お知らせ

野口雨情の世界

2024.04.21

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おはようございます。
野口雨情は明治から大正期にかけて活躍した作詞家、詩人です。代表作に『十五夜お月さん』『七つの子』『赤い靴』『青い眼の人形』『シャボン玉』『こがね虫』『あの町この町』『雨降りお月さん』『証城寺の狸囃子』など多くの名曲が伝わっています。日常や世情、自然の様子を情感豊かに歌に盛り込む才能は、他者に代えがたい雨情独特の人間への眼差しがあります。優しさあふれる描写がとても心に染みるのです。
【野口雨情(1882-1945)は、63年の生涯において、約3000編近い詩歌と約800編という多くの童謡を作りました。故郷の農、漁村生活から生まれた自然詩は、虚飾のない素朴さと美しい叙情にあふれ、貧しい人々の生活や弱者に対する限りなく温かいまなざしが内在しています。また、童謡の真髄の「童心」について、深い考察を残しています。(野口雨情記念館HPより抜粋)】
雨情の実家(記念館)が茨木県北茨木市磯原、太平洋岸から100mほど離れた場所にあります。東日本大震災で被害を受けましたが、孫で記念館館長の野口ふじ子さんによって再建維持さています。足を運んだことはありませんが、ぜひゆかりの地を残していただけたらと願います。野口家は徳川御三家水戸藩の郷士の系譜で、光圀(2代藩主)、斉昭(9代藩主)、慶喜(15代藩主)に仕えました。水戸学(弘道館)の中心人物である藤田東吾は幕末の志士に大きな影響を与えた「尊王攘夷」の学者でもありました。先駆的な考え方を持った地域だからこそ、歌や芸能などの文化も発達したのかもしれません。「シャボン玉」、「雨降りお月さん」は「飛ばずに消え」、「生きていれば成長し花嫁となった」娘二人の死に、重ねた歌とも言われています。意味を知れば愛娘を失った親の気持ちがひしひしと伝わってきます。

カテゴリ:宗教・文化

過去の発達に寄り添う姿

2024.04.21



不思議なものですね!人は過去にたどった自分の道を進んでいる仲間に、とてもやさしく寄り添うことができるものなのです。斜面がちょっと怖くてハイハイをしていると、土、身体使いなどを見せてくれたり、おにーさんおねーさんは一生懸命考えて、おとうとやいもうとがやりたいことを探り当てようとしています。ただただ園庭という場所で一緒に時間を共有するだけで、このような関係性が生まれてきます。これは大人が作ろうとしてできるものではなく、子ども同士自らが働きかけあうことでできる関係性です。

多世代で生活する意義は、まさにこのような子ども同士の屈託のない関係性に原点があります。もともと人間は助け合うようにできているのです。親子、祖父母が一緒に生活していればよいのですが、昨今はそのような大家族が少なくなってきました。現代社会で今必要な環境は、戻りようのない大家族生活ではなく、他人同士でもしっかりと関係性を作りあえる社会の在り方だと思います。そんなに難しく考えることはなく、シンプルに子どもたちの世界のように自己開示し、受け止めあうことで自然に生きていくことができるはずです。

以前ゴリラの社会についてお話したことがあったと思いますが、様々な生き物はそれぞれに独自な社会性を持ち生活しています。人間以外の生き物は「生きる」ということに真っすぐだと思います。ただただ自分たちの種族を保存することのために忠実です。人間は様々な科学技術を駆使し生活を豊かにしてきましたが、その豊かさに序列をつけ、優劣の差に満足することで生きるようになってから争いが絶えなくなりました。その価値観から抜け出し共同生活を守っていくことは、「自分が自分が・・・」の自己中心的発達段階(3-4歳)を過ぎ、協働社会を学んできた今を生きる人間の大きな課題だと考えます。ですが、それは大上段に構えた理屈ではなく、今日、そして明日顔を合わせる大切な人たちと楽しく想像力を持って生きていくことなのです。

身近な子どもたちの存在は、「シンプルに生きることが大切だよ!」と呼び掛けています。大人はその声に耳を傾けなければなりません。

カテゴリ:発達

農のある町

2024.04.21

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おはようございます。
少し遅くなってしまったのですが、今週金曜日にジャガイモの植え付けを、園内で子どもたちと行うことになりました。昨年から園の農作業を共にしているNさん(ご高齢ですがとても元気で自分の畑、みんなの畑を耕し、様々な人と野菜を育てておられます。)は、とても子ども好きで子どもたちにも人気です。
この活動には様々な狙いを含んでいます。高齢者と地域住民の活性化とつながりの創出、多世代の交流、食育、環境循環の実践等、保育園を通じ様々な交流を生み出し、繋がりある地域を作り、相互理解、支援の機会を作っていきたいという願いを持っています。平たく言えば「顔見知りになろう!」が狙いです。
土に触れることは、老若男女の隔たりを取っ払い、作業を通じた「仲間になりやすさ」が生まれます。おまけに自宅で出た生ゴミなども野菜作りに活用が可能となり循環社会に役立ちます。さらに「顔見知り」になることは、縁がなかった子どもと大人をつなぎ、事故や発災時などの共同や支援に役立つ基盤となります。
農のある町(中日4.4つながる広がる地域の食 中)では、そんな活動を都心(東京都日野市)で行っている自治体と住民の、生き生きとした活動の様子を伝えています。ネットを通じた関係性は繋がりを広げることもできますが、仮想空間や相手の顔が分からないデメリットが生み出す危険性も存在しています。やはり人間同士は肌のぬくもり、お互いを確認しあえる対面でのやり取りを重視すべきです。いざという時に対面の力は侮れないと思います。孤立化しがちな現代社会において、新たなつながりの場所、居場所を作り出していく必要があります。
保護者の皆様にも機会があればぜひご参加いただけたらと思います。子育て、お仕事に忙しい時期だからこそ、安心できる同じ子育てに苦労している仲間同士のつながりが、一筋の光となって支えを生み出すに違いありません。

カテゴリ:生き方

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