、大きなものは10m程の滝が現れます。危険な滝は「たかまき」と言って、迂回をしますが、登れそうな滝は上部で人がロープを使い安全を確保(登山技術を使いますので専門性が必要)し、一人ひとり登っていきます。とてもスリリングで、子どもたちの表情も真剣そのものです。自分で挑戦するか否かを決めるため、登り切ったときの爽快な気分は大きな自信につながります。その川は大雨の時は狭い川幅によって濁流と化します。そんな自然への眼差しがないと、挑戦ではなく無謀となってしまいます。人間が訓練し、知識と経験を積んでいくことで、水という素材のすばらしさを危険を避けながら人の成長過程に利用していくことも可能となるのです。

北海道の旭山動物園はご存じですね?元園長の小菅先生(夏休みこども科学電話相談 動物担当)は閑散とした動物園を、「行動展示」という方法で生き返らせた獣医師です。生き物の行動を観て聴いて感じやすいように作り変えました。本物の自然や生き物に触れていくことは、同じ生き物である人間の真実や地球を守るといった大切な心を育てることにつながっていきます。

【小菅 正夫先生(札幌市円山動物園参与)動物担当質問に北海道弁で答えてくれる。一人称は「おじさん」。昨年の放送ではボツワナ(だったっけ?)の砂を大量に吸い込んで喉のコンディションが悪く掠れ声でのご出演でした。円山動物園で参与をされていらっしゃいますが、かつてはあの北海道の旭山動物園の閉園の危機から救い、一気に大人気観光スポットへ成長させた元園長です。その功績もあり、動物園経営についての著書も書いています。獣医を目指し大学で勉強をしていましたが、柔道で鍛えた腕が太くなりすぎて牛の肛門から腸に手を入れる検査ができなかったため、夢が閉ざされてしまったと諦めかけていたところ、「小菅!象のケツの穴は牛より大きいぞ!」という助言を受けて動物園に就職したのだとか。人生わからないものですね。少年時代からいろいろな動物や虫を飼育するのが大好きで、子どものころ虫取りに行きキリギリスを採ってきたとき、キリギリスが元いたところと同じように、背の高い草を一緒に入れて飼育したところ、なんと卵を産んで、翌年キリギリスの赤ちゃんが生まれたのを見て「俺は天才か!」と思った、というお話を昨年番組内でされていました。旭山動物園も、それぞれの動物の生態や行動の習性をうまく利用した展示をして大人気になりましたが、その原体験は幼少期にあったんですね〜。小菅先生の真骨頂はやっぱり動物にとって心地いい環境はどんなものか、それぞれの習性からどんな行動をしたがるのか、といったところの観察眼だと思います。子どもたちからの質問に関する回答も、これまでご自身で動物を観察したり飼育した現場での実体験に基づくエピソードがたくさん登場します。素朴な北海道弁、飾らない一人称「おじさん」で語られるそれらのエピソードは味があって面白いものが多いので、今年もいろんなお話が聞けるのが楽しみです。なんか親戚のおじさんの話を聞いてるような感じなんですよね。すごく親近感を感じます。】

カテゴリ:生き物・自然・人間

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