お知らせ

心が空っぽだからこそ!

2023.12.25

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穴や空間があると何かしたくなる!これはどうしようもない人間の本性です。心も本当は空っぽにしておいた方が様々な物が入ってくるのですが、人間は目に見えるものに関してはうまく対応しますが、見えないものは欲得が邪魔をしたり、秤を持ち合わせていないようです。ほどほどとか、丁度よい加減というものを時々飛び越してしまいます。

好奇心旺盛な子どもたちは多くのことをしようとします。しかし物に限りがあれば「これ以上はできない」、「終わりが来た」ということも分かるようになっていきます。ひもの本数、穴に通せるひもの長さ、手と腕を使って持てるボールの限度、高くのぼれば不安だが気持ちよいこと、様々な挑戦を行い自分の心と体を調整する、限度を知るなどを認知していきます。ケガと紙一重という状況で失敗することもありますが、次回は新しい知恵をもって臨むことでしょう。

大人は周りでドキドキハラハラさせられながら、子どもの挑戦を見守っていくのです。いつの日か大人の見守りが必要なくなる時がやってきます。それまでは知恵と挑戦を大いに具体的に褒め讃え、本人の「やる気」を引き出し支える必要があります。子どもたちは素敵なアイディアで物品の性質を見抜いた目的外使用と、素材の性質をうまく組み合わせた様々な遊びを見つけ出します。そんなおもしろさにぜひとも気付いてください!その指摘が的を得たとき、子どもたちは「ニンマリ」とします。心は踊り「もっともっと」と考えを広げて遊ぶようになることでしょう。

子どもたちのすばらしさは、生きようとする強さにあります。手がかかることは事実です。ですが「子ども」というよりは「小さな人」として捉えてあげてください。やることは未熟でも大人よりも意欲的で力強く生きていることが多いと思います。半面心と体は機能的には脆さも抱えています。この心がねじ曲がることのないように、「小さな人」として人権を保障していくことが、立派な大人に育っていく大きな秘訣です。

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子どもの遊ぶ力は侮れません!

2023.12.04

冬用スタッドレスにはきかえだ!


子どもたちの自然素材、物へのまなざしは、常に「たのしい」かどうかが基準です。「こうしたら面白いのでは」をほぼ直観的に手足、全身を使い扱うことで新たな楽しさを発見していきます。その心の動きと身体使いがさらなる発達を作り出していくのです。「あそびごころ」は発達のためのエンジンのようなものです。

平均台、机などは高さがあるという点では共通しています。細い木には乗れなくても広い机の上は歩く、飛び降りるなどを怖さを感じることなく行うには適しています。また、机がひっくり返されれば、今度は「見立て」、「つもり」遊びが盛んな発達段階においては、バスや電車に早変わりします。保育士は机をひっくり返すだけで、様々な成長を後押しできるのです。子どもたちの想像力の多様さにはいつも脱帽させられます。
ロープやひもはどうでしょうか?今日は「ひっぱる」、「おす」、「とぶ」、「ひっかける」など様々な動作を生み出しています。何か(多分切り株)を引っ張っていたのですが、偶然振り返ったら仲間がいた(自分より後ろでロープを引いていた仲間を発見!)、そして綱引きになるなど方向がまるで反対になってしまうような遊びの展開も生まれます。この仲間や保育士が介在することが重要です。「自己中心性」が中心の発達を十分に余すことなく伸ばすためには、仲間の一方的な遊び方を見せつけられることも、自己の遊びの充実に対し大きな影響を及ぼしますし、保育士の「発達に配慮した環境設定や導き方」も発達の伸長という点において、大変重要な起爆剤となるのです。

「子どもの力侮ることなかれ!」自分の力が限界に近づいても遊び続けようとするパワーと、多種多様な発想力の豊かさは、大人では真似できない奔放さを持っています。だからこそ調整していくことが大人の使命ですね。放任や管理が過ぎては子どもはうまく育ってはくれません。家族や地域に手厚く育てられるからこそ、健全に成長し世の中に役立つ人間として役割を担える人材になっていけると思います。

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からだ脳を育てる!

2023.11.28



あそびは力いっぱい取り組むことが食、睡眠に繋がります。保育園では十分体を動かし、外気に触れ寒い暑いを積極的に体に感じさせることで、自律神経を活発に働かせるように配慮していきます。保育園、ご家庭で何を優先すべきかはご家族間でもすり合わせることが大切です。下記の乳幼児期に必要な「睡眠時間」を十分にとれるようにしていけると良いです。

小児科医 発達脳科学者 成田奈緒子さんの話を聴きました(みんなの子育て深夜便)。先生は脳の仕組みを18歳までの発達し続ける脳から考え研究していらっしゃいます。とても興味深いお話です。ネットで聞き逃しサービスも無料で放送していますので是非お聴きください。

子どもたちにとっては睡眠がとても大切です。きちんと寝ることは自律神経の発達に大きな影響を及ぼします。少し長いですが、成田さんの科学的見地から「乳幼児睡眠の大切さ」をご理解ください。
【「きちんと寝る」とは、具体的には、どのくらいの睡眠時間が取れていることなのでしょうか。乳児期は多くの時間を寝て過ごすため、あまり気にする必要はありません。3歳児であれば、理想的な睡眠時間は1日12時間程度です。このうち11時間は夜間の連続した睡眠時間で、残る1時間は日中の昼寝時間です。11時間を確保するためには、起床時間を朝6時とした場合は、夜7時に就寝しないといけません。それは現実的ではないという家庭は、総睡眠時間を1時間減らして10時間にし、起床は朝6時で、就寝が夜8時、昼寝を1時間とすれば、比較的実践しやすいと思います。そして、5歳になるまでに昼寝の時間を徐々に減らしていきます。5歳で昼寝をなくすのが理想ですが、あまり神経質になると親が焦ってしまいストレスになるため、目安程度で構いません。
ではなぜ、子どもの発達には幼少期から十分な睡眠時間を確保することが大切なのでしょうか? それは、脳の発達の仕方に関係があります。人間の脳は、大きく分けて3つのステップを踏んで発達していきます。初めに発達するのは、「からだの脳」です。生まれてから5歳くらいまでの間に、「寝る、起きる、食べる、体を動かして危険から身を守る」といった、人間の原始的な機能が発達します。
次に、「からだの脳」と一部並行しながら、「話す、考える、思った通りに体を動かす」といった「おりこうさんの脳」が小中学校段階の時期を中心に発達します。
最後に、10~18歳ごろにかけて、人間ならではの最も高度な機能である、論理的思考や感情の統制といった「こころの脳」が発達します。
ポイントは、「おりこうさんの脳」や「こころの脳」が発達するためには、それぞれ前のステップの脳が十分に発達している必要がある、という点です。その意味でも、すべての土台となる「からだの脳」は大切です。ここをしっかりと育てないまま、小学校レベル以上の高度な早期教育に力を入れても効果がありません。しかも、睡眠習慣や食習慣は、年齢が上がるにつれて子どもの嗜好が固定化されたり、誘惑が増えたりするため、理想に近づけることが困難になります。保護者が主導できる乳幼児期にそれらを習慣化する方が容易であり、その支援こそが、保護者が子どもに対して果たすべき最も重要な責務だと私は考えています。】

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私たちにかかったら どんな道具もへんしんよ!

2023.11.20



今日はたくさんの道具が登場していました。中でもボールは大活躍です。投げる、ける、打つ、受けるなどの動作で遊ぶのが本来の使い方ですが、子どもたちはボールの弾力を発見した時、誰かが座ったり、テレビやご家庭で観たことのある情景を思い出し真似しているのかもしれません。1歳以下だと体重が軽い、ボールの弾力をうまくコントロールできない等の理由で、転倒やボールと一緒に回転してしまうことがあります。後ろに倒れないようにしっかりと体重を乗せ、両足で踏ん張ることができていれば、よっぽどのことがなければ後ろに引っ張られることもないでしょうしかもたとえ後ろに引き込まれても両手、肘などを使い姿勢を戻す、受け身の姿勢で頭部への打撲も避けられる可能性があります。さらに園庭内は芝生、土がほとんどのため激しい衝撃は避けることが可能です。一部アスファルト、コンクリート部位もありますので、その辺りでの行動は注意すべきことを職員の共通理解としています。
遊具、道具の使用は年齢で観るのではなく、個々の発達具合を把握し、挑戦への判断を見守ることが大切です。たとえ機能的に可能な力が身についていても、心が伴わず「やらない」と判断するのも、大切な自己判断として認め、次回がんばれるかもしれないと期待し、励まし続けることが必要だと思います。                                                     

子どもの「あそびたい」権利は自己の心と体の大切な成長機会ですので、できるだけ保証していく必要があります。むやみに止めたり、クラスによって制限を設けることは、発達を邪魔する行為とも言えます。このような人権意識は子どものころから育てていかなければなりません。「プライベートゾーン」や「恥ずかしさ」等についても、たとえ本人が気にしていなくても、おむつ交換や着替えなどは他者の眼に晒されないように注意しなければなりません。本人に対しても「恥ずかしさ」を育てるため、「はずかしいから パンツをはこうね シャツを着ようね」、「見えないところで着替えましょうね」等言葉をかけることは、「羞恥心」を育て、大切な体の部分はママ、パパ、祖父母、保育士以外には見せたりしないことを習慣化していくことに繋がります。

わたしが子どもの頃は「プールはパンツ(下着)一丁!」、「着替えはどこでもOK!」でしたが、危険が増していく昨今、ジェンダー、差別などの問題にしっかりと向き合い、人権教育を考え正しい見方の中で子どもたちを育てたいと願います。

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子どもの力と雨上がりの園庭

2023.11.08

格闘! カボチャと穴と水たまり
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季節がうつろい始めても、やはり雨上がりの園庭は子どもたちにとって魅力的なフィールドに変わるようです。土も草も雨に当たり様子が違うことを肌身を通して感じ取っています。築山の砂は水で固まり、乾ききっている時よりもストップが効きます。川砂でなく山砂には何割か粘土が含まれています。その違いを足の裏できっと感じていることでしょう。

異なる場所で同じような素材に出会ったとき、きっと「あの時の感触だ」と体が思い出すはずです。しかし自然はそんなに甘くはありません。少しでも粘土質が多く固い地盤であれば、滑って転ぶことも起こりえます。そんな多種多様な環境を「怖い」と感じるか、「おもしろい」と感じるかで取り組む姿勢は変わっていきます。危険な場所に対する心と体の備えは、この小さな体験の積み重ねによって身についていきます。今の年齢でも無理なく挑戦できる自然は、それなりの「判断力」、「実行力」を育てます。「案ずるより産むが易し」、「習うより慣れろ」、先人が残した格言は間違ってはいません。人は何千年も前から同じ過ちや発見を繰り返しているのです。経験と歴史から学ぶことは「転ばぬ先の杖」とも言えます。でも転んで痛い思いをしなければ、本当の意味へはたどり着けないのも人間の宿命かもしれませんね。話を戻します。

既成のもの(タイヤや固定遊具等)はその性質に変化が少ないため、性質を身体がキャッチすれば意外と使いこなせます(例えばタイヤのどこに乗れば体が安定するか、内側に落ちないバランスのとり方等の身体使い)。しかし自然物は水(土はゲル状に変化)や太陽光(光は氷を溶かし)等の作用や影響による変化が多様で大きいため、目で見る、手で感触を確かめる、匂いがする、音を聞くことによりそのたびに異なる変化に驚きが大きい素材なのです。このような多様な素材を作り出した地球、宇宙は、やはり人間の身体と心にも存在しているのだと感じます。「子どもたちが自然に戯れる姿」は、まるで自らの原点である宇宙そのものと交信をしているようです。子どもの世界は果てしない「生命の神秘」そのものかもしれません!

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