お知らせ

あそびの様式化と脱様式化

2025.03.16

alt枠に合う場所 でっぱりと へこみ 試行錯誤よ!

子どもたちの遊びは様式化(この遊具はこのあそび方)と、脱様式化(この遊具はこんな遊び方もあるのではと試してみる)の間を行き来しています。特に乳幼児は様式化の観点よりも、自分の発達してきた手足を使って、様々な方法で物質を扱うことで「どうなるだろう?」と試してみることに懸命になります。

例えば今日のパズルなどは様式化された遊びと言えます。決まった位置でないと完成とはなりませんね!その様式化を見つけ、ある程度できるようになると、興味は失われていきます。このような対応の玩具はこのような運命にあるのです。ブロックはBブロックのように形が決まっていても、脱様式化(同じやり方でなくても見立てによって変化は何通りもある))の要素も多く含んでいます。何通りもの道筋を体感するまでは飽くことなくブロック遊びが続いていくことでしょう。

ここまで説明すれば自然物がどれほどの「脱様式化」の力をはらんでいるかは、お分かりいただけるのではないでしょうか?砂、花びら、葉、土、水等々、見方、使い方によっては変幻自在に、ひとつ一つの自然物が持つ無限の可能性を見出すことが出来るのです。子どもたちは子ども時代だからこそ、このような「気付き」の最前線に存在することが出来ると言えます。

ということは、子どもたちにとって日頃からどのような環境が大切であるかも見えてきますね。そうなんです!子ども心を刺激し様々な発想を導き出す素材がいつも近くにある環境、これこそ子どもたちには必要な存在なのです。

素材の使い方を「脱様式化」によって、たくさんたくさん試してきた子は、この先の人生で様式化された数、質量、長さ、法律、言語、絵画などについて、より独自で個性的な考えや取り組みを行う力が備わっていくに違いありません。

だからこそ知識や技術にだけ着目した教育に偏重すれば、子どもの発想力、想像力、独創性が育っていかない結果が見通せます。指示待ち、型通り、様式化された事物だけへの適応、自ら考える力や習慣の欠如に繋がっていくことは想像できます。

人間として真に必要な力は、与えられた問題をただ単に回答するだけの力ではないのです。現代社会で問題になっていることに目を向けてみてください。続く紛争、環境の悪化、利他の喪失等々、人間同士が平和裏に過ごしていくための知恵が実践されていると言えるでしょうか?私たち大人が子どもたちに残していくべき社会は、自己中心的で我がままで他者を顧みない醜い人間社会ではないはずです。そのためにも生まれ落ちた瞬間から、大人は何を守り伝え育てていくべきかに真摯に向かい合い、子どもたちを正しい道へと導いていかなければならないと考えます。

カテゴリ:発達

消える書店と新たな書店

2025.03.16

alt「文喫 栄」店
alt「七坪書店 安城市」

おはようございます。
3.9中日新聞の「ニュースを問う」5面に「書店の灯消さないために」という記事がありました。ネットで本が買える時代となり(私も中古本をAmazonで買います)、街角の書店が次々と閉店に追い込まれています。ネットは興味ある分野の本を、安価にしかも素早く買い求める場合に重宝します。反面偏った知識や興味に陥りやすくなるという欠点もあります(エコーチェンバー)。
一方書店では思わぬ出会いもあります。自分の興味以外の出来事を表現した本は、並べられた書棚だからこそ見ることができます。ネット情報はフェークニュースもあり情報誘導されることもしばしばあることを考えると、自分自身の公正な目線を保ち続けていくためにも、能動的な視点を持ちやすい書店での情報収集は、価値が高いと考えられるのではないでしょうか。
営利を目的とした旧スタイルの書店の数は減少していますが、「人が集まる場所」としての個人経営の小さな書店や共同経営、ボランティアによる運営等、営利を必ずしも第一としない様々な書店を開業している例もあります。また中日ビルに開店した「文喫 栄」の様に大規模で喫茶店とのコラボで入場料で本が読める新しい本屋さんも登場しています。今の世の中に必要かつマッチした新しいタイプの書店が増えていくことを期待したいです。
安城市 七坪書店(https://nanatsubobooks.com/)
【はじめまして。愛知県安城市にある小さな本屋さんです。本は読む人をあらゆる世界へ連れて行ってくれます。ある教師は歴史の謎を解明するべく過去へ行きました。あるピアニストはアドリブ主義の気軽さで未来へ行ってしまいました。ある詩人は天国と地獄を旅していました。ある子どもは魔法学校へ入学してしまいました。ちょっと疲れたな・・・・、どこかへ行きたいな・・・そういう気分のときこそ七坪書店に足を運んでみてください。小さな店のなかにいくつもの世界をギュウッと詰め込みました。コーヒーも提供していますので、ゆっくりじっくり、あなただけの一冊を探してみてください。】

カテゴリ:宗教・文化

発達の境目

2025.03.16

altモクモクと行うことの充実感も

それぞれの発達段階の中で個々の力を伸ばしている様子が見受けられます。今遊んでいる様子がまさしく、本人にとって必要な遊びの内容であることを認めることが大切です。

一人で遊びこむ時が必要な時期、気の合う仲間となんでも一緒が良い時、この遊びのときはこの相手等、様々な遊び方のステップがあるのです。心と身体が発達する途上は当然の如く個人差が生まれます。ここを他の子と比較しても意味がありません。先を行く子もゆっくりじっくり歩みを進める子も、それなりに自分らしさの中で進む幅を持っています。これこそ個性だと思います。

小学生になるとなぜか発達は一並びになっているとも言えます。身近なご家族様は心配が尽きませんが、もうしばらく様子を視ていこうと、気を長くして生活していきましょう。大好きなご家族様が不安や苛立ちを子どもたちに感じさせてしまうことは、子どもたちにとって良い事とは言えません。

また子どもたちは子ども同士で上手に関係性を作っていくものです。ここに大人が必要以上に介入すると、これはこれで話がややこやしくなることもあります。人間は自然の一部ですから、たとえ幼くても「自分の力」で一歩を踏み出す必要があります。その一歩は心で感じていることを、どうしても言葉や行動で表したくなった時に自ずと踏み出すはずです。

子どもたちを観ていると「立ち止まり、ジーと見つめる」瞬間があります。その時きっと心の中で葛藤しているのだと思います。「どうしよう、やってみようか」、「いっしょにあそぼうと言おうか」、子どもなりの「迷い」、「判断」を待つことは、忍耐が必要かもしれませんが、この子ども心の葛藤がとても大切であると思います。

カテゴリ:発達

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