【戦後80年】に考える
2025.05.10


おはようございます。
5月4日の中日新聞社説に《「配給された自由」いま》と題した論説が掲載されました。1945年に文芸評論家の河上徹太郎氏が寄稿した内容について触れています。この論説は前日の憲法記念日を経て真摯に「自由」について考える、大変良い機会となったと思います。
3日の中日新聞1面には、新憲法を国会で成立させた立役者である金森徳次郎(1959没 名古屋出身)の真意があります。「戦争放棄を定めた9条を2項に分けた信念と、将来的な国民的議論への期待がにじむ。・・・抜粋【日本国憲法 第9条(にほんこく(にっぽんこく)けんぽう だい9じょう)は、日本国憲法の条文の一つ。憲法前文とともに三大原則の一つである平和主義を規定しており、この条文だけで憲法の第2章「戦争の放棄」を構成する。この条文は、憲法第9条第1項の内容である「戦争の放棄」(戦争放棄)、憲法第9条第2項前段の内容である「戦力の不保持」(戦力不保持)、憲法第9条第2項後段の内容である「交戦権の否認」の3つの規範的要素から構成されている。】」
1項は「侵略戦争をやらないという永久不磨の規定」としたが、2項は将来の国際情勢をにらみ、議論を国民が判断できる余地を残す目的を含むように金森氏の元考えられていた。にもかかわらずその後の鳩山政権、安倍晋三政権によって国民の議論がないまま、解釈の変更や現状追認が行われてきたことに恐ろしさを感じずにはいられません。国会が国民の代表者であったとしても、この過程を無視した法案の成立は断固阻止すべきです。
上記を踏まえ「戦後の自由」について私たちは考えていくべきです。戦後日本は朝鮮戦争、ベトナム戦争で目の前の貧困のみを解決し、裕福な生活を目指すことばかりに慢心してきました。若者が、そして三島由紀夫が身を賭して(割腹自殺)我が国の加害性を問うてきましたが、国民は思想や行動を変えることなく現代に至っています。その結果相互扶助等の精神性は影を潜め、身勝手な個の主張ばかりを拡散するSNS、偽情報に振り回される現代人、分断社会で起こる孤立、差別に起因する事件が多発する世の中になってしまっているのではないでしょうか?今こそ過去を遡り、日本人自らが選択してきた道に責任をもって他人事ではなくひとり一人が平和や他国との関係性、道義的個人、国の在り方を考えた発信を心がけなければなりません。「少子化」、「高齢社会」、「環境問題」、「文明化」等が抱える問題点を洗い直し、真に正しい対応を考え実践しなければ、日本、世界、地球を自らの所業で滅ぼすこととなるでしょう。
カテゴリ:戦争