自分で作ったからこそ!
2025.01.14
自分で何かを作ることを尊重すれば、その物は子どもにとって唯一の自分の愛着物となります。「大切にする」、「こだわって使う」、「自分の物である認識」は、自分で手を加えたらばこそ生まれる感情です。高い金額の既成のおもちゃには生まれるものではありません。大人から見ればガラクタでも、作った子ども自身には「心の中の宝物」なのです。
そしてできる範囲で自作した物(ビニール袋凧)を園庭で思い切り走り使ってみます。面白いと感じる、「なんだ思ったほど面白くないや」感情も様々です。しかし面白くなかったことも味わったことに大いに意義があります。成長し今度新しく「凧」に出会ったときは、異なる意味で新鮮さを感じるかもしれません。それは誰にも分からない本人だけの感情ですが、「あの時はつまらなかったのに、実はこんな面白さがあったのか」は、最初の経験があってこそ生まれるはずです。
子どもたちの成長は肯定的に捉えていくことが大切だと思います。悲観的に捉えその感情を大人が子どもに発してしまえば、信頼している大人の一言はとても大きく影響していきます。だから日頃から子どもたちの優れている面を見つけ認め、口に出していくことを心がける必要があります。
大切な人に褒められることは子どもたちはとても嬉しく、それが「もっと頑張ろう」につながるのです。しかしその褒められる内容は具体的であることが大切です。「すごいね」、「じょうずだね」はどちらかと言えば、抽象的な観念のため、何が良かったのかが伝わりにくくなります。「たこを高く揚げるとができたね!すごい!」、「きれいな線をえがけたね!うつくしい!」などの具体性があって初めて誰に褒められたではなく、「何を褒められた」かに興味が移ります。今はまだその具体性に気付いていないかもしれません、ですが「誰に」ではないことには薄々気付いていくに違いありません。
私たち大人が心がけるべきことは、自己満足の「溺愛」ではなく、子どもたち自身の心と身体の真の成長でなければなりません。自己の所有物ではない一人の子どもが、これから大人になるためにどのような価値観を持つべきか、これは大人の一挙一動にかかっているとも言えます。必然な親子関係、一人の保育士、人生の師との出会い、これらは一人の子の歩みを左右します。だからこそ選ぶことができるまでは適性を試していく機会を考えて与えるのは大人の役割となります。
親の目線、保育士や教師、医師、行政、社会の目線、これらを客観的に持っていくことで、ひとりの子どもの人生は豊かになっていくと思います。みんなで一人の子どもの成長を見守っていきましょう!そのような地域社会にしていきましょう!その主体はご家族です。
カテゴリ:発達