育児の科学的目線!
2025.06.15

ほうきは掃除をする道具、タイヤは車を走らせる部品、円筒形のプラスティックは元は海苔の容器等、本来の役目とは異なる使い方を子どもたちは行います。
タイヤは丸くて転がる、積めば自分がすっぽり入る隠れ家に、横に並べればアスレチックやバランスを味わう遊具に、ほうきは地面をなぞれば砂模様を描き、時にはバットや刀に、海苔の容器は砂や葉っぱ、生きもの観察ケース、はたまたシジミ蝶を捕まえる道具へと変身するのです。
これらは大人がやることをまねる場合もありますが、自分自身の手足と頭を使い見つけた扱い方法です。どれも道具を手に取り、様々な作用を仕掛けることで、物の性質が明らかになり「おもしろい」といった、心の充足感へも繋がっていきます。だから物と素材の準備は大切だと思います。
人類が初めて小枝を手にした時、その葛藤は始まりました。知恵と工夫、何度もの試行錯誤、数々の失敗と成功を繰りかえすうちに、最も面白いまたは生活の役に立つものとして、固定した使用方法へと落ち着いていきます。
子どもたちはまさにその「人類の進化の過程」を体感しています。室内外の様々な遊具と比較してみてください。元々決まった使い方を狙ったものは、子どもたちの試行錯誤をどの程度引き出しているでしょうか?限定された目的をもって作られている物には自ずと広がりに限界があります。
よってあまりにも目的が明確なおもちゃは、すぐに飽きてしまったり、より強い動機が持続できるもの以外は使われなくなっていきます。何度やっても遊びたくなる強い動機を持てる遊具は、滑り台、ブランコなどがあげられます。「揺らぎ」と言われる浮遊感は何度体感しても気持ちが良いからです。
手先指先で遊ぶものは、遊びの汎用性が高く、素材自体に変化に富むといった性質があります。砂、土、泥、水、自然物などが典型です。ブロックなども知育玩具として様々な種類のものが販売されています。
もう少し大きくなったら名古屋市の科学館に行ってみてください。世界の木製玩具のコーナーがあり、多くの児童が群がっています。ネフスピール(ドイツ)、キュボロ(スイス)、パロ(イタリア)等世界のブロック、木製玩具も中々面白いです。
育児や保育にこのような「科学的目線」を持つことで、本当に子どもたちにとって必要な物や体験が見えてきます。
カテゴリ:発達