お知らせ

認知力の発達 2歳児クラス

2024.03.17


隠している場面そのものを知らせない方法

どこに隠れているのかヒントをもらいながら予測する力

「隠す、隠れる」、「見つける、探す」、これらの発達は2歳児クラスの子どもたちにとって、まだ完成された発達ではありません。しかし、かなり進んでいることも写真を観れば分かります。宝探しは幼いころ、私よりも年齢が5つ離れているおねーさんと室内で良く行いました。とてもワクワクしあらゆる場所を想像し探した記憶が残っています。隠した者と探す者の微妙な言葉の駆け引き、当たりそうで当らないドキドキ、表情を読み取り場所の見当をつける等、かなり高度な心理作戦を展開し、そのやり取りがとても楽しかったのです。保育園の子どもたちはまだそこまではできませんが、保育者の話を聞き、言葉から回答を導き出しているに違いありません。やり方としては、「想像力」と「記憶」を使う方法があります。前者は今日行われたやり方です。後者は隠す(置く)ところを観ることで、記憶を楽しむ遊び方です。具体的想像力に限度がある子どもたちが、どちらの方法を楽しめるのか、試してみることも発達を知る有効な手段だと思います。「♪ひよこがね おにわでぴょこぴょこかくれんぼ どんなにじょうずにかくれても きいろいあんよが みえてるよ だんだんだーれがみっかった」という童謡がありますが、まさにこのひよこさんの隠しきれなさの状況が発達を示しています。

カテゴリ:発達

漫画家 鳥山 明さん ちびまる子ちゃん声優TARAKOさん逝去

2024.03.17





ギャグ漫画「Drスランプアラレちゃん」、「ドラゴンボール」など世界の人々に愛された漫画家鳥山明さんが68歳で病気のため亡くなりました。子ども時代誰もが胸弾ませテレビや漫画本で一度は見る、読んだのではないでしょうか?私はどちらかと言えば「アラレちゃん」に馴染みがあります。アラレちゃんはアンドロイドロボットで、力は強く独特な言葉(「んちゃ、キーン、バイチャ、ウホホーイ、ワクワク」)で人々に笑いの旋風を巻き起こしました。また、登場人物が様々で、のりまきせんべい(アラレちゃん製作者の博士)、ガッチャン、みどり先生、あかね(不良娘)、スッパマン(「梅干し食べてスッパマン」が口癖)、ニコチャン大王(地球を侵略に来た宇宙人)等へんてこで多種多様なキャラクターを持つ人々が、ペンギン村という架空の村で共同生活する中で起こる騒動を描いています。40年ほど前のアニメにもかかわらず現代の課題ともいえる共生社会を描き出していることには驚かされます。何せ侵略を企てる宇宙人でさえ仲良く?妥協しあい一緒に生活しているのですから。ドラゴンボールはユーモアも残しながら、「友情」、「夢」、「バトル」等を主題とし少年ばかりでなく大人をも魅了し、ゲームソフトまで販売され一世を風靡しました。また、ちびまる子ちゃんの声を数十年担当してきた声優TARAKOさんも、63歳の若さで病気のため逝去されました、相次ぐアニメ界の訃報に心からご冥福をお祈りするとともに、想像の世界でたくさんの楽しみを与えていただいたことに感謝したいと思います。

カテゴリ:生き方

ゴリラから学ぶ

2024.03.11

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ゴリラから学ぶことは今とても大切であることが分かります。少々読むのに気合が必要な難文?ですが、ぜひお読みください。

[新たな社交で文化再構築 中日懇話会 人類学者・山極寿一さん 2024.03.07 3面 3頁 朝刊 (全1,218字) 第577回中日懇話会(中日新聞社主宰)が6日、名古屋市内であり、ゴリラの研究で知られる人類学者で、総合地球環境学研究所(京都市北区)の山極寿一所長が「共感社会と言葉のもたらした世界 戦争は人類の本性か」と題して講演した。身体を離れた言葉によるコミュニケーションの発達が暴力や戦争を生んだという人類の進化過程を踏まえ「言葉に過度に頼らず、人間の本質に基づく新たな交流や共同体をつくる必要がある」と説いた。講演の要旨は次の通り。
【ゴリラへの誤解】人間の本性について、(17世紀のイギリスの哲学者)ホッブズに代表される暴力的であるという立場と、平和的であるという(18世紀フランスの思想家)ルソーの立場があるが、ホッブズによる研究者があまりに多い。ゴリラには100年くらい「凶暴で残忍」という間違ったイメージがあり、映画でも繰り返し描かれた。1846年にアフリカでゴリラを発見して欧州に紹介した探検家たちが、ゴリラの行動を誤解して広めた。同じ祖先を持つ人間も本質は暴力的だと考えられたが、類人猿の研究が進むと、人間も本質的には暴力的でなく、途中からそうなったと考える方が自然だと考えられるようになった。
【共感能力】他の類人猿と違い、人間は共に食事をして共同で子どもを保育するために、共感能力を高めた。食事は人間の一番古い文化的行動。人間だけが食料を自分が必要な量以上に集めて、その場で食べず持ち帰って仲間と分配する。信頼を築く必要が生まれた。人間は育児の中で、歌で感情を共有するコミュニケーション能力を得た。歌やスポーツのような身体的なコミュニケーションが通じる集団規模には限界があり、これを超えると言葉が必要になる。持ち運び可能で目の前にないものを見せることができる言葉は、物語を作って共有する力を生む。所属する共同体以外とつき合えるようになり、他の大陸にも行けて発展した。しかし、定住して所有するようになると、強い帰属意識から共同体の中の共感が外の他者には敵意として向くようになった。今はさらに共同体の内部をも侵略している。7万~10万年前に生まれた言葉が、結果的に戦争につながる。
【文化の再構築を】人間の心身は本質的に小規模な社会に適応している。現代の情報革命は知能だけを身体の外に出して発達させているが、意識や感情は外出しできないからついて行けていない。われわれは今、フィクションの中に生きている。言葉は複数の文化をつなぐ役割を果たしたが、信頼関係は広がっていない。人は他者を信用するよりも契約やシステムにすがって生きている。システムの向こうに人はいないし、いつか壊れる。言葉に過度に頼らず、新たな社交で文化を再構築する必要がある。違う意見を両方肯定する「容中律(ようちゅうりつ)」がこれから大事になると思う。情報革命が起きたことで、定住する社会を経て、今、再び移動する時代が訪れつつある。所有する生き方を手放せるかもしれない。]
所有と分配、民主主義、そして言葉の世界、皮肉にも人間の発達と活動は破滅へと近づいているとも言えそうです。ゴリラや縄文人の生き方から現代人が学べることはたくさんあります。

カテゴリ:文明社会

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