ぐちゃぐちゃ遊びの楽しさ!
2023.10.14
自由にイメージし 押したり なぞったり 使い方も様々 おもしろいねー
1日目
子どもたちの自由な発想や行動を保障するために、室内環境を設定するには「想いと手間ひま」をかけることが必要です。準備の時間は1時間ほどかかっていました。講師の先生方は子どもたちへの熱意に溢れています。「保育ではなく時間限定だからできる」と言ってしまっては、何も学べないです。何よりも子どもたちの表情や言動が、光り輝き物語っていました。この瞬間をどれくらい「保育園の暮らし」の中で作っていけるかがとても大切だと思います。動画も撮影しましたので、いつか皆様にも公開できればと考えています。
講師は保育士を長らく務めていらしただけあり、導入にたくさん時間をかけ、子どもたちとの言葉と気持ちのキャッチボールにとても長けていらっしゃいました。「ぐちゃぐちゃ遊び」までの導入の流れはお見事!自己紹介(もちろん言葉のやり取り)から始まり、調律用の笛?でしょうか、「吹いても音が出ない!」と演じ、子どもたちのおまじない(言葉)を誘い、初めて会う人への安心と信頼を自然な雰囲気で作り出し、クイズ形式の野菜絵本(実はクラスでも見ている絵本でした)を観て野菜への関心を深め、さらに実物をみんなで触り感触を確認後、いよいよ本番。子どもたちの心は「やってみたい」気持ちに溢れていました。気持ちが掘り起こされれば、あとは子どもの自由に任すのみです。
子どもたちは日頃から豊かな園庭、おさんぽで様々な自然に慣れ親しんでいます。水と土が混ざれば泥に変わり、葉っぱはお皿に盛りつけられた土(ケーキ、ごはん)の上で、チョコレートやキャベツに見立てられます。ナメクジはチャーハンのおかずに変身!これらの豊かなイメージが絵具という人工物の感触、絵本という文化的な活動と相まみえ、ますますイメージは膨らみ、創造の世界は大きくなっていきます。さらにそこへ関わる様々な人の量、仲間とのやり取りが、子どもの心と身体の発達に関わっていることは言うまでもありません。
先生には大切な機会を与えてくださり感謝いたします。明日もたんぽぽ組の時間が有意義になることを期待しています。どうぞよろしくお願いします。子どもたちの作品はとても面白いです。何らかの形で保護者の皆様にも、実物を感じていただけたら良いと考えています。
2日目
最初は「押す」で遊んでいた子どもたちでしたが、途中から「ツルツル」した感触に多くの時間を割いていくようになってきました。野菜や物をスタンプすることへの興味は、間接的な物や道具の形を楽しむことに関心があると言えます。今日はどちらかと言えば、自分の掌、足などの形、手指で感じる絵具と水の感触の楽しさに没頭している時間が多かったように感じます。
子どもたちの姿は、僅かな年齢の差が様々な発達の違いをもって現れてきます。「なのはなさん」より月齢の低い「たんぽぽさん」は、そのような発達の段階だと思います。一つ一つその階段を踏み締め、味わいながら欲求を満足させ、その満足感が十分に味わえると、自然に次の発達の段階を求めるようになっていきます。
極ごく自然な流れの中で、子どもたちの発達は成り立っているのです。「大器晩成」という「老子」の言葉がありますが、実は最近の研究では「大器免成(めんせい)」だとも言われています。人間の力は無限なのです。体の成長はある年齢になればとまり、老化が始まります。しかし、脳の発達はどんなに時を経ても努力している限り、新たな神経細胞が生まれ、そして「つながる」と言われています。まさに「完成」することがないのが人間なのです。
子どもたちの成長発達はとても力強く、頼もしい限りです。子どもの成長発達から喜びをもらい、さらに学ぼうと思えばいくらでもその機会は得られます。「見ようとしているか」、「子どもを一個の人格として尊重しているか」、子どもを「小さな人(ノッポ さん-できるかなNHK)」と表現する意味は、「子ども」という存在の生きる強さと尊厳を表しているのです。
カテゴリ:卒園生・転園生の皆さんへ!