土に触れる喜びを!
2025.05.25


おはようございます。
東京都足立区に有機無農薬で農業を行う足立区都市農業公園(https://www.ces-net.jp/toshino/)があります。体験や地域との連携を理念としており、農業を通じた自然理解(収穫体験・昆虫や生き物の話)、地域交流(フリーマーケット・レストラン)を中身の活動としています。【《組織》-「農薬・化学肥料不使用」であるため、NPO法人 日本有機農業研究会の農家15名程度の方にスタッフとして農地管理をお願いし、約20人の援農ボランティアと私たち農業コーディネータースタッフ3人による日々の作業、公園で公募した14人(H30年9月現在)のボランティアで農作物の栽培を行っています。
《自然との共生》- 私たちの目指す「農薬・化学肥料不使用」は、単に安全・安心な食べ物の栽培ではなく、自然と共生する暮らしです。園内に生えている雑草をあえて刈らず、体験プログラムで使用するフィールドには生きものがすむ場所を確保する等、生きものや植物の特性を利用しながら農薬を使わずに園地管理を行っています。育てているキャベツが全滅してしまう可能性もありますが、農薬で幼虫を駆除したりせず、後述するプログラムや公園に常駐するスタッフが農作物と生きもののつながりについて解説し、お客様に自然について理解を深めてもらうきっかけとしています。例えば、たくさんのモンシロチョウの幼虫が孵化しますが、その多くが寄生バチに寄生され、成虫まで成長できるものはほんのわずかであることを話し、キャベツもモンシロチョウも生態系の一部であることに気づけるようにします。
《地域共生》- 公園で採れた農作物の活用方法は、販売や農作物を活用したプログラムに使ったり、園内のレストランの食材として利用しています。園内での販売は、無農薬で安全な農作物であることとお手ごろな価格であることからお客様からの評判も良く、多くの方にお買い求めいただいています。】
とても興味深い取り組みだと思います。一、地域が世代ごとのバラバラな生活に偏るのではなく共生の機会となる 一、自然環境を残す人間教育の場となる 一、自給自足の考え方を広げる 一、子どもたちが土に触れ、人と交わる機会を提供できる 他にも副産物はたくさんあるのではないでしょうか?一般的なマルシェはよく目や耳にしますが、野菜、花を作るしかも有機無農薬で行うことは、健康志向、無駄がない世界の理解(スーパーに売られた形の良い野菜だけが価値あるものではない)などを与えてくれるのではないでしょうか。販売店ばかりではなく生産者としての市民参加の場を作っていくことも、政治も食も健康も「自分たちで守っていこう」といった能動的生き方を育てることに繋がるのではと学びました。
カテゴリ:文明社会
お散歩の手つなぎ 意思のある人間の手の大切さ!
2025.05.25

お散歩にはとても良い季節です。先回もお散歩の効用とリスクを書いたと思います。今日はお散歩で必要な子どもたちの準備についてお話いたします。
写真を見ていただけば分かりますように、最初に「手をつなぐ」を皆で行っていますね!これは交通量の多い道路を歩くために大変重要な行動です。
まずは人間同士の手はとても温かくて安心感を感じることが出来ます。そしてあぶない箇所に来た時に2人の内どちらかの子が注意を怠り、興味あるものに近づこうと道路に飛び出そうとしても、もう一方の子が動きを止めることが出来ます。もちろん大人が注意義務を怠ってはなりませんが、二重三重の安全確保をするためには、「手をつなぐ」はとても大きな力を発揮します。
最初はみんなでサークルを作る遊びを通して繋がりを体験していますね!ただ単につながっても面白くないです。だからお互い顔を見合わせてにっこりしたり、円を小さくしたり大きくしたりするあそびを歌を唄いながら行うのもとても良い方法です。遊び感覚ですが、まずは手をつなぐことの嬉しさ、一体感である「いっしょだね!」、「たのしいね!」を味わう(人間同士の喜び)ことがとても大切だと思います。
日頃から同じクラスの子どもたちは、特に親しい子同士等の関係性を作りかけていますので、「みんな」、「全員」といった行動はまた異なる感覚だと思います。ですがこのような一体感を感じていくことで、「なかまをおもう」、「泣いたら助ける」、「危ない時は伝える」などの行動へと結びついていくと思います。
たまに他の園でおさんぽロープ?なるものにつかまって歩いている幼児集団を見かけたり、子どもの背中に飼い犬の散歩でよく見かけるリードを使っておられるのを見かけたりします。犬好きの方には失礼かもしれませんが、「子どもは人間」ですので、笛や太鼓、拘束(ロープ)によって自発的行動を抑え込んではならないと思います。たとえ幼い子どもでも高度な「心」を持っています。尊重するとは様々な方法で、その大切さを伝えていくことです。決して外的な力で制御するものではないのです。
介護現場においても身体拘束(ミトン・ベルト等)は人間の尊厳を妨げるものとして、たとえ転倒や落下のリスクがあっても余程でなければ行わないのがルールになっています。社会的弱者(こども、高齢、障がい等)に対して、民主的な方法を妨げることはあってはならないのです。
だからこそ「自分で注意する力」、「他者の安全を理解できる力」を身につけることが、「人間らしさ」を生きていく最も崇高で大切なことなのです。しかし理想ばかりで命を失ってしまっては本末転倒です!十分に大人が配慮していかなければならないことは言うまでもありません。
カテゴリ:教育
元ウルグアイ大統領 ホセ・ムヒカさん逝去
2025.05.25


おはようございます。
ウルグアイの元大統領で「世界で最も貧しい大統領」として物質主義に警笛を鳴らし続けたホセ・ムヒカさんが13日亡くなりました。ムヒカさんの言葉は実践でもっていつも現れていました。大統領時代公邸には住まず農場で過ごし、壊れかけの車に乗り報酬の大半を寄付しています。
元々は左翼ゲリラで逮捕歴もあり、政治家に転身してからの、国連での持続可能な開発会議でのスピーチ「世界の70~80憶人が西洋と同じ消費生活をできるだろうか」で、清貧の価値観に裏打ちされた質素な生き方が国内外からら共感を呼びました。
数々の名言を残しています。「貧乏な人とは無限の欲があり、いくらモノがあっても満足しない人のことである(ブラジル国連持続可能な開発会議演説)」、「倫理を伴わない科学は、想像もできない邪悪なものに利用されかねない。地球上で人間だけが同じ過ちを繰り返す。私たちは過去の過ちから学んだだろうか(原爆資料館見学後の芳名禄)」、「人生で成功することは(人を)負かすことではない。倒れるたびに起き上がることだ。(上院議員としての最後の演説)」、人間が生きる上で必要な簡素で清い条件を静かに語っていると思います。
カテゴリ:政治・国際状況