凧あげの力!
2025.01.14


凧揚げは毎年行う大切にしている遊びです。なぜ大切かと言いますと、子どもたちが全身と頭を使って取り組むことが出来る正月遊びだからです。幼児さんが凧揚げを行うと必ず「走る」がつきものです。しかし本当のところ凧は風に乗せ、止まって揚げるものです。飛行機のように飛ばすものではありません。でもこの年代はこの取り組みで良いと考えます。いえむしろこの過程があるからこそ「気付き」は生まれると言っても良いでしょう。
走って凧を揚げることは、本園のように立ち木や起伏、障害物が多いと、その位置が頭に入っていること、身体が記憶していなければうまく避けて走ることはできません。さらに時々揚る凧を振り返り確かめながら動くことは、小学生でも至難の業です。あえてこのような環境で行うことには、体のバランスや障害物の回避能力、予測する力を身につけてほしいという願いがあるからです。
当然転倒や衝突といったことによるケガのリスクもあります。大きなケガには注意が必要ですが、日頃から園庭で五感を鍛えている彼らにとって、大きな心配事にはなっていません。子どもたちはあえてその困難をクリアするためがんばります!背中に張り付いても、糸が首に絡んでも頑張って成し遂げようとしています。その頑張る「意欲」こそ今培うべき力だと言い切れます。
どのあそびも本人が「おもしろい」と感じる時こそ集中します!だから投げ出してしまうのはまだその面白さを体感していないからとも言えます。難しい課題でも少しだけ大人が「おもしろい」、「うまくできた」に導くことで、のめり込んでいく姿へと変わっていく場合もあります。遊び活動の子どもへの寄り添いは、あくまで子ども自身が自立していくための方法でなければならないと思います。大人が線路を敷きすぎると意欲が育ちません。
さらに自然は思った様にはなりません。凧の場合最後の写真のように、偶然凧の向きと風向きがマッチすることで気持ちよく揚がる場面に遭遇します。この感触を味わえば次はもっと高く、もっと遠くへといった希望が生まれます。それとなく大人が高く凧を揚げて見せ、希望を意欲へつなげていくことが大切です。
自分自身の手で成功体験を勝ち得てこそ、意欲はますます高まり自分自身に課題や目標を掲げ、自立したあそび生活を行えるように育っていきます。その力が生活習慣や将来の学びの粘り強さにつながっていることは言うまでもありません。
カテゴリ:あそび
分断からの脱出!
2025.01.14

おはようございます。
5日の日に「サンデーモーニング」を観て、世界、日本で進んでいる人間世界の「分断」について考えていました。戦争あるいは天候不順や政情不安定によって人権蹂躙、貧困などが起こり、難民がアメリカ(ハイチ人への差別)、ドイツ(シリア難民排斥)などに避難、職や富を奪われているのではないかと、極右勢力が台頭し自国第一主義がはびこることで排斥運動がおこる。性の多様性が叫ばれる中、神が創造したのは「男女」でありそれ以外はあり得ないとの主張、家族は血のつながりのみであり、他者を排除することで自己を守ろうとする思想。これらの分断は人間が他者理解や協調し生きていこうとする理想に背を向けた考え方です。もちろん国民性については十分議論し、お互いを尊重していくことが求められますが、議論の末紛争を避けお互いが距離を置くことでしか争いを防ぐことができない場合もあります。それも一つです。
サンデーモーニングに出演した「山田洋二さんー映画監督」は、自作「寅さん」の世界を例に血のつながりがない関係性(寅さんとさくらは異母兄妹・中小企業のタコ社長)の中でお互いを「理解しあおうとする心」の大切さを訴えていました。寅さんの世界はなんだかんだといさかいを起こしながらも、お互いを思いやりながら家族という関係性の中に、何とか収めようとする人々の心を描いています。
便利さは様々な分断を生んでいます。心ある世界の人々は次のように言っています。「シンプルな親切さを大切に」、「政治家は宇宙で会議をしたらどうか、小さな地球を見ながら話せばこだわりも憎しみも消えるのでは・・」、賛成ですね!小さなことにこだわることで命を奪い合うなどは「愚の骨頂」としか言いようがありません。
カテゴリ:文明社会
生き方を問う
2025.01.14

キャンプデービッド合意(1978年アメリカが仲介し合意したエジプトとイスラエルの平和条約)
おはようございます。
昨年は世の中の「一隅を照らす」を実践した多くの人々が生を全うしました。お正月のおめでたい時だからこそ、「私たちと同じ一人の人間がなしてきたこと」に思いを馳せ、新しい年の励み、目標を明らかにし理想を掲げるべきだと思います。人間は常に反省していないと何をし始めるかわかりません。「悪に流れやすい」のが人間と心得、故人から学び、自己を省み、社会を見直し、身近な関りを軌道修正していこうと思います。
詩人の谷川俊太郎さん、私たち乳幼児教育者にとっても、絵本を通じ馴染みがあり、また教えられる言葉の数々、子どもたちの感性を揺さぶる言葉を残し、人間の成長に尽力されました。今後も多くの子どもたちが成長過程の中で関わっていくことと思います。
小澤征爾さん、世界的な指揮者であり、気さくで情熱家、自分に対し特に厳しく妥協を許さない姿勢は学ぶべき生き方です。芸術、人間を愛し世界の人々と音楽を通じてつながることを示した素晴らしい芸術家です。
ジミー・カーターさん、政治家元アメリカ合衆国大統領、様々な紛争、差別に対し現役時代はもちろん退任後も尽力し、世界の平和と人権の擁護に勤めた偉大な政治家です。派手なパフォーマンスはなくしかし粘り強くアメリカ国民ばかりでなく人類を牽引するために行った活動は大変すばらしいことです。【バイデン大統領の声明「偉大な人格と、勇気や希望、楽観主義の持ち主だった」と評した上で、「この国のすべての若者たち、そしてよき人生を生きるということはどういうことかを模索しているすべての人たちに、原則、信念、謙虚さをあわせ持ったカーター氏のことを学んでほしい」と呼びかけています。】
他にも数々の方が見えます。皆様の心や生活の中に「一灯をともした偉大な人」はどなたでしょうか?身近な人でも著名人でも、誰かの生き方を見つめ真摯に向き合ってみることで、自分自身らしい生き方も見つけられるかもしれませんね。
カテゴリ:生き方