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他者理解へのスタートライン

2025.01.29

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3歳から4歳にかけての遊びは、まだまだ具体性に欠け集中時間もさほど長くはありません。しかし確実に何となくそれらしい遊びが現れ、持続してくる頃でもあります。

見立てる際に具体的な色や形が有れば、すぐにごはん作りや、配膳が始まります。しかし具体物であるほど長続きしないのも確かです。つまりは遊びの発展に限度があるため、遊び方が広がらないとも言えます。この年齢にとってはやはり砂を詰めひっくり返して形を見る、作る等することに挑戦性を感じることが必要だと思います。型抜きはいつも成功するとは限らないため、その失敗が何度も何度も挑戦してみたいといった意欲を引き出すとも言えます。

押し車は年齢が低い時は自分一人で押したり乗ることで満足していますが、2歳児クラスでは同じ遊びを行っている仲間に興味を持ち、一緒にいること、同じ遊びをすることを求めるようになります。そのやり取りもうまくいったりそうではなかったり、思い通りにいかないことに出くわしながら、自分の頭で考え解決する方法、大好きな仲間と気持ちよく一所に居られる方法を見つけ出すのだと思います。だからこそ「特定の相手=大好きな人」の関係性が大切だと思います。ここが人間関係のスタート地点だと感じます。「思いやり」、「優しさ」の感情、「一歩引く」等の譲歩は、相手が大切な人だと思えるから湧き出す感情です。少しずつ人間関係が広がっていく過程の中で、最初は「好き」といった気持ちがなければ始まらないのです。

「かくれんぼしよう!」とよく誘ってくれます。子どもたちは好き勝手に「ぼくが鬼、逃げる人」と宣言すると、すぐに遊びは始まります。その通りに行かなければ自分の言った通りになるまで頑として考えを変えない場合もあります。だからたくさん子どもたちがいると、それぞれの欲求に配慮する間などありません、「わかった、やるよ」と言って、数を数え始めたり、走ってその場を離れるだけで遊びは成立するのです。隠れている本人も見つけてもらえないと自分から「ここだよ」と知らせる、隠れていても自分の目線が隠れているだけ等、とてもかわいらしい「自己中心」なかくれんぼなのです。

適度にゆるいゆるいおおまかな決定の中で、柔軟性を持って対応していかざるを得ません。子どもたちもそこはとても「いいかげん(良い意味です)」で、ルールや役割に厳格ではありませんので、何となくあそび集団が成り立っていくのです。「あーたのしかった」その満足感さえ得られれば、今の発達段階ではベリーグッドなのです!

あそびは元来個人の自由な感性で捉え遊べばよいものです。ですがいずれ自分だけでは「おもしろくない」と感じる時がやってくるのです。その時こそ自分たちでルールを考え、みんなの楽しさや協力するなどのチーム力を楽しむ時代の到来です。まだまだ遠い未来です。「今は今」の段階を思い切り遊びこむことが、子どもたちひとり一人の成長を支援していきます。大人はそんな環境(物的、人的)を保証していかなければならないのです。

カテゴリ:発達

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