お知らせ

「弱さ」と生きる 法政大学前総長 田中優子

2024.02.09

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おはようございます。
いつも辛口?な論評で表現する田中氏の「視座(中日2.4)」を楽しみにしています。今回も様々な話題を政治、自然災害、国土、愛国心、職業、科学、美質の視点から述べ、説得力を感じる文章でした。うまく纏められませんが概略は下記の通りです。                                        近代化を目指した日本の分岐点は明治維新に始まります。富国強兵、殖産興業を合言葉に外国に追い付け追い越せと、「自国の弱さをわきまえず」中国、東南アジアに武力進出、結果敗戦間際の原爆で多大な放射能被害を受けたにもかかわらず、地震国の脆弱な土地に原発を作り続けてきました。また「持っていないものを得ようとする欲得」は日本の基盤産業である農業、漁業をも衰退させ、環境に配慮しない工業化による弊害(水俣病、四日市ぜんそく等)すらもたらしました。政治は金にまみれ私欲の塊に成り下がりつつあります。小さな国土、災害の多い土地、資源はなく輸入に頼り、物質の豊かさを求め続けてきた日本という国が、「身の程を知れ」と言われているかのようです。(詳細は原文をお読みください。)

美しい文化、国土を千年の昔から継承し、様々な職能技術を知恵と工夫で「日本らしさ」に作り変えてきた誇りを忘れてはならないと思います。そのためには脆弱な日本という国の弱さこそを強みと考え、政策に反映できるように努力していかなければなりません。技術革新で世界をリードしていく力は大いに進めるべきですが、根本の国らしさを忘れてしまっては、育児、子どもの保育教育もおかしな方向を向いてしまいそうで危機を感じます。

カテゴリ:政治・国際状況

政治と金

2024.01.25

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おはようございます。
派閥政治の醜悪な問題が、政治家の責任問題を置き去りにし火消されてしまいました。法律改正はもとより私たちはこの問題を深刻に捉えるべきです。果たして信頼できる代表者をしっかりと選ぶことができているのでしょうか?世論調査や報道を見ても「どこの政党が担当しても同じ」、「任せられる人がいない」、「他の政党よりまし」などの投げやりな有権者の考えが浮き彫りにされています。これで良いのでしょうか?真の代表者を選ばなければいつまでも変われないと思います。
アメリカではトランプ氏が息を吹き返しつつあります。逮捕、起訴されてもなお支持率が高いのは、今よりも生活が良かった政権担当時代の感覚が民意を動かしているからでしょう。明らかに世界を混乱に陥れることが眼に見える支持にはとても賛成しがたいですが、民意とは本気になれば間違いに対しても盲目になるほどの力を有していることが分かります。分別ある民意の高揚を期待しますが、一国を動かすだけの力は本気になった民衆にあることだけは学べると思います。真剣になる必要があります。この国が間違っていかないためにも。行ってらっしゃい。

カテゴリ:政治・国際状況

山田太一氏の作品に思う

2023.12.08

名優 鶴田浩二と若かりし水谷豊(男たちの旅路)


おはようございます。
脚本家の山田太一氏がこの世を去りました。「男たちの旅路」、「岸辺のアルバム」、「ふぞろいの林檎たち」等の名作テレビドラマを多く手掛けた人でした。青年期に良く見たのが「男たちの旅路」でした。
【1975年から放送が開始されたNHK総合テレビ「土曜ドラマ」シリーズの第三弾として始まった。ガードマンという仕事を題材にして、様々な場面での人間の価値観や信念を描いている。戦争を実際に体験した世代と戦後生まれ世代との価値観の違いに対する戦中派の強い憤りがドラマ制作の大きな原動力となっている。また、実際に戦争の惨禍を体験した世代で、自身も特攻機の整備士であった鶴田浩二が主人公に選ばれている。鶴田は一度はこの仕事の依頼を断ったが、山田太一との面会をプロデューサーに求め、山田に特攻崩れとしての自分の経験・思いを脚本に投影するよう求めた。出来上がった脚本を見て、鶴田はこの仕事の依頼を快諾した。
《ストーリー》世代も背景も異なる警備会社の社員たちが、仕事の中から拾い出した疑問に対し真面目に向き合う姿を描く。主人公の吉岡司令補(鶴田浩二)は特攻隊の生き残りであり、戦争はどこから始まったのか疑問を持ち続けて生きる彼を中心に杉本(水谷豊)、島津(桃井かおり)、鮫島(柴俊夫)、柴田(森田健作)が時に激しくやり合いながら出口を探す道筋が語られる。若者たちは様々な観点から問題を検討するが苦しむ側への優しさに流れてしまう若者に対して、吉岡は常に他人を受け入れることが難しい点と、だからこそ何を弱者に求めるのか、弱者とは何かを指摘し続け、両者の葛藤が繰り返し描かれていく。最初に提示された問題が正、反、合の弁証法的に説明された結果、更に大きな問題が浮き彫りになったところで一話形式の物語が閉じられる。】
特別な世界ではなく日常に生活する人々の「家庭崩壊」、「世代間格差」等辛口ホームドラマを制作し革新的な表現が評価されました。日常に流されず目をつぶりやり過ごしたくなる事柄に対しても深く考える姿勢、その大切さをシビアに伝えたのが山田太一氏だと思います。昨今の眼をそむけたくなるような世界と日本の状況にも、私たちは目を背けるわけにはいきません。いつの日か私たちの身にも降り注ぐであろう現実を見据え捉えていく努力が必要だと思います。

少し長くなりましたが、風刺政治漫画家の佐藤氏は山田氏の逝去を悼みながらも政治を掛け合わせ、漫画を制作(12.03中日2面 岸辺(田)のアルバム 佐藤正明 政治風刺漫画)しチクリと世評に投げかけました。その鋭さ滑稽さに頭が下がります。核兵器禁止条約、増税、原発再開(COP)、不祥事等々話題に事欠かない岸田政権ですが、支持率低下も伴い先行きの不透明感で国民の不安は増しているように感じます。

カテゴリ:政治・国際状況

権力に「便利」であるな

2023.11.24





おはようございます。
土、日曜日の新聞内容は物事を大きくとらえる視点(「時のおもり-鷲田清一・視座-内田樹」等)、反対に身近に捉える(てくてく歩いてく-須田亜香里・新聞切り絵・家族のこと話そう・町内会長日記)ために必要に思います。このページもそこから選んで考えることが多いのですが、硬い話はきっと読んでもらえることも少ないのではないかと思います。しかし現実を四苦八苦し生きる私たちにとっては、とても大事な提言が多いためどうしても伝えたくなる我がままお許しください。ななめ読みでも省略でも構いませんので、見出しだけでもお読みいただければ幸いです。
さて、硬い話です。( ^^) _U~~ 「憲法は元々は空言-内田樹19日視座」を読み、やはり理想は大事だと感じました。日本政府は改憲に走ろうとしています。そこで「権力に【便利】であるな-鷲田清一18日時のおもり」との繋がりに納得してしまうのです。大きな理想(日本国憲法)は、達成を目指し主権者である私たちが努力すべきこと、育てるべきことであり叶えられていなくても努力することの大切さを「視座」は教えてくれます。さらに「黙っている」ことは、権力者の思うつぼであること。これは 「時のおもり」から学びます。権威や権力にとって提示することに対し何も反応((+_+))がないこと、これほど好都合な状況はないはずです。思うように何もかも実行していけるからです。
保護者の皆様にとっては行政や我が子を預けている保育園が一番身近な権威的組織かもしれません。どうぞ「黙っている」必要はありませんのでご安心ください。大切なのは伝える立場、伝えられる立場双方に求められる姿勢、「謙虚」、「誠実」、「受け止め」等であることに間違いありません。共に「小さな人=未来ある存在」を多くの知恵と優しさ、対話力、相互理解をもって育てていく気持ちが必要です。憲法という大きな「空言」ではないにしても、将来小さな家庭を守り抜き、大きな課題を考え行動していける人材を育てなければならない義務は私たち先を生きてきた人間が努力し続けていかなければなりません。週の終わりに硬い話はやはりきついですね!((+_+))。

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難民高等弁務官 緒方貞子

2023.10.24

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おはようございます。
イスラエルは今にも地上侵攻を始めようとしています。ガザ地区は停電、水、食料が不足し、市民の生活が危機に直面しています。国連ではアメリカ(常任理事国)が「即時戦闘停止」の決議案を「拒否権」発動によって否決とし、ウクライナではロシアが同等の発動をし、大国の権威に振り回される世界となっています。国際社会が自国の考えに振り回される限り、当事国は国際社会への信頼を失っていきます。
そんな時こそ国連難民高等弁務官であった緒方貞子さんの生き方、行動、主張を想いだす必要があります。「人道支援」とはいかにあるべきか、緒方さんは語ります。
【「現場感というものがなくて、人は説得できないと思いますよ。現場の感覚がないと本当に、こうしたらどうですか、ああしたらどうですかと提言は出来ません。」「考えてみたら、命を守る以外ないんですね、最後は。どこであろうと。生きてもらうことに尽きてしまうんですよね。いろいろな生き方はあってもね。大事なことだと思いますよ。それが人道支援の一番の根幹にあると思います。」「私はいま、非常に日本は内向きになっていると思います。これは外国人労働者の問題もありますし、それから難民の受け入れにも問題があるのです。非常に少ない。それはやっぱり、あまりに自分たちのこと、あまりにも日本の内向きのことばかり考える、上から下まで。自分のことだけでなく、広がりをもった日本をつくっていただきたい。」「何でも見てやろう、何でもやってみよう。そういう意気を持って、若い人には生活していただきたい。本当に人間とはどんなものなのか、どういう人がいるのか、自分の仕事はどういうものかということを、肌で感じて考えてほしい。」「向き合って、ぶち破いていかないとね。向き合って進んでくださいということですよ。乗り越えるためにあるの。危機とか難局というのは。」】
92歳で亡くなった豪傑は、示唆に富んだ名言を自らの行動を伴い残しました。

カテゴリ:政治・国際状況

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