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ICCの危機は世界の民主主義の危機

2025.07.20

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おはようございます。
トランプ大統領の関税政策や移民排斥が日本の政党にまで影響を与え始めています。インバウンドで来日する大勢の外国人旅行者、外国人労働者の増加などに対し、日本人の雇用や習慣が侵されていると叫び、日本ファーストを叫ぶ団体の出現。ICC国際刑事裁判所所長赤根智子氏は危機に直面する世界情勢について心底心配している。
【被爆者団体の全国組織「日本原水爆被害者団体協議会(被団協)」がノーベル平和賞を受賞した。唯一の戦争被爆国の被害者の苦痛や苦悩が人類全体の記憶に刻まれる。被害者の尊厳の回復、そして希望の灯ともしびとなる。今、世界中のあらゆる地域で、様々な重大な人権侵害が武力紛争の中で多発している。しかし、私はこうした個々の事象とは別に、世界全体で「法の支配」に逆行する、より大きな流れがあるのではないかと危惧している。国際刑事裁判所(ICC)は現在、存続の危機に直面している。ウクライナと武力紛争するロシアは、私を含む複数の裁判官に対して逮捕状を出している。昨年はICC全体が大規模なサイバー攻撃を受けた。パレスチナを巡る武力紛争では、ICCと職員に制裁を加えようとする動きが米国内で起こり、発動は現実的なものとなりつつある。厳しい経済制裁が科された場合、ICCは世界中の銀行との取引が止まり、あらゆる活動が即座に困難となる。ICCは国家や団体から独立した司法機関であり、脅しに屈することは決してない。目の前にある裁判業務に専念するだけだ。政治的圧力に屈した不作為や作為があれば、それ自体が裁判所としての「死」を意味する。大国が思うがままに行動し、ICCを潰すようなことを日本を含めた国際社会が許すならば、「法の支配」の崩壊を招くことは間違いないとさえ思う。日本はICCにとって最も重要な国の一つである。ICCへの分担金拠出額は1位で、裁判所の活動を財政的に大きく支えている。しかし、それ以上に、日本は、民主主義と平和主義に裏打ちされ、法の支配に基づく開かれた国際秩序を外交の柱とし、法整備支援を含む多くの地道な活動を行ってきたアジアの大国であり、それに対する信頼と期待は大きいのだ。ICCが歴史的な危機に直面している今、日本への期待は一層高まっている。ICCがこの困難を乗り越えて存続するためには、石破首相と岩屋外相をはじめとする日本政府の力強い政治・外交活動、これを支える日本国民の支援の声の高まりが不可欠である。現代の国際秩序の形成において重要な役割を果たしてきた日本の誇りと威信にかけ、ICCが制裁を受け、その存続が危ぶまれるような現在の危機を看過するようなことは決してしないと私は固く信じている。これを裏切らないでほしい。ICCの存続が打ち砕かれてからでは何をしても手遅れだろう。世界中の戦争の惨禍に苦しむ被害者の希望が託されていることを忘れないでほしい。そうした希望の灯を消さないでほしい。-読売新聞オンライン 12日全文】
日本は重要な立場にあると思います。様々な利害損得を考慮している場合ではないと思います。戦争以外の手段で日本国民は「決死の覚悟」を持たなければ、戦渦に巻き込まれてしまうのではないかと感じます。今後を背負う子どもたちの未来が明るい世界となるように、目に見える努力しなければなりません。投票は見える努力のひとつです。

カテゴリ:政治・国際状況

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