農のある町
2024.04.21

おはようございます。
少し遅くなってしまったのですが、今週金曜日にジャガイモの植え付けを、園内で子どもたちと行うことになりました。昨年から園の農作業を共にしているNさん(ご高齢ですがとても元気で自分の畑、みんなの畑を耕し、様々な人と野菜を育てておられます。)は、とても子ども好きで子どもたちにも人気です。
この活動には様々な狙いを含んでいます。高齢者と地域住民の活性化とつながりの創出、多世代の交流、食育、環境循環の実践等、保育園を通じ様々な交流を生み出し、繋がりある地域を作り、相互理解、支援の機会を作っていきたいという願いを持っています。平たく言えば「顔見知りになろう!」が狙いです。
土に触れることは、老若男女の隔たりを取っ払い、作業を通じた「仲間になりやすさ」が生まれます。おまけに自宅で出た生ゴミなども野菜作りに活用が可能となり循環社会に役立ちます。さらに「顔見知り」になることは、縁がなかった子どもと大人をつなぎ、事故や発災時などの共同や支援に役立つ基盤となります。
農のある町(中日4.4つながる広がる地域の食 中)では、そんな活動を都心(東京都日野市)で行っている自治体と住民の、生き生きとした活動の様子を伝えています。ネットを通じた関係性は繋がりを広げることもできますが、仮想空間や相手の顔が分からないデメリットが生み出す危険性も存在しています。やはり人間同士は肌のぬくもり、お互いを確認しあえる対面でのやり取りを重視すべきです。いざという時に対面の力は侮れないと思います。孤立化しがちな現代社会において、新たなつながりの場所、居場所を作り出していく必要があります。
保護者の皆様にも機会があればぜひご参加いただけたらと思います。子育て、お仕事に忙しい時期だからこそ、安心できる同じ子育てに苦労している仲間同士のつながりが、一筋の光となって支えを生み出すに違いありません。
カテゴリ:生き方
泣く、笑う、意欲、集中、リズム!
2024.04.06

朝は泣いているおともだちがほとんどでしたが、「いかがですか?」、園庭での遊びを見ているとまるで違う姿が映し出されています。「子どもってこういうものですね!」。「たのしい」、「おもしろそう」を見つけることができれば心は安定していきます。室内の環境は家庭やそこに続くご家族様の記憶を思い出しやすいこともあり、中々寂しさから抜け出すことができませんが、屋外、園庭の世界、自然環境が発する魅力は、「さみしさ」さえどこかへ吹き飛んでしまうほど子ども心をくすぐり、「集中の世界」へと引きずり込んでいきます。「あの車を使いたい」、「スコップで土をすくってみたい」そんな欲求が次々と押し寄せてくるため、泣いている暇などありません!活動量が増せば当然お腹も空きます、だからおやつ(補食)は大切になります。お昼ごはんまで活動するためのエネルギーを蓄えておかなければならないからです。こうして、集団の場において「遊ぶ」、「食べる」、「寝る」、「排泄する」のリズミカルな生活が形作られていくのです。「泣く」、「笑う」、「動く」、「心を働かせる」、これらはすべて蓄えられているエネルギーを消化していきます。空っぽ、満タン、この刺激こそ成長の元です。
さらに「見るのが初めての遊具、築山」、「様々な植物に満ち溢れた環境」への挑戦意欲も焚きつけられます!初めて山に登る子どもたちは、その多くがハイハイの姿勢です。「怖さ」が心を満たすことで本能が働きます。この感情こそ身を守るためには必要な心です。怖いもの知らずでは必ず「大きなけが」を伴う結果を生みだしかねません。幼くても「怖いからしゃがむ」、「お尻をつき滑り降りる」、「四つ這いで登る」の選択ができることがとても大切です。身体使いは理屈ではありませんので、このような少し怖い経験も必要です。このようなケースにいつも大人が先走り、「座って」、「そこで待ってて」等と行動の指示をしてしまうと、指示待ちとなり子ども自身の危機管理能力は育たなくなります。普段から発達を理解し、子どもの力を信じることも自分で考える、安全な方法を身体で覚えるといった視点でとても重要です。
したがって保育士は今この瞬間に「どんな動き方、移動、選択」を子どもたちが行っているのかを注意深く観察します。この「視る」という行動の中に、どれだけの知識と経験を基にした予測の力を持っているのかが、保育士、教育者の力量とも言えます。初任の保育士はその守備範囲が狭量であることが当たり前です。だからこそ経験と学びの力を実践に映し出している、中堅以上の保育士との連携が非常に大切となります。よって「風通しの良い職場環境」、「信頼し合える関係性」の構築が保育者集団の目標でもあるのです。
ご家族の皆様はお子様をどんな子にお育てになりたいですか?そんな問いをご自身に課しながら、どうぞ子育てを楽しんでください。「痛痒い」、「苦し楽しい」等、両極端を表す言葉がありますが、子育てはまさにそんなドラマティックな日々の連続なのです。我が家にもいまだに母親が保育士とやりとりした、毎日の「お便りノート」が我が家の家宝として本棚に君臨しています。「こんなに子どものことを気にかけ」、「これほど楽しむことができた乳幼児期」は、それ以後子どもたちが自立の度合いが増していくにつれなくなっていきます。どうぞ「今」を楽しんでください。第二子、三子とお子様が増えたとしても、唯一のひとり一人のお子様との絆つくりは今この瞬間現在進行形です。
カテゴリ:発達
プーチ・ダモイ(家に帰る途中に)
2024.04.06

おはようございます。
4月2日クローズアップ現代で「プーチ・ダモイ」(第二次大戦中に帰還を願う家族の運動)、戦争に行った息子(夫)を帰還させてほしいと願う市民運動について報道がありました。プーチン政権はウクライナとの戦争に30万人もの民間人を動員しました。家族、多くの兵士が傷つき亡くなっている現実にいたたまれず勇気ある女性が声を上げました。戦争反対の人々が国外に移住する中、統制が続くロシア国内で戦争に反対し「家族を帰せ!」と運動することはとても勇気が必要なことです。しかし一番身近な家族を思う心は、人間にとって最も尊厳ある考えだと思います。
太平洋戦争下の日本の憲兵、特別高等警察による生活統制、思想弾圧、ドイツナチ党のユダヤ人殲滅(せんめつ)作戦などはまだ最近ことです。民意を得た国の権力者に反旗を翻し、一個人が連帯する勢力を形作ることは「死」をも覚悟しなければなりません。「家族愛」がロシア国家の原点だと謳うプーチン政権は、真っ向から「家族を生きて返せ!」と訴える女性団体に対し、あからさまに引き締めを行うことを避けています。これは大統領としてスローガンを掲げている以上、矛盾した弾圧は国民の心が政権から離れることを意味し、崩壊にもつながりかねないからです。明らかな私欲です。
また、思想統制に乗せられ独裁色の強い指導者に従っている国民の姿を目の当たりにすれば、ヒトラー、毛沢東、スターリンなどの独裁者や、政治主導者が公的立場を利用し、責任を逃れようとした日本の戦前戦中体制を良しとした日本国民の思い込みが、結局は間違いであり、民衆を圧迫してきた歴史であることを想いださねばなりません。21世紀になっても同じ過ちを繰り返す人間は、どのようなシステムでこのような暴挙を防いでいけるのでしょうか?「家族を生きて返せ!」このシンプルな主張こそ、権力に屈しない人類の代表者の言葉、思いとして大きく取り上げるべきです。
カテゴリ:戦争
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