忘れない 学ぶ
2023.08.29

サイパン島 バンザイクリフの美しい自然

多くの日本人が自決した丘には慰霊碑が立ち並ぶ チョモロの人々にとっては聖なる海であるはず
おはようございます。朝夕の気温は低くなったとはいえ、日中は猛暑が続いています。引き続き熱中症には注意していきましょう。
8月の終わりに今一度太平洋戦争を振り返っておきたいと思います。軍人だけではなく日本人の過ちを真正面から見据えることで、子どもたちの未来に二度と起こすべきでない戦争を、心に留めておかなければなりません。
サイパン、テニアンは戦況が劣勢に変わった時「絶対国防圏」として日本が死守しようとした南太平洋の島々です。戦前は日本の貧しい農民が新天地として一家を挙げて移住し、サトウキビの栽培と製糖に従事しました。大東亜共栄圏という国策(資源確保)に煽られた国民は、中国大陸、東南アジア等方々に移住し、指導者は原住民を二等、三等人と差別し、日本の皇民化教育を強制しました。後にアメリカ軍が日本本土爆撃のためサイパン、テニアンに上陸したことで、日本兵は多くの民間人、原住民(チャモロ、カロリン人)をも巻き込み死者を出しました。戦陣訓「生きて虜囚(りょしゅう)の辱(はずかしめ)を受けず」を叩き込まれた日本兵は、住民にも日本軍への隷属を強制、この事実は沖縄等地上戦があった他の地域でも同様に行われたのです。「泣き声で位置を知られないため赤ん坊を家族に殺させる」、「手りゅう弾で自決する」、「住民の従軍(盾にされる)」このような同胞同士の悲惨な殺し合いまで招いたのです。重く口を閉ざした生存者は、自責の念と許されざる自己の行為を語ることができなかったのです。人間は殺戮の常態化、飢え、病などで究極な状況に追い込まれることで、人間性を失い信じられない行動を平気で行ってしまう本性があります。自己の心を保つために、人の生き死に対し無関心であろうと動きます。その様な状況を生んでしまってはならないのです。「最愛の子どもを自分の手で殺さなければならなかった思い」は想像を絶する悲しみだと思います。この事実をしっかりと受け止め、今の平和な生活が成り立っていることを決して忘れないためにも、夏が来るたびに思い出し学んでいかなければなりません。行ってらっしゃい。
カテゴリ:戦争
アナログの体験 幼いころの夢中の力
2023.08.26

どんどん 干すのだ!
布を洗う、干すこの一連の動作の中にも、水の中で洗う、濯ぐ→絞る→伸ばす→物干しロープに偏りなく干す→たたく→洗濯ばさみで挟む→乾いたら取り込む→たたむ→タンスにしまう 現代はいくつかの動作が失われていますね。便利になることは良いのですが、物の性質を理解する機会を失っているということは確かです。
私が子どもの頃はさすがにタライに洗濯板という時代ではなくなっていましたが、脱水機はなく横に布を挟んで手回しすると二本のローラーで水は搾り取られるようになっていました。はさむ布が厚すぎると、すごい力が必要になったことを覚えています。子どもにとっては何でもはさみたくなり、葉っぱやら木を挟みどうなるだろうと興味津々!叱られたものです。
お家ではどなたが干していらっしゃいますか?乾燥機が役目を果たしていますか?今は文明の利器を使うことは全く問題ありませんが、「子どもたちが物事の本質、成り立ち、構造、摂理などを知る権利」は、保障すべきだと思います。アナログな世界にこそ、その宝物が潜んでいることは意識しておく必要があります。
中学校の理科の実験でアルコールランプが消えつつあるそうです。理由は「マッチを擦れない」、「家庭では自動着火がほとんど」等の理由だそうです。なおさら火薬の性質や発火の仕組みを知る機会もなくなりますね。いつぞや学校のBBQ大会で、消毒用アルコールを着火剤代わりに使用し、学生さんが亡くなった事件がありました。これなどは典型です。アルコールにも揮発性は様々あり、ガソリン、消毒用アルコールなどは非常に揮発性が高く着火すると危険が大きいのです。本質と原理を実際に扱うことで学んでいれば、このようなことは起こらなかったのではないでしょうか。
子どもたちは木綿のハンカチを広げようとする時、水気を含んでいるハンカチが引っ付くことを知ります。「なぜペタッとひっつくのかな」これが、ハンカチと水が同じ場所にあるとき起こる現象です。そのことはおもしろさもありますが、上手く伸ばせない困難や顔に被ると窒息の危険さえ生じるのです。しっかり洗わなければ汚れも匂いも取れません、絞らなければ乾きも遅いし、たたかなければ布はしわしわにもなります。自分の手足と頭を使い、失敗を繰り返しながら洗い、濯ぐ(すすぐ・ゆすぐ)ことが、本質や原理を理解するチャンスであり、繰り返し同じことを体験することで発見できる生活の知恵でもあるのです。この力をつければ、他のあらゆる場面で応用できる目線をも育っていくことでしょう。失敗しても良いのです。興味を持って取り組めるのは幼いうちだけです。徐々に便利さに迎合し受け止めていくのが大人ですから、「今」しっかりと体験してもらいたいと感じます。これこそ「生きる力」を育てるということです。
カテゴリ:卒園生・転園生の皆さんへ!
慶応義塾高校の優勝に思う
2023.08.25

おはようございます。今日を境に若干気温が落ちていくような気配があります。ようやく秋への入り口も見えて来ました。もう少しだと期待しましょう。
さて、暑さの中繰り広げられた甲子園の熱戦も、慶應義塾高校107年ぶりの優勝で幕を閉じました。私は仙台育英有利と考えていましたが、8対2で慶応高校勝利!今までの高校野球のイメージを覆す「エンジョイベースボール」という考え方で臨んだ甲子園で見事に優勝、時代の変遷を思うばかりです。根性、精神力で自らを鍛え上げるのではなく、科学と対話に基づく合理性で勝利をつかんだ球児を称賛したいと思います。
さすが、福沢諭吉の建学の精神「自由」、「平等」、「権利」を重視した教育の理念が、スポーツに対しても生かされた結果のように感じます。練習内容も上下の別なく納得いくまで話し合いで決定し、髪型も慣習にとらわれることなく個の考えを重視、自身の子息を慶応メンバーに持つ清原氏も「スタメンではなく本人も悔しさがあり、さらに親を元PL優勝チーム、プロ野球選手として持つ身であるため、マスコミから多くの取材を受ける中、よく頑張ったとほめてやりたい」、「私自身もエンジョイ野球という新しいやり方に、野球観が変わる思いです」と述べています。
しかし、学生スポーツには大麻事件や数々の不祥事も起こっています。今回の「慶応義塾高校の優勝」を高校、大学という教育現場関係者はよくよく学びなおし、学生生徒自身が社会悪に染まることなく、健全にスポーツを通じ人間性を伸ばしていけるような体制を形作っていってほしいと願います。
カテゴリ:スポーツ